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<学術報告>
前立腺がんへのD−フラクション作用、
NY医大が他のキノコ製品と比較調査。
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ビタミンCと併用の結果、24時間以内に90%のがん細胞の死を確認。 |
ニューヨーク医科大学泌尿器科のセンスケ・コンノ博士らの研究チームは、マイタケから抽出された活性β−グルカン「D−フラクション」を使って、ヒト前立腺がん(PC−3細胞)に対する効果をインビトロで検討した。実験では、D−フラクション(480μg/ml)が24時間以内にPC−3細胞に著しい細胞死を誘発した。ISH分析によって、この細胞死は、アポトーシスによる可能性が高いことが確認された。さらにコンノ博士らはビタミンCがD−フラクションのアポトーシス作用を増強するかどうかを検討した。30から60μg/mlという少量のD−フラクションを200μMのビタミンCと併用した結果、24時間以内に90%の細胞死が確認され、D−フラクションのみ480μg/mlとほぼ同等の効果を示した。この結果についてコンノ博士は、「D−フラクションが低濃度であっても、ビタミンCとの相乗作用で、PC−3細胞に対する傷害性が高まり、最終的にアポトーシスを引き起こすことを示している」とコメントしている。
次にコンノ博士らは、他のキノコ抽出物がPC−3細胞にどのような影響を与えるのか、D−フラクションとの比較試験を行った。使用した抽出物は日本と米国で販売されている7製品。
各抽出物が、細胞の発育に与える影響について、72時間後に測定した。実験には90%を超える細胞死を誘発できるD−フラクションを陽性対照として使用。ARBX、ABSH、ABIW、PLMP及びHC2の5品目は、がん細胞の成長に何ら影響を与えなかったが、M−G及びY−Gには細胞傷害効果が見られた。しかし、M−GとY−Gはβ−グルカンとビタミンCの配合物であることから、コンノ博士は「これらのデータは慎重に解釈されなければならない」と指摘する。と言うのも、ビタミンC単独でも500μM以上の濃度において、PC−3細胞に対する明らかな細胞傷害効果を発揮することが知られているからだ。
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高濃度であれば、ビタミンC単独でも90%を超える細胞死誘発も確認。 |
比較のためにM−GとD−フラクションの条件濃度を同等にした場合、D−フラクション(β−グルカン60μg/ml、ビタミンC200μM)が細胞死を誘発する(>90%)のに対し、M−G(β−グルカン60μg/ml、ビタミンC280μM)は全く効果がないことがわかった。また、M−GとY−GがD−フラクション(β−グルカン60μg/ml、ビタミンC200μM)に匹敵する細胞死(>90%)を誘発するには、M−Gは「150μg/mlのβ−グルカンと720μMのビタミンC」、Y−Gは「18.6μg/mlのβ−グルカンと2400μMのビタミンC」の濃度がそれぞれ必要であることがわかった。以上の実験から、現在市場に出ているキノコ製品の中で、前立腺がんに与える細胞傷害作用はマイタケD−フラクションが最も強いことが確認された。
さらに別の実験では、M−G及びY−Gに併用されたような高濃度であれば、ビタミンC単独でも90%を超える細胞死を誘発することが確認された。このような理由から、コンノ博士は「M−GとY−Gの細胞傷害効果が、果して主にその活性成分(β−グルカン)によるものなのか、それとも多量に併用したビタミンC補助剤によるものなのか、慎重に判断しなければならない」と話している。
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食用キノコ由来EEMとPSKの抗腫瘍活性を比較。 |
術後投与により再移植がんの増殖を顕著に抑制。
元国立がんセンター研究所化学療法部の池川哲郎氏(日本統合医学研究会常任理事)らの研究チームは、10月に開催された第61回日本癌学会総会において、食用キノコの抗がん活性に関する研究結果を発表した。
研究テーマは、エノキタケ由来低分子蛋白多糖体EA6の経口投与での同系腫瘍に対する抗がん活性及び外科手術との併用効果。同系腫瘍にはルイス肺がん、B−16メラノーマを用いた。併用効果はMethA腺維腫をBALB/c雌マウスの腹部皮下に移植、7日後に外科手術でその固形がんを除去、さらに7日後に反対側の腹部皮下に同じがんを再移植した。術前、術後、前後にEA6を10mg/kg経口投与して、移植したがんの増殖を観察した。
結果は、EA6はルイス肺がんに10mg/kgで39%、B−16メラノーマに50mg/kgで26%の延命率(ILS)を示した。外科手術併用実験では、術後投与により再移植がんの増殖を顕著に抑制し、強い補完治療効果を示した。その作用機序を担がんマウスで解析すると、EA6は化学療法剤や外科手術で低下した免疫能、とくに細胞性免疫を高めた。また、術後の腫瘍抗原特異的IL−2産生は、手術だけの場合87に減少するが、EA6併用では178と顕著に上昇することがわかった。
次に池川氏らは、食用キノコのエノキタケ、ブナシメジから抽出した低分子蛋白多糖体EEM(アクチノン)について、経口投与によってサルコーマ180に対する抗腫瘍活性を、免疫活性剤PSK(クレスチン)と比較した。
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EEMの臨床応用での有効性が得られる可能性も示唆。 |
試験は、5週齢のICRマウス(雌)を10匹ずつ、PSK(500mg/kg)群、EEM(250mg/kg)群、EEM(500 mg/kg)群、コントロール群の4群に分け、それぞれ投与物質を水に溶かし、ゾンデによる強制摂取を行った。3週間後に解剖して腫瘍重量を量ったところ、表にあるようにEEM(500mg/kg)群は、腫瘍縮小を意味する重量減少が最も高かい値を示した。経口投与によってEEMがPSKより優れた抗がん活性を示したことから、EEMは臨床応用して有用性が得られる可能性が示唆された。
(Medical Nutrition44号より)
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