特集1 注目のハーブ素材

日英で研究総括、有用性を示唆
「イチョウ葉」「SJW」「エキナセア」……

 今年に入って、ハーブサプリメントのこれまでの研究の総括が日英で相次いで報告された。ひとつは国立健康・栄養研究所、もうひとつは英国のErnst氏によるものである。ハーブの研究の蓄積と医療現場での関心の高まりを裏付ける。特集では、この2編の資料を中心に、注目のハーブの学術情報を紹介する。


有効性と安全性を検討、人気のハーブを再評価

 Ernst氏は英国Exeter大学で補完医療学科に所属する。「ハーブ製品の使用が増加しているため、売上高の高いハーブのリスクベネフィットを知る必要がある」と、6種類のハーブ(イチョウ葉、セントジョーンズワート、ニンジン、エキナセア、ノコギリヤシ、カバ)の有効性と安全性を検討した(表)。これまで公表されているシステマティックレビュー(複数の臨床試験の系統的再評価)とランダム化比較試験を収集し、まとめたもので、医学雑誌Annals of Internal Medicine2002年1月号に掲載された。

 同氏は「いくつかのハーブには効果を支持するデータがある」とした。ただ使用の際に問題となるのは、品質のコントロールや標準化の欠落。消費者もヘルスケアの専門家も、どのブランドを購入するか、勧めるか迷っているのは日本だけではないようだ。その点について、同氏は、「臨床試験で使われた製品を使用するのは合理的な方法」とアドバイスする。また、ハーブ製品と医薬品との相互作用があることはすでに知られており、日常診療でも注意が必要だ。

課題は有効成分の分析、医薬品との相互作用に関する検討も必要

 一方、日本の国立健康・栄養研究所では、「ハーブの健康影響評価及び規格基準化の可否等に関する基礎根拠資料」がまとめられている。なんとも長いタイトルだが、海外で報告されたハーブ製品の有効性と安全性の情報をまとめ、日本での今後の規制(医薬品にするか、食品にするか)を定める根拠にしようとするものだ。栄養研の資料では、前出のErnst氏の文献も引用されている。

 資料では、ハーブ類を規格基準型の栄養機能食品として認める上での問題点として(1)有効成分を分析する適切な方法がない(2)適切な摂取量、上限値、下限値を設定する上での有効性・安全性に関する検討が十分ではない(3)長期間摂取に関する安全性、医薬品との相互作用に関する検討が十分ではない(4)表示の問題――を挙げる。

 ハーブ製品は多彩な成分から構成され、それらの複合的な働きで効果を発揮すると考えられる。どれが有効成分かは断定できないばかりか、成分の分析すら確立されたものは少ないというわけだ。それゆえ、有効量にも幅があり、医薬品との相互作用、長期摂取の際の安全性についても十分なデータが得られない。

 とはいっても、Ernst氏の報告に見られるように、ヒトでの臨床試験で効果があるのは事実。いくつかのハーブが医薬品として認可されている国があることがそれを裏付けている。それに合成医薬品でも、メタアナリシスでの評価に耐え得るものはそう多くはない。

 ハーブは「西洋の漢方薬」。たまたま法的環境の違いで健康食品として位置づけられているに過ぎない。だから効果もあれば副作用の可能性もある――そう考えればすっきりするし、実地診療において使いやすいのではないか。

(Medical Nutrition 41号より)


BACKSITE TOPPAGE TOP