特集1 女性に優しい医療

女性に優しい抗加齢サプリメント(1)抗酸化サプリメント
CoQ10がパーキンソン病の進行を抑制。

 健康で美しくあり続けることをサポートする女性専門のクリニックが増えている。こうした施設で注目されているのが加齢変化に対応する抗酸化食品。ホルモン補充療法と並んで、更年期障害などの治療に施行されるもので、代表的な素材ではポリフェノールやコエンザイムQ10(CoQ10)がある。


 米医師らがカネカ・コエンザイムQ10で投与試験。

 カリフォルニア大学のシュルツ博士、コーネル大学のビール博士らの研究チームは、コエンザイムQ10(CoQ10)がパーキンソン病に対して44%の進行抑制効果があることを突き止め、試験結果を10月15日付の神経医学専門誌「Archives of Neurology」に発表した。また、11月22〜24日にロンドンで開催された第3回国際CoQ10学会シンポジウムでも報告した。

 パーキンソン病は、進行性の神経疾患で、高齢者ほど罹患しやすいといわれる。原因としては、ミトコンドリア機能に関する遺伝子異常によることが報告されている。シュルツ博士らは、パーキンソン病患者のミトコンドリアCoQ10濃度が、正常人よりも顕著に低いこが報告されていることに着目し、患者への比較投与試験を行った。

 試験は、カリフォルニア大学をはじめとする米国内の10施設において、パーキンソン病初期患者80人を、(1)プラセボ群(16人)、(2)CoQ10を300mg/日群(21人)、(3)CoQ10を600mg/日群(20人)、(4)CoQ10を1200mg/日群(23人)の4群に分け、UPDRS(Unified-Parkinson-Disease-Rating-Scale)という病態に関するスコアによる評価を、投与開始前、1カ月後、4カ月後、8カ月後、12カ月後、16カ月後に実施した。

  投与したCoQ10は、鐘淵化学工業(株)が製造した酵母抽出物「カネカ・コエンザイムQ10」を使用した。

 高用量投与に際しての安全性を担保する重要なデータに。

 その結果、CoQ10の患者血中濃度は用量依存的に増加し、CoQ10を16カ月投与することにより、UPDRSスコアの増加が抑制され、1200mg/日の投与群において44%の病態の進行抑制がみられ統計的に有意な効果が得られた。CoQ10による明らかな副作用はみられなかった。シュルツ博士らは、今後、400人を対象とする大規模臨床試験を実施するという。

 試験で使われたカネカ・コエンザイムQ10は、発酵法により製造された酵母から抽出・精製されたもので、肉や魚などの食物に含まれるものと同じトランス体という構造のコエンザイムQ10からなっており、異性体(シス体)を含んでいないのが特徴。鐘淵化学工業は、世界屈指の安全性評価施設であるコーバンス・ラボラトリーズで、ラットへの反復投与毒性試験を1年間実施し、安全性を確認した。このデータが、今回の投与試験で1200mg/日という高用量投与を実施するに際しての安全性を担保する重要なデータとなった。

 米国では、65歳以上の約1%の人がパーキンソン病に罹患しているといわれる。医学誌の発表を受けて鐘淵化学工業では、「今回の発表によってCoQ10の訴求ポイントの拡大に期待している」と話している。



 女性専門クリニックで注目されるCoQ10とポリフェノール。

 加齢変化に対応するCoQ10、ビタミンE安定化の働きも。

 女性にとって加齢変化の主な要因は、ホルモン異常があげられるが、細胞の老化を促す最大の原因は、活性酸素から生成される過酸化脂質と言われる。

 レディースクリニックでは、抗酸化作用のある薬剤を使用するケースもあるが医薬品の中には作用が強すぎて逆効果になる場合もある。ミトコンドリア内でエネルギーがつくられる際に、フリーラジカル過酸化脂質が生成されることがあるが、これを効き目の強い薬剤で抑えると、かえって細胞の活動が阻害されてしまう場合がある。このため選択肢の一つとして、CoQ10が注目されるようになった。

 また、抗酸化作用があるビタミンEやCを摂取させる場合も、CoQ10の役割が欠かせない。というのも、ビタミンEは抗酸化作用がある一方で、それにより酸化されたビタミンEラジカルが逆に脂質の酸化を促進させてしまう。従って、ビタミンEを安定化させるには、同時にCoQ10を摂取しなければならない。CoQ10は体内で合成されるが、加齢とともに細胞内濃度が減少することからサプリメントで補う必要がある。

 折しも01年3月に厚生労働省がサプリメントの使用を許可したことから、今年11月1日には日本コエンザイム協会(理事長=山本順寛・東京大学大学院助教授)が発足、科学的研究の奨励と消費者への普及活動を行う。

 サプリメントのCoQ10は、鐘淵化学工業(株)、日清ファルマ(株)などが主な原料サプライヤーで、(株)ジャード、(株)ニューレックス、佐藤製薬(株)などが製品化している。


 メラニン細胞の過剰な増殖を抑止、シミ予防にポリフェノール。

 強力な抗酸化能をもつブドウ種子ポリフェノールも、医療用途として期待されている。最近の研究では、女性特有のシミ(肝斑)を改善し、薄くする効果があることがわかった。

 作用機序は、ブドウ種子ポリフェノールに含まれるプロアントシアニジンが、シミの原因となるメラニン色素の生成に関係する酵素チロシナーゼの活性を阻害し、メラニン色素の生成を防ぐというもの。

 キッコーマン(株)の研究では、UV照射で皮膚に色素沈着を生じさせたモルモットにブドウ種子ポリフェノールを経口投与したところ、皮膚のDNA酸化障害を減らし、メラニン細胞の過剰な増殖が抑えられたことから、(1)メラニン色素の生成阻害(2)メラニン細胞の増殖抑制――の2つの効果があることがわかった。

 また、顔面に老人性色素斑をもつ健常人4人(男性3人、女性1人、平均年齢43.5歳)にブドウ種子ポリフェノールを1日に112mg(プロアントシアニジン換算100mg)を経口摂取させ、8週間後に顔面の色素斑部位及び周囲正常皮膚の明度をミノルタ色彩色差計で測定した結果、摂取後30日で色素斑部位の淡明化が目視観察で認められるなどの改善効果が確認された。

(Medical Nutrition45号より)


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