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特集 機能性食品とエビデンス
口腔、消化器の健康を維持に、抗ピロリ活性の「マスティック」。
抗ピロリ菌活性のある素材として一躍有名になったギリシャマスティック。ギリシャのヒオス島に自生するかん木「マスティック」から採取される樹液のエキスだ。ギリシャをはじめとする地中海沿岸地方では、この樹液の固まりをガムのように噛むことで、口腔、消化器の健康を維持する習慣があるという。
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マスティックの歯周病菌に対する抗菌力も評価。 |
昨年11月の韓国消化器学会において、ピロリ菌による胃炎に対するマスティックガムの効果が発表された。対象となったのは、ピロリ菌を保菌している胃炎患者48名。1粒中にマスティック1gを含有するガムとプラセボガムを調製し、被験食とした。被験者はランダムに2群に分けられ、どちらかのガムを1日3回、食前に15分間噛むように指示された。
試験開始90日目、マスティック群ではピロリ菌保菌を示す検査値が試験前および試験30日目に比べて有意に減少した。胃炎の活動性も減少した。一方、プラセボ群では検査値、胃炎の活動性は変化がなかった。
研究は「マスティックガムはピロリ菌を抑制する新しい補助的治療として使用できる」と結論づけている。
マスティックの名を一躍世界的にしたのは、1998年12月、英国の医師グループがThe New England Journal of Medicineに発表した論文である。「マスティックガムがヘリコバクターピロリを殺す」と題されたこの論文では、マスティックのエタノール溶液がピロリ菌に対して強い抗菌力を有することが示された。経験に基づく効果が科学的に裏付けられたのだった。その後、日本でも静岡県立大学食品栄養科学部の追試で確認された。
これに先立つ1984年、十二指腸潰瘍に対する二重盲検試験をイラクの医師が報告している。それによると、38名の患者を2群に分け、20名にはマスティックを1日1g、18名には乳糖を1日1g投与した。2週間後、自覚症状、内視鏡所見いずれにおいてもマスティック群が有意に優れていた。両群ともに副作用は見られなかった。報告は「1日1回、2週間の投与で効果がみられた。しかも安全で安価」とまとめている。
日本ではカプセルとガム、歯みがきが相次いで発売された。総代理店は(株)中村カイロ協会(TEL03-3496-1111)。
とつかグリーン歯科(横浜市戸塚区)の渡辺秀司院長は、歯周病菌がピロリ菌と同様にグラム陰性菌である点に着目し、マスティックの歯周病菌に対する抗菌力を評価した。神奈川歯科大との共同研究でP.ジンジバリス、フソバクテリウム、アクチノバシラスなどの発育を阻害することがわかった。
渡辺院長はこう話す。「当院では歯周病に自家調剤の漢方うがい薬を処方していますが、この薬がカバーしきれなかったアクチノバシラスに、マスティックが低濃度で抗菌作用を見せました。いずれも市販の洗口液と違い、口腔内の善玉菌への影響は弱いので、歯周病の予防、さらには治療の補助として使用できます。うがい薬とガムを併用することで、単剤では効果が不十分だった症例や症状にも効果が現れています」。
(Medical Nutrition 48号より)
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