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特集1 女性に優しい医療
「健康と美容」、相互に考える時代へ。
「健康と美容は表裏一体」というように、疾病予防の素材でも美容に関する機能性を併せ持つものが現れている。一方、高齢化により顕在化してくる痴呆症についても機能性の訴求が相次いでいる。美容・痴呆症に関するトピックスを紹介する。
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美容素材コラーゲン、抗がん作用。ハツカネズミ移植がんに対する試験で明らかに。 |
コラーゲンは線維状の硬たんぱく質の一種で、動物における細胞間物質の主要成分として皮膚や骨などに多く含まれている。構造は弾力性があり丈夫で、軟骨細胞や筋芽細胞など特殊な細胞中のアミノ酸から産生される。コラーゲンの働きは体内の新陳代謝促進に不可欠で、細胞内で作られたコラーゲンは細胞外に分泌、必要箇所に定着し、各細胞をしっかりとつなぎ止めて細胞機能を最大限に発揮させるのに寄与する。
従来は保湿用の化粧品原料としてコラーゲンは使われていたが、榎木義祐博士(元大阪医科大学学長山中太木博士研究室)が摂取に関する有用性を研究開発したことで、サプリメントとしての「飲むコラーゲン」製品も市場に出回っている。(株)ピーエスでは、配合比率50%の高濃度を実現した豚皮由来のコラーゲン粉末「エス・ワン・エス」を発売、高濃度のコラーゲンを自然に摂取できると評判を得ている。製品には、ニンニクの無臭栄養成分サチヴァミン複合体やビタミンCを配合したもので、学会でその相乗効果も発表されている。
また、コラーゲンには抗がん作用があることも大阪医科大学の榎木義祐博士の研究発表で明らかにされている。試験は、ハツカネズミ移植がんに対するゼラチン、その重合物による抗移植性の免疫機能に関するもの。ゼラチン(ウシ、ブタ皮、クジラ)、コラーゲン、粗製ニカワ、重合ゼラチンそれぞれ1%水溶液0.3mlを1週間間隔で3回、ハツカネズミ鼠蹊部皮下に注射し、最終注射後7日目に腰部皮下に5×106個のエールリッヒがん細胞を移植した結果、ゼラチンの種類によって効果差が認められ、ブタ由来のものが効果が高いことが認められた。
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杜仲茶、コラーゲン生成促進も。抗加齢・美容素材としても注目。 |
杜仲茶は、「血圧が高め」の人へとの表示が許可されている特定保健用食品素材。これまでにも血圧降下や老化防止、ダイエット効果などの作用が報告されている。その杜仲茶に新陳代謝の促進に不可欠なコラーゲン合成を促進させる作用があることがこのほど確認された。
栄養素や酸素は、大動脈から毛細血管を通り、毛細血管の壁からコラーゲン層にしみ出すことで細胞に取り込まれる一方、細胞からは老廃物が毛細血管・大動脈を通って排泄される、これが新陳代謝のメカニズムだ。コラーゲンが細胞の周囲に網目状に正しく並んでいる状態では、新陳代謝を良好にするとの研究結果も出され、コラーゲンの働きは一層注目されている。
杜仲茶にコラーゲンの合成を促進させ、運動時と同様に柔軟なコラーゲンを作り出す働きも実験から明らかにされている。運動不足の養殖ウナギのエサに杜仲を混ぜ、コラーゲンの性質を調べた比較対照試験では、試験食を食べたウナギでコラーゲンの分子が非常に小さく、加熱しても柔らかかった反面、対照食ではコラーゲンが高分子で、加熱すると肉質が固くなること等が報告されている。
杜仲茶については、杜仲配糖体の主成分ゲニポシド酸が副交感神経に刺激を与えて、平滑筋をリラックスさせる結果、毛細血管が拡張され、血流が良くなるという一連の新陳代謝のメカニズムが既に解明しているが、今後は抗加齢・美容素材としても注目を集めそうだ。
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PS(ホスファチジルセリン)、ヤマブシタケなど注目集める痴呆症素材群。 |
PS(ホスファチジルセリン)は、大豆から抽出されたリン脂質の一種。リン脂質は人間の脳に多量に存在する成分で、約1000億個ある脳細胞の細胞膜を構成する。細胞膜蘇生のエネルギー源であるブドウ糖の吸収を促進して、脳細胞の働きを活発にするだけでなく、神経回路の働きを効率化して情報伝達を円滑にし、思考機能を活性化する。
1987年にはベルギーのリュージュ大学で、中・軽度のアルツハイマー病患者への二重盲検試験が実施され、PSの効果が確認された。以来、臨床試験が世界中で行われ、痴呆症やうつ症などを改善する作用も報告された。
(有)亜羅仁館では、マロー(骨髄)をベースに、PS・硫酸グルコサミンを配合した「アラジンマロー」を発売。PSの脳機能改善作用とマローの老化予防の相乗効果が追及できる製品となっている。
また、脳機能改善への作用が注目されるのが、キノコ素材のヤマブシタケだ。ヤマブシタケには、アルツハイマー型痴呆症への有用性があるとされる「ヘリセノン」「エリナシン」が含まれており、これらがNGFの合成を活性化させることが確認されている。最近では、3月に行われた日本農芸化学会大会などで、アルツハイマー病関連の神経細胞死誘導因子であるアミロイドβペプチド細胞の毒性を抑制する物質が含まれていることも発表されている。
宏愛会第二リハビリテーション病院の笠原浩一郎院長らのグループは、高齢障害者50人を対象に老年痴呆および要介護度の改善を報告している。試験は介護保険対応型療養病床に入院中の患者50人に対し、冷凍乾燥のヤマブシタケ5g/日を朝夕などの食事から摂取させる形で行われた。脳血管性疾患、老年痴呆、パーキンソン病などが主な障害疾患。その結果、要介護度の変化は要介護度5(寝たきり状態)3例全例で要介護度4に改善。また、ヤマブシタケを投与した老年痴呆者7例全例でFIM値の改善が見られた。
キノコの生産のパイオニアである、まりも製薬(株)も、脳障害で注目されているヤマブシタケの無農薬栽培にも力を入れている。現在は北海道地域を中心に行っている原料やOEM供給を、随時全国に展開をしていく方針だ。
(Medical Nutrition45号より)
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