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疾患との関連大きく進展。神経管障害の予防に葉酸、黄斑変性症に「ルテイン」
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注目の素材(1)ルテイン |
黄斑変性や白内障など、眼科領域の加齢変性に効果
ルテインはビタミンAの前駆体であるカロチノイドの一種。ブロッコリーやホウレンソウなど緑色野菜に含まれ、光による酸化から植物を保護する働きがある。また、ルテインはヒトの水晶体と黄斑部にも存在し、抗酸化物として黄斑部を太陽光線から保護していることがわかっている。近年、このルテインをサプリメントとして摂取することで、加齢による変性疾患の予防と治療に役立てようとする研究が、特に米国で盛んだ。
とりわけ進んでいるのは眼科領域。加齢黄斑変性、白内障のリスクを軽減することが、多くの研究で明らかにされている。いずれも失明の原因疾患であり、予防に期待がかかる疾患である。5 月に米国フロリダ州で行われたARVO(The Association for Research in Vision and Ophthalmology)では、ルテインと抗酸化剤の視覚機能に対する二重盲検試験の結果が発表された。報告したのはイリノイ州ノースシカゴのDVAメディカルセンターのRicher医師らのグループ。
試験は90名(ほとんどが退役軍人の男性)を対象に、プラセボを対照とした二重盲検試験で行われた。ルテイン(FloraGLOブランド)10mg群、ルテイン10mg+抗酸化剤群、プラセボ群の3群に分け、12ヵ月にわたり摂取させた。
その結果、ルテインを含む2群では黄斑色素密度(MPOD)が50%上昇した。視力や幻視、明暗感度といった視覚機能についてもルテイン群で改善が見られた。
加齢黄斑変性患者にルテイン投与で視力が向上
加齢黄斑変性は米国では失明原因の第1位に挙げられるほど重要な疾患。日本での患者数は約125万人と推定され、近年増加傾向にあるとされる。
葉山眼科クリニック(埼玉県さいたま市)の葉山隆一院長は、加齢黄斑変性の患者にルテインを3カ月間投与したところ、視力が0.05から0.9へと著明に改善した例を経験しているという。ルテインの至適用量は6mg/日とされる。この量を摂取すると、加齢黄斑変性の発症を43%低下させるとのデータ(ハーバ−ド大学)があるが、食品から摂取しようとするとホウレンソウ約2分の1束にあたり、サプリメントを利用するのも一法である。海外の研究ではルテインのサプリメントを摂取すると、血清ルテイン濃度と黄斑色素密度が上昇した。
ルテインはマリーゴールドというキク科の植物から抽出したエキスが主に用いられている。ルテインに関する詳細(英語)はhttp://www.luteininfo.comで得られる。
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注目の素材(2)葉酸 |
日本では早急な対応策が必要な先天性神経管障害を予防
4月26日に行われた第54回日本ビタミン学会では、慈恵医大脳神経外科の阿部俊昭教授が、二分脊椎症と葉酸との関連を報告。日本は諸外国と比べて二分脊椎の発生率が高く、早急に国家を挙げての対策を取らねばならないと警告した。葉酸の欠乏で先天異常が発生する機序は、血中ホモシステイン濃度の上昇によると考えられている。
米国疾病管理センター(CDC)は1992年、「すべての妊娠可能な生殖年齢にある女性は、1日400μgの葉酸を摂取すべきである」との勧告を発した。妊娠の4週前から12週までに400μg/日の葉酸を摂取することで、神経管欠損症の発生リスクを70%軽減できるという。日本でも旧厚生省が2000年に、妊娠可能な女性に対し、通常の食事に加えて1日400μgの葉酸を栄養補助食品で摂取することを促す文書を各都道府県と医師会、栄養士会などの関連団体に送付した。
伝統的な和食には、葉酸が多く含まれていたが、近年の食生活の変化に伴い、食事から十分な量の葉酸を摂取することは困難になっている。2000年に女子栄養大学の安田和人氏らが実施した調査では、20代前半の女性の葉酸摂取量は、190±70μg/日と、推奨される1日量400μgには遠く及ばない。
さらに、食事から摂取する葉酸の利用効率はおよそ50%とされており、それを考えれば、800μgを含むような食品の量を確保せねばならないことになる。小牧市民病院の近藤厚生氏は「通常の食生活から大きくかけ離れており、もしこれを継続すれば高脂血症や肥満を惹起する可能性がある」と指摘する。葉酸はキョーリン製薬が1粒中に400μgを含有するサプリメントを医療機関向けに発売している。
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医薬成分ルチンがサプリメントに
優れた抗酸化能があるビタミン成分、ルチンが規制緩和によりサプリメントに配合できるようになった。血管強化作用や毛細血管拡張作用など、血管系の作用から、高血圧の治療に用いられる医薬品成分だったが、厚生労働省が昨年3月27日に「医薬品の範囲に関する基準の改正について」(医薬発第243号)を発表、医薬品的効能効果を標榜しない限り、食品として使用可能になったため、サプリメント製品が開発されている。
ルチンは優れた抗酸化能を有していることが知られている。また、ルチンはビタミンCの酸化を抑制するとの報告もある。動物実験では、1日必要量以下のビタミンCでもルチンを同時投与すれば、壊血病にかかりにくくなることがわかっている。甲状腺剤投与による血中ビタミンCの消費増加による濃度低下の際にもルチンは効果的に働くことから、ルチンがビタミンCの体内酸化抑制効果により、ビタミンCの体内利用効率を高めると考えられている。
ルチンの原料メーカーは、常磐植物化学研究所(TEL03-3808-2291)。半世紀以上前から植物原料の抽出・精製を行う同社が最初に手掛けた素材がルチン。半官半民でスタートした企業だが、現在では医薬品原料からサプリメント原料まで幅広い供給体制を整えている。

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(Medical Nutrition39号より)
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