診療実態

医師・薬剤師が注目するサプリメントは何か

 「『医食同源』。免疫能を高める食品は積極的に摂取させる」。「半信半疑だったが、エビデンスが次々に出てくると、患者に勧めたくなる」――。実地診療にサプリメントを取り入れる医師はこのように語る。薬局でも、養生指導の一環としてサプリメントは重要な手段となっている。それぞれの現場からレポートする。


患者や家族からも反響!食事療法で免疫向上

 とまつ内科・胃腸科クリニック(埼玉県さいたま市)の戸松成院長は、進行がん患者に対して、食事療法を軸として健康食品の積極的な摂取をアドバイスしている医師のひとり。

 具体的な食事療法は、免疫機能を高める野菜や果物を積極的に摂取し、逆に免疫機能を低下させる肉や乳製品などはなるべくひかえるというもの。キノコ類にも免疫機能を高める作用があり、1日1回は摂取するのが望ましいと戸松院長は話す。

 また積極的な摂取を勧めている健康食品として、アガリクス・ブラゼイやプロポリス、キノコ製剤のAHCCなど、動物実験や臨床データの確立しているものを勧めているという。実際に健康食品を摂取した患者や家族からも「腫瘍の増大が止まった」「ほかの医師から宣告されていた余命年数よりも長く生きられた」などの反響があった。

 戸松院長は「健康食品は医薬品と違い、自然食物をベースに作られているために、副作用の心配がない点が大きく、また経口摂取なので、『医食同源』の理にかなっている」と話す。ただし、健康食品の投与は「医師個人の経験に基づいておこなっている」とし、指導の難しさも語っている。

シイタケ菌糸体でLAK活性上昇!抗ガン剤の副作用も軽減

 中浜医院(大阪市旭区)の中浜力院長は、がんやC型肝炎の患者にシイタケ菌糸体エキスを使った治療を4年前から行い、高い効果をあげている。

 かつて遺伝子診断に関する研究を一緒に行っていた人から、シイタケ菌糸体エキスを紹介されたという中浜院長。「最初は半信半疑でしたが、抗がん剤の副作用が軽減し、食欲が出るなど、効果が如実に現れました。エビデンスが次々に出ると、患者さんにも積極的に勧めたくなります」と、当時を回想する。

 また、中浜院長はシイタケ菌糸体エキスの免疫増強作用を検討した臨床試験も行っている。この試験では、がん治療群(抗がん剤とシイタケ菌糸体エキスを併用=6例)、がん治療終了群(シイタケ菌糸体エキスのみ使用=5例)、対照群(がん以外の患者にシイタケ菌糸体エキスを使用=8例)に、シイタケ菌糸体エキスを最初の1ヵ月間は3000mg/日、その後は1800mg/日摂取させた。試験期間は1年半。

 「その結果、がん治療群にLAK活性の有意な上昇が認められました。他のいくつかの病院では、シイタケ菌糸体エキスによるγδT細胞の増加も確認されています。また、胆嚢がんや肝臓がんの患者さんで、腫瘍の退縮がみられた例もあります」。病室内で、シイタケ菌糸体エキスを摂取していた膀胱がんの患者さんだけが、抗がん剤の副作用である食欲不振を感じずに食事やおやつを楽しんでいた例など、確かな臨床例は数多くあるという。

 「最大の効果を得るためには、抗がん剤などの治療を開始する前から摂取することが望ましいですね。そして、なんらかの症状の改善が得られるなら、続けてください。また、健康食品は品質の格差が大きいので、有効成分の量や汚染された土壌で作られた可能性など、よく調べて使用することも重要です」とアドバイスする。

薬局における免疫賦活食品

顧客にあわせたきめ細かいアドバイスが大事

治療は本来、オーダーメイド

 薬局店頭での養生指導にも、サプリメントが使われている。「くすりのアルファ」(東京都練馬区)では、がん、リウマチなどの自己免疫疾患の患者に応じて、免疫を高める十全大補湯やキノコ菌糸体などを組み合わせている。

 顧客に健康食品を勧めるに当たって代表の港忠夫氏は、自身のがんを代替医療で克服した体験を踏まえ、病態や疾患部位、年齢などその人の状態によって選ぶ食品と量を決める。漢方でいう実証、虚証の別、性別なども重要な手掛かりになるという。"治療は本来、オーダーメイド"というのが港氏の持論。このため食事指導や健康食品のアドバイスもきめ細かい。

 「熱帯地域の食材は身体を冷す作用があり、寒冷地の食材は逆に温める働きがあります。例えばブラジル産のアガリクスは身体を冷す作用がありますので、冷え性の人は、生姜の絞り汁と一緒に飲む方が効果的ですね」。

 肝機能障害の人には、シイタケ菌糸体エキスを処方する。推奨品は「瑞芝原末」。肝臓がん患者の中には、1日4.5gを半年間飲み続け、がんを縮小したケースがある。肝がん患者で半年から1年でがん細胞が縮小または消失した例は10人。B型、C型肝炎でウイルスが消えた例は8人だという。

港氏は、「これからの医療はインフォームド・コンセントを踏まえながらも治療法を患者が選ぶインフォームド・チョイスが必要になります。それを実現させるには国民への医療情報の開示とともに、医療サイドも代替医療を勉強すべきです」と訴える。

顧客の全身状態の推移を指標に

榎本氏(エノモト薬局)は前述の分類を踏まえ、「CPL(環状重合乳酸)は酵素介在型としての作用に加え、白血球を介した免疫賦活作用、さらには細胞への酸素供給をスムーズにする働きが考えられる」という。がん細胞をアポトーシスに追い込む一方で、正常細胞のエネルギー産生はむしろ活発になる。正常細胞にも毒となる従来の抗がん剤とは大きく異なる点である。

それを裏付けるように、医療機関での試験でも腫瘍の変化に加えて、体調・一般状態の変化が観察された。榎本氏は「薬局では顧客の免疫能を測定することはできないので、睡眠や食欲、気力など全身状態の推移がその指標になる」と話している。

(Medical Nutrition 35号より)


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