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最近の機能性素材の研究から、作用・効果・有用性をリポート(4)
<AHCC>
医療に応用され、免疫能を基礎・臨床面で検討
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肝臓病や糖尿病などに対する研究は、基礎・臨床の両面から検討 |
国内外の約600施設の医療機関で、臨床使用されているのがAHCC(Active・Hexose・Correlated・Compound=活性化糖類関連化合物)。東京大学薬学部の岡本敏彦教授と(株)アミノアップ化学の共同研究によって開発されたキノコ由来の機能性食品。AHCCの有効成分は、β−グルカンやアセチル化されたα−グルカンの多糖類。グルカンにアセチル基(CH3CO−)が付加したグルカンは、通常のキノコには存在しないが、ある条件下でキノコの菌を培養することにより産生される。AHCCの培養・酵素分解の過程で生じるアセチル化α−グルカンの分子量は、約5000。分子量の大きな多糖類は、そのままでは腸壁から吸収されることがないが、AHCC中のα−グルカンの場合は腸壁から吸収され体内に入って生理活性化作用をおよぼすことが考えられている。
AHCCの薬理効果、とくに肝臓病や糖尿病などに対する研究は、基礎・臨床の両面から検討されている。安全性においては、急性毒性や亜急性、慢性毒性などに対して、毒性は認められていない。
臨床研究では、がん治療の現場で副作用軽減作用、化学療法剤との併用効果が明らかにされている。北海道大学の研究では、化学療法剤UFTを乳がん担がんラットに投与し、AHCCを併用すると腫瘍重量の増加を抑制し、リンパ節への転移を有意に抑制したことが報告されている。同様に化学療法剤のCYとAHCCを担がんモデルラットに併用投与した場合も延命効果が認められた。
また、コンフォート病院の宇野克明医師らの臨床研究では、末期進行がん患者において低下した免疫能が、AHCCの投与によって著明に改善されることを報告している。健常人に比較して末期のがん患者は、免疫増強作用のあるサイトカインの産生能が著しく低下しているが、AHCCの経口投与によりIL−12やIFN−γなどのTh1サイトカインの産生能を数ヵ月のうちに増強し、その高産生は治療の奏効率と相関していた。
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肝がん術後患者に対し臨床効果を検討 |
一方、関西医科大学第一外科の上山医師らの研究では、肝がん術後患者にAHCCを経口投与し、その臨床効果を検討した。AHCC投与群と非投与群をそれぞれ百数十例選択し、レトロスペクティブに検討した。実験開始から5年以上のデータを解析した結果では、AHCC投与により有意に術後の延命効果が確認された。生化学的検査では、血清中のAST、γ−GTPおよびビリルビル値の改善が確認された。個々の症例では、腹水や肝臓組織線維化の減少などが認められた。
AHCCは、免疫賦活作用のある機能性食品として、主に医療分野で応用されているが、生活習慣病の予防食品としても薬局等で販売されている。通常キノコ類の健康食品は、子実体を熱水抽出処理したもので、レンチナンなど医薬品に指定されているものもある。一方、AHCCの場合は、菌糸を培養することによって得られる多糖類を酵素反応によって低分子化し、吸収しやすくしている。生産工場は、医薬品基準であるGMPに準じた製造ラインを確率し、さらに品質保証の国際規格であるISO9002を取得している。
(Medical Nutrition 36号より)
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