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<循環器疾患> 天然素材にヒント、予防に役立つ素材明らかに。
脳卒中と心疾患の両者を併せると、依然として死因の約3割を占める。このほかに、重度の後遺症を残したり、寝たきりになったりするなど、疾病による損失は多い。機能性食品による予防の研究が進んでいる。
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ゴマに含まれるゴマリグナン、高血圧や脳卒中予防に効果。 |
古くから健康によいと伝えられているゴマ。超臨界抽出製法で作られたゴマリグナンを含む機能性食品が注目されている。超臨界抽出とは、炭酸ガスと温度を利用して超高圧を加え、食品の脂溶エキスを抽出する方法。特にゴマに含まれるゴマリグナンが、高血圧や脳卒中の予防効果をもつといわれている。
理化学研究所脳科学総合研究センターの野口孝則氏は、ゴマリグナンとビタミンEを併用した場合の脳卒中予防効果を調べている。
遺伝的に脳卒中になりやすいネズミを用いて、普通食群、ビタミンE群、ゴマリグナン群、ビタミンE+ゴマリグナン併用群に分けて検討した。その結果、普通食のネズミでは血圧が上昇したのに対し、ゴマリグナン、ビタミンE投与群では血圧を抑制することがわかった。特に効果が見られたのは、ゴマリグナンとビタミンEの併用群であった。
また、脳血管の太さを比べたところ、ゴマリグナンとビタミンEの併用群では、何も与えないネズミに比べて血管が拡張し、脳血流量も改善されていた。
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海苔ペプチドのおだやかな降圧効果。 |
昨年6月にプラハで行われた第19回国際高血圧学会では、海苔由来ペプチドの降圧効果が報告されている。研究は、(株)白子研究開発センターの斉藤雅信氏、神宮前クリニックの池田壽雄院長らの共同で行われた。
高血圧患者を対象にした。海苔ペプチド1.8g/日、5週間の摂取で、収縮期血圧が158.1mmHgから144.2へ、拡張期血圧が95.0から85.5へと低下した。浮腫や空咳などの副作用、検査値の異常はなかった。また、正常な血圧の人では下降しなかった。
海苔由来ペプチドには、アンジオテンシン変換酵素阻害作用が分かっている。それ以外に、海苔に含まれるカリウム、マグネシウム、食物繊維などの栄養素の総合的な作用で、穏やかな降圧効果を示すと考えられている。
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リングフィッシュ発酵物質、生活習慣病に対して多彩な機能が期待。 |
近年、全身の動脈硬化を非侵襲的に推測するため、頚動脈厚の超音波モニタリング(IMT)が利用される。IMTは全身の動脈硬化の進行を反映するとされ、肥厚が進むほど、心筋梗塞と脳卒中の発生が高くなると言われている。
IMTを用いた検討で良好な結果を見せたのが、北大西洋に生息するタラ科の深海魚・リングフィッシュの発酵物質((株)ニュートリション・アクト)。循環器疾患のみならず、生活習慣病に対して多彩な機能が期待できる機能性食品だ。
アテローム性血栓症患者40名を対象にした臨床試験が一昨年5月の第5回国際循環器予防学会で報告されている。それによると、当初の180日間は被験者全員が同一の食事を摂取し、181日目以降は魚油摂取群、リングフィッシュ発酵物質摂取群の2群に振り分けた。その結果、頚動脈厚が改善した。試験開始前に1.07mmだったものが、摂取180日後には0.79mmに改善した例もあった。
リングフィッシュは、深海2000mの低温・高圧・暗闇という過酷な環境で生息する。そのため、摂取したプランクトンから自分の体内で不飽和脂肪酸を合成するという特殊な代謝システムを有しているのだ。
このリングフィッシュの内臓や骨、頭部を、魚自身のもつ酵素のみを用い、加水分解して機能性食品を作り出した。同化・吸収性に優れたペプチド、ポリペプチド、多価不飽和脂肪酸と結合したアミノ酸を豊富に含んでいる。
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静脈瘤や毛細血管抵抗性の改善などにブドウ抽出物の抗酸化作用。 |
血管防御作用をもつ素材としてEU諸国で研究されているのはブドウ種子ポリフェノール。主成分のプロアントシアニジン(PA)は、強力な抗酸化物として知られている。フランスでは、静脈瘤の改善、毛細血管抵抗性の改善、網膜症の改善等を目的とした医薬品が販売承認されている。
日本では、キッコーマン(株)がヒト血漿の酸化抵抗性増進効果を研究している。同社中央研究所が、2gのブドウ種子ポリフェノール(PA含量は1.8g)を4人の健常者に経口投与し、2時間後、3時間後に採血して血漿を調製し、2量体PA(プロアントシアニジンB1)が血中に存在していることを確認した。
同社の研究担当者は、「血中抗酸化活性の中心がPAのどの分子量画分にあるのか、に関する確固たる証拠はないが、血中に2量体の存在が確認されたことから、3量体以上の高分子PAでも吸収される可能性がある。または高分子PAが腸内細菌などによって部分的に構造変換を受けてから吸収され、それが抗酸化活性の中心的存在になっている可能性なども考えられる」と話している。
(Medical Nutrition 46号より)
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