特集 機能性食品とエビデンス

 臨床試験による作用機序の報告が相次ぐ機能性食品。

 健康食品の情報が氾濫している。メーカーの中には、代理店を募って出資の手段に利用しているケースもあり、健康食品に対する一般のイメージは良くない。しかし、長引く不況のあおりを受けて他産業が縮小に向かうなか、健康食品業界は活況を呈している。需要があるからだ。生活習慣病や慢性疾患といった医薬品では治りにくい状態を、副作用がない「食効」を通じて少しでも改善させていくのがその狙い。現在では、臨床試験等を通じてきちんとした作用機序も多く報告されている。特集では、これらエビデンスの確立した健康食品を「機能性食品」と位置づけ、その作用機序を紹介する。


 癌細胞を細胞死へ導くことが明らかに。バチカノールCの最新臨床を報告。

 アピ(株)総合研究所は、新規化合物バチカノールC(レスベラトロール4量体)に関する最新データを明らかにする。バチカノールCは、南アジアから東南アジアにかけて分布するフタバガキ科植物から発見された新規化合物であり、赤ワインの有効成分として知られるレスベラトロールが4つ結合した構造をもつポリフェノールの一種。フタバガキ科植物は主に、ラワン材として使われるほか、現地において樹皮や種子などが、潰瘍やリウマチなどの疾病予防に用いられる有用種も存在する。これまで同社では、大腸癌などに対するバチカノールCの癌細胞増殖抑制効果を明らかにしている。

 今回、バチカノールCを含有するフタバガキ科植物抽出物による抗腫瘍作用を更にアポトーシス誘導作用をもとに探究した。その結果、バチカノールCは癌細胞のミトコンドリアに作用し、カスペース-9(酵素)を活性化させるメカニズムにより、癌細胞を細胞死へ導くことを明らかにした。

 抗腫瘍試験については、マウス皮下背部にSarcoma180細胞を移植し、フタバガキ科植物抽出物を28日間連日経口投与して、腫瘍重量に対する作用を測定した。その結果、フタバガキ科植物抽出物の30及び100mg/kg投与により、各腫瘍重量は対照群の44%、14%となった。アガリクス粉砕物の100mg/kgの腫瘍重量は対照群の52%だったことから、フタバガキ科植物抽出物の抗腫瘍活性は、アガリクス粉砕物より効果が上回った。

 さらにフタバガキ科植物抽出物の安全性を雄性正常ddyマウスを用いた28日間連日経口投与試験により調べた。フタバガキ科植物抽出物の1000mg/kg投与で、死亡例はなく、体重、臓器重量、血清GOT、GPT値に異常がないことが判明した。

 他にもフタバガキ科植物抽出物の抗酸化作用を調べた結果、ビタミンCと同程度のSOD活性を有することも明らかにしており、これらの内容を「健康博覧会2003」で発表する予定(26日(水)、16時10分〜)。


 医薬品ガイドライン準拠の安全性試験をクリア。

 一昨年に起きた第60回日本癌学会でのレンチナン騒動、昨年話題となった食品衛生法の改正――。「食」の安全性は今までになく問われている。健康食品も例外ではなく、メーカーは安全性の強化に迫られている。シイタケ菌糸体エキスでおなじみの(株)M・O・Nは、製品製造ラインにおける衛生面の徹底をはじめ、原料などの安全性確認を重点的に実施。単回毒性試験・反復投与毒性試験・変異原性試験の3種類における医薬品ガイドラインに準拠した安全性試験(GLP)をクリアしている。

 単回経口投与毒性試験では、4週齢の雌雄ラットを、雌雄各10匹ずつ2群(シイタケ菌糸体エキス投与群と対照群)に分けて実施。投与群には、10ml/kgに調製したシイタケ菌糸体エキスを、高用量2000ml/kg、低用量500ml/kgとして、対照群には注射用水をそれぞれ投与し、ラットへの毒性を観察した。

 一方、ラットを用いた28日間反復経口投与毒性試験では、4週齢の雌雄ラットを、雌雄各5匹ずつ2群(シイタケ菌糸体エキス投与群と対照群)に分けて実施。投与群には、10ml/kgに調製したシイタケ菌糸体エキスを、高用量1000ml/kg、低用量500ml/kgとして、対照群には注射用水をそれぞれ28日間反復して経口投与し、ラットの毒性を観察した。

 その結果、単回経口投与・28日間反復経口投与いずれの試験でも、それぞれの群に異常及び死亡は認められず、毒性がないことが証明されたと報告している。

 次に、哺乳類の培養細胞を用いた染色体異常試験では、チャイニーズハムスター肺由来の線維芽細胞を使用して、連続処理法の24と48時間処理、短時間処理法のS9mix添加と無添加の4系列で実施し、シイタケ菌糸体エキスの染色体異常誘発性の有無を検討した。その結果、連続処理法の24と48時間処理、短時間処理法のS9mix添加や無添加のそれぞれの場合で、異常細胞の出現率は陰性を示し、シイタケ菌糸体エキスにおける染色体異常誘発性はないことが示唆された。

 同社は、「健康博覧会2003」のなかで「シイタケ菌糸体抽出物(L・E・M)・その販売戦略と成功事例!!」という演目でもセミナーを予定。「担当者が顧客一人一人に説明し、納得したうえで購入してもらうという『手渡し』を通じて個人のつながりを大切にしていきたい」(同社)という。セミナーは、26日の15時40分〜16時30分まで開催される。


(Medical Nutrition 48号より)


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