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抗酸化・抗炎症食品
抗加齢医療で注目されるブドウ種子ポリフェノール(プロアントシアニジン)
抗酸化作用を有する代表的な食品素材として、臨床現場で注目を集めているのがポリフェノールである。昨年6月に発足した「日本抗加齢医学研究会」、7月に発足した「女性のための抗加齢医学研究会」では、ホルモン補充療法と並んで抗酸化食品を使った臨床研究を行う予定だが、その研究対象素材にポリフェノールが挙っている。
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欧州では静脈瘤や静脈不全などの血管治療薬として使用 |
ポリフェノールは、分子内に2つ以上のフェノール性水酸基を持つ植物成分の総称で、光合成によってできた植物の色素や苦味成分。ストレスや化学物質過敏症などの体内環境汚染が広がる現代においては、5大栄養素、食物繊維に次ぐ第7の栄養素と呼ばれるほど、その存在価値が見直されている。とくに疾病予防効果もさることながら、アンチエイジング療法への応用が期待されるのは、スーパーオキサイド以上に強力な酸素毒(活性酸素)であるヒドロキシカルラジカル、一重項酸素などの老化促進因子に対抗する還元物質の中で、ポリフェノールが最も強い抗酸化作用を有していることが認識されだしたことが背景にある。
中でも、プロアントシアニジンを主成分とする「ブドウ種子ポリフェノール(プロアントシアニジン:OPC)」は、欧州では血管治療薬として使用されているほか、米国では大腸がん、白内障、胃潰瘍などの予防食品、さらには代替医療の現場でも採用されている。
フランスで行われた、50人の静脈瘤患者を対象とした二重盲検試験では、1日に150mgのプロアントシアニジンを30日間摂取することで、静脈の緊張緩和や和痛効果が見られた。また、静脈瘤や静脈不全患者92人を対象にした二重盲検試験では、1日300mgのプロアントシアニジンを28日間摂取することで、痛みやむくみなどの症状が75%の患者で改善し、プラセボ摂取に対して2倍以上の血管治療効果がみられた。
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ブドウ種子ポリフェノールはフレンチ・パラドックスの主役 |
一方、日本では、プロアントシアニジン(OPC)の抗酸化作用に関する基本特許を持つキッコーマンが動物実験により、動脈硬化予防作用を検証している。
調査では、動脈硬化を発症するウサギに、1%コレステロールを混ぜた飼料(コレステロール負荷食)を8週間摂取させたところ、高い確率で動脈硬化を発症し、動脈硬化巣に酸化LDLの沈着が観察されたが、ブドウ種子ポリフェノール(プロアントシアニジン)を2.5%添加したコレステロール負荷食を同じ期間摂取させたウサギは、動脈硬化の発症率が有意に低下した。
また、ブドウ種子ポリフェノールを添加した飼料を摂取したウサギの血漿は有意に酸化抵抗性を示した。以上の効果は、高脂血症治療薬として用いられているプロブコールとほぼ同程度であり、代表的なポリフェノールの一種であるカテキンよりも強かった。さらにヒト試験で、体内LDLの酸化抑制作用(日本動脈硬化学会00年)も確認している。
また、キッコーマンでは、APC遺伝子(大腸がん抑制遺伝子)の変異に起因する大腸がんを発症するマウスに対して、ブドウ種子ポリフェノールの予防作用を検証。生まれつきAPC遺伝子に変異があり、大腸ポリープや大腸がんになりやすい体質を持っているMinマウス(ヒト家族性大腸腺腫症モデル)に、ブドウ種子ポリフェノールを1%添加した飼料を6週間摂取させたところ、腫瘍数が有意に減少した。これはプロアントシアニジンがAPC遺伝子の変異に起因する大腸がんを予防することをin vivoで初めて明らかにしたもので、動脈硬化予防作用と同様にフレンチ・パラドックスの主役がプロアントシアニジンであることを示すものと思われる。
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体内の有害物質排泄を促すキレートフーズの可能性も確認 |
また、ブドウ種子ポリフェノール(プロアントシアニジン)は、体内の有害物質を排泄するマイルドキレーターとしての機能も持っていることが確認された。
キッコーマン総合病院の久保田芳郎院長らは、成人健常者9人(37〜42歳・男性)に対して、ブドウ種子ポリフェノール0.5g/日を14日間摂取させ、摂取前、2日後、7日後、14日後の糞便を採取し、(1)糞便から発生する腐敗臭量(メチルメルカプタン、硫化水素)、(2)糞便中の腐敗産物量(スカトール、インドール、4−エチルフェノール、p−クレゾール、フェノール、アンモニア)、(3)腸内細菌叢、(4)便の性状(重量、pH、水分量)を測定した。併せて(5)糞便中の官能評価を実施した。試験終了後から2週間を経た後、同じ被験者に緑茶抽出物(0.5g/日)を用いて同様の試験を実施、さらにシャンピニオン抽出物(0.5g/日)の試験も行った。
その結果、メチルメルカプタン量に対して、ブドウ種子ポリフェノールは有意に減少させ、その傾向は緑茶抽出物やシャンピニオン抽出物よりも強かった。硫化水素に対しては、ブドウ種子ポリフェノールのみが減少傾向を示した。糞便中の官能評価からも、ブドウ種子ポリフェノールは、緑茶抽出物やシャンピニオン抽出物に比較して優れた糞便消臭効果を示した。
消臭効果の作用メカニズムについて久保田氏は、「腐敗物生成抑制及び腐敗物吸着・排泄促進と腸内細菌叢改善とが相乗的に働いているのではないかと推察している。また、発がん性物質を含む有害物質の体内吸収抑制や、体外排泄に関しても可能性があるのではないかと考えられる」としている。
キッコーマンでは、上記以外にも、ヒトを対象とした試験として、(1)皮膚色素沈着症改善作用(日本光医学・光生物学会02予定)、(2)筋肉疲労の抑制と回復促進作用(日本体力医学会98年)、(3)有酸素運動による酸化ストレス抑制作用(同)を確認している。また、既存添加物名簿第367 号(厚生省公示第120号)に掲載され、安全性なども保証されている。
キッコーマンは、抗酸化作用に関する基本特許以外にも各種特許を取得するなど、プロアントシアニジン(OPC)の研究開発の功績が認められ、99年に日本農芸化学会から技術賞を受賞している。
(Medical Nutrition 38号より)
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