免疫療法の評価に役立つシステム

未病の把握にも有効な免疫療法施行のための検査サービス

 NK細胞活性や各種サイトカインなど、免疫療法を施行する上で、その指標となる検査は欠かせない。近年利用が増えている保険適用外の検査サービスを紹介する。


免疫機能の異変を早期にチェックする「ガン免疫ドッグ」

 医療機器の導入など高額投資をしなくても、採血だけで免疫能を調べる「がん免疫ドック」システムがある。免疫メカニズムから、発がんの兆候があるかどうかを調べるもので、一昨年4月に受託検査を開始して以来、100施設を超える病院、診療所が採用している。

 「がん免疫ドック」は、がんに関連した異常の検出を目的とする"がん特化型"の検査システム。医療機関が行うのは、わずか10分たらずの採血だけ。患者の血液サンプル(約20〜30cc)を臨床検査会社に送れば、測定後に「がん免疫ドック専門解析センター」で判定され、検査の日から4週後に検査結果がわかるという。

 がんは免疫病であるとの考えから、がん関連の免疫パラメーター(7項目)や、腫瘍マーカー検査(21項目)を行う。これにより免疫レベルにおける微小な異常を検出、レントゲンなどの画像診断検査では写りにくい早期のがんや、体の奥深くのがん検出にも威力を発揮する。

 これまで腫瘍マーカー検査は、「進行がんの経過観察や治療指標にしか利用できず、早期がんの検出は不可能」とされていた。ところが近年、がん関連抗原に詳しい医師らによって、がんスクリーニングへの有用性が再認識されはじめている。

 そこで同システムでは、有効に判定するため、(1)陽性であっても必ずしも「がん」とは限らない、(2)陰性であっても必ずしも「がんではない」とは限らない、(3)良性疾患や喫煙その他の生活習慣でも異常値を示すことがある、(4)特殊な事情を除き、全ての健常人にも微量に存在する物質である、(5)腎機能障害もしくは人工透析者では異常高値を示すことがある、(6)20歳未満の若年者の場合、検査結果が正しく反映されない場合がある、(7)経過観察には必ず同じ検査キットを用いて比較する――の7点に配慮した判定方法を設定した。

「ガン免疫ドッグ」の診断精度は88%

 これらの点を踏まえて、受診者には定期経過観察を行うことが、がんの早期検出に有用であること、多項目検査による相対的特異度の低下により軽度異常値が出現する確率は10〜15%の受診者にみられること、などを説明する。

 一般の人間ドックや健康診断の診断精度は50%前後といわれるが、「がん免疫ドック」の確率は88%。がんと判定されなくても免疫機能の低下を察知することで、「発病してから」ではなく、「発病前に」がん対策を行うことが可能になる。

 システムを展開する(株)イムノサポート(03-3663-0436)によると、検体数は今のところ月間平均で200程度だが、予防医療に対応するクリニックが増えつつあることから、今後は導入医療機関と検体数の増加が見込めるという。

最適のサプリメントを予測する免疫能測定検査

 患者に合ったサプリメントを事前に予測できないか――統合医療に携わる医師に共通する課題だ。そんなニーズに応えるのが、岡山県津山市の免疫分析研究センター(株)が受託する免疫能測定検査。患者のリンパ球にサプリメントを添加してその反応を見るin vitroの検査と、実際にサプリメントを服用した患者の「ATK誘導活性測定検査」も行っている。

 採取した血液からリンパ球を分離。サプリメントがリンパ球を活性化する度合と、骨髄性白血病細胞株に対する傷害活性を測定する。逆にサプリメントが正常リンパ球を傷害するかを調べることもできる。この結果を活用すれば、患者ごとに適したサプリメントを予測することができる。

 サプリメントの服用前後に採血し、ATK誘導活性がどのように変化するかを測定する検査もある。ATKとは、リンパ球集団の細胞傷害活性。主なエフェクタ−細胞はNK細胞で、一部のT細胞も含まれる。

活性酸素測定キットが登場

 抗酸化能のあるサプリメントを使用しても、その効果の評価法は確立されていない。そのなかで、クリニックで簡便かつ非侵襲的に酸化ストレスの度合を測定できるキットが登場し、統合医療の現場で注目を集めている。キットは「活性酸素はかるくん」((株)ゴールドライフ、フリーダイヤル0120-3748-70)。血中のマロンジアルデヒド(MDA)を測定することで、体内の活性酸素の状況を把握する。MDAは、脂質の酸化により生成することが知られ最終的に尿に排出される。

 アンプルに尿を1ml入れ、約5分後に色の変化を観察する。濃い赤色になるほど、MDAの排出が多いと考えられる。

 体内で脂質と結合して過酸化脂質を形成したり、DNAを損傷するとされる活性酸素。がんやアレルギー疾患など、多くの疾患で活性酸素の役割が研究されている。抗酸化を売り物にするサプリメントは、ビタミンA、C、E、アスタキサンチン、米胚芽・大豆発酵抽出エキスなどが知られている。

(Medical Nutrition 35号より)


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