特集1 注目のハーブ素材

糖尿病への期待がかかる「桑葉」


カルシウムや鉄分などミンラルを多く含む桑

 桑は、根皮や葉、実、それぞれに効用があるとされ、中国北部から朝鮮半島にかけての山野に広く自生している。日本には、蚕とともに伝えられ、僧栄西が記した日本で最初の茶書「喫茶養生記」にも、糖尿病に効果があるものと紹介がされている。中国でも桑葉を日陰干ししたものを「神仙茶」と名付けて、高血圧や滋養強壮に効果があると紹介されている。最近では、さまざまな健康食品素材を配合したものも多く、(株)ピーエスからも青汁を配合した製品が出されるなど、市場の注目を集めている。

 桑に含まれているミネラルは豊富で、カルシウムはキャベツの約60倍、鉄分も小松菜の15倍と豊富に含まれている。桑の葉に含まれる特有の成分「1−デオキシノジリマイシン」は、小腸に存在する糖分解酵素α−グルコシダーゼの働きを阻害し、余分なブドウ糖の吸収を抑え、食後の血糖上昇を抑制する働きがある。さらに、小腸で吸収されなかった糖類は大腸に運ばれ、腸内環境を整えるため、便通を良くする作用がある。

糖尿病への作用、試験出そろう

 桑葉の糖尿病への作用は、ミナト製薬(株)が同社製品「桑葉末KC」を用い、試験を行っている。

 まず、血糖値の上昇抑制作用を調べた試験では、被験者5名にショ糖、ショ糖と「桑葉末KC」を同時摂取させ、血糖値を測定したところ、ショ糖と「桑葉末KC」摂取時において、有意な食後血糖値の上昇抑制が判明した(図1)。

 次に、糖尿病予備軍の血糖値改善作用については、日本赤十字社和歌山医療センターにおいて実施された。試験は、糖尿病予備軍(空腹時血糖値102〜147mg/dl)10名に、「桑葉末KC」(試験食)と、プラセボを食前または、食後1日3回、各4週間摂取して行われた。その結果、試験食では有意に空腹時血糖値を低下させる作用があることがわかった(図2)。

 さらに、糖尿病患者の合併症予防作用を調べた試験では、糖尿病治療薬で改善が見られなかった糖尿病患者9名に、治療薬と併用する形で、2〜4ヵ月間、「桑葉末KC」を1日3回、食事前または食事後に摂取して行われた。その結果、9名中7名で、HbA1cの低下が見られ、桑葉に糖尿病患者の合併症を予防する作用があることが判明した。

(Medical Nutrition41号より)


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