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世界の糖尿病人口、2025年には3億人に!米国では栄養療法が主流に
インスリン分泌状態を検査したうえで、「高蛋白・高ファイバー」食を指導 栄養医学研究所所長/佐藤章夫
国際糖尿病連盟(IDF=International Diabetes Federation)の調べによると、加盟130ヵ国の糖尿病患者数は、1億5000万人を超えている。発症率が高い地域は、北米地区(7.8%)、西地中海・中東地区(7.7%)、低い地域はアフリカ地区(1.2%)、西太平洋地区(3.6%)、中南米地区(3.7%)となっている。この数字はIDF加盟国のみの集計であることから、実際の糖尿病人口はこの数字よりもさらに多いことになる。WHOでは、2025年には世界で3億人に達すると予測している。ここでは海外事情に詳しい2人の専門家に、米国の医療現場で行われている栄養療法のケーススタディ、ビタミン・ミネラルの処方例などについて、解説してもらった。
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日本でも注目されはじめたGI値ベースの食事指導 |
最近、日本ではGI値(Glycemic Index)がダイエットや糖尿病の食事療法として、管理栄養士にもてはやされていますが、米国の栄養療法における糖尿病治療では、以前から食材によって血糖値上昇のメカニズムが異なるこのGI値をベースにした食事指導が実践されてきました。
GI値についての詳細な説明は省きますが、カロリー計算一辺倒の食事療法に比べ、エビデンス、患者のQOLが明確に考えられた治療法によって、今や不治の病とされてきた糖尿病が、セルフコントロールと栄養によって完治することも夢ではないと考えられるようになりつつあります。
残念ながら日本においては、医師や医療スタッフが考えている以上に、糖尿病患者が受ける精神的なストレスが多いことについての研究があまり行われていませんが、欧米では以前から患者のQOLを考えた治療法の研究が進んでいます。
また、糖尿病、特にインスリンに依存しない2型糖尿病の進行には、年齢や遺伝的な素因だけでなく、ビタミン、ミネラル、蛋白質などの栄養素が深く関係していることが、数々の研究で証明され実践されています。
日本における糖尿病と栄養の関係は依然としてカロリーに注目されていることは残念ですが、GI値をベースにした食事指導方法に注目されはじめたことは歓迎すべきことだと思います。
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2型糖尿病患者の食事指導に大切なインスリン分泌状態の検査 |
日本でも多くの医療施設が2型糖尿病患者の食事指導の際に「低脂肪・高炭水化物」を唱えますが、米国において栄養療法で糖尿病患者に対応している医師は、「低脂肪・高複合炭水化物」だけを選択するのではなく、患者のインスリン分泌状態及びグルコース―インスリン耐性を検査したうえで食事指導及び栄養指導を行います。特に2型糖尿病の家族歴を持つ患者への食事指導は「高蛋白・高ファイバー」が勧められます。
栄養療法による2型糖尿病のアプローチは、インスリン抵抗性(耐性)の判定からスタートします。2型糖尿病とインスリン抵抗性については、詳細な説明は省きますが、基本的に2型糖尿病患者の場合、「非インスリン依存性糖尿病」であり、膵臓におけるインスリンの生産はほぼ正常に行われているにもかかわらず、現代医療では化学的に合成された膵臓からのインスリン分泌を促進させるスルフォニル尿素剤などを与え、これでもかと言わんばかりに膵臓にインスリンの生産を促します。
結果として、場合によっては、インスリン分泌調節機能に障害を来たすこともあります。インスリン抵抗性については、血液検査によって容易に判定が可能で、2型糖尿病が疑われる患者には、空腹時血糖値判定と併せて行われます。
インスリン抵抗性を持った2型糖尿病患者に対する栄養療法で処方される主な栄養素は次の通りです。
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クロミウム |
クロミウム(3価)の摂取がファーストチョイスとなります。クロムは、インスリンに対する耐性を改善するミネラルであり、幸い非常に安全なミネラルです。米国の栄養療法医師のほとんどは、1日当たり1000μgのクロムを服用させることで、インスリン耐性の改善を行っています。
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ビタミンC |
ビタミンCには、2型糖尿病の中期以降に発現頻度の高い、糖尿病性神経症の原因とされているソルビトールの蓄積を防ぐ作用があるとされています。ビタミンCの選択に際して、市販されている多くのビタミンCには、甘味料としてソルビトールが含まれているものが少なくないということに注意すべきです。
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ビタミンE |
非常に高い抗酸化作用を示すビタミンEは、ビタミンCとともに酸化ストレスの除去を促進するとともに、グルコース感受性を改善します。このとき、オメガ3脂肪酸を豊富に含むFLAX油などを併せて摂取することによって、インスリン耐性改善を促進させます。
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ビタミンB6 |
ビタミンB6は、糖化及び炭水化物分子が蛋白質分子と反応することにより、糖化するプロセスによって産生される糖化複合体(AGEs:Advanced Glycation end products)の崩壊を予防する作用をもち、糖尿病性神経症の予防に効果的なビタミンです。
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α-リポ酸 |
α-リポ酸は、末梢循環の改善作用が強いことから、糖尿病性神経症の予防に効果的です。
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バナジウム |
バナジウムは、必須ミネラルではありませんが、膵臓を除去したラットにおける動物実験で、バナジウムを与えたラットの血糖コントロールが可能であった研究結果をもとに、栄養療法ではポピュラーに処方されるミネラルです。実際、栄養医学研究所における爪分析検査の結果、2型糖尿病と診断され治療を行っている被験者の多くは、バナジウムレベルが正常に比べて低い結果がでています。
以上が2型糖尿病患者に対する栄養療法での改善処方ですが、最近、グルコースの代謝を20倍ほど高めると言われる天然成分の物質が注目されています。従来のビタミン・ミネラルに加えてこうした成分が処方されることで、的確な栄養素の摂取が可能となり、2型糖尿病はもはや治療困難な病気ではないところまできています。
(Medical Nutrition 37号より)
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