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消化器 免疫たまご、マスティックなど新素材が続々登場 消化器疾患は、日本人にとって代表的な疾患のひとつだ。胃潰瘍の原因にはピロリ菌が関係しているなど、消化器疾患についての話題は尽きない。消化器疾患に有用な健康食品素材である抗体食品素材(免疫たまごと免疫ミルク)と、新素材として注目を集めているマスティックについての機能性・メカニズムと最近の研究動向を紹介する。
免疫たまごは、鶏卵抗体IgYを持った鶏が産んだ卵で、この中に含まれるIgY抗体がピロリ菌除去に有用とされる。ピロリ菌は胃がんや胃潰瘍の原因菌として1980年代から注目されており、菌体表面の接着因子が胃粘膜上のレセプターに付着することで感染する。最近の学会発表でも、菌体表面の接着因子はピロリ菌が放出するウレアーゼで、胃粘膜上のレセプターが胃粘膜液中のムチンであることが明らかにされている。 人に有用な26種類の活性抗体成分を含んでいる免疫ミルクは、アメリカのスターリ研究所が開発した免疫活性を高める技術を使用したもの。人に感染しやすい多種類の病原菌の死菌をワクチンの形で繰り返し摂取することにより、これらに有用な抗体を牛乳中に産生させる。これまでにも感染予防や老化防止、アレルギー症状を緩和するなどの報告がされている。 ギリシャのヒオス島に自生するウルシ科の樹木マスティックの茎や葉から取れるエキスは、5000年以上昔から地中海沿岸地域の人々の間で、良性の胃潰瘍や十二指腸潰瘍に有用だとされている。しかし、詳しいメカニズムについては解明されておらず、今なお研究が続いている。
昨年10月17〜20日に京都の国際京都会館で開催された「第43回日本消化器病学会」のなかで、Mゲン・コーポレーション、日清ファルマM総合研究所、慶應義塾大学病院消化器内科、Mオルト・コーポレーションの共同グループが、胃粘膜に付着したピロリ菌の接着をIgY抗体が阻害するとの発表をしている。
また、その後のヒト試験では、尿素呼気試験(UBT)によりピロリ菌が確認された22人に、IgY含有食品を1ヵ月間使用し、その後再びUBTでピロリ菌数値を確認したところ、17人でピロリ菌数の減少が確認され、同時にIgY含有食品摂取前にはピロリ菌数が高値だった4人のうち2人に、ピロリ菌数の著しい減少傾向が見られたとの報告がされている。 免疫ミルクについては、昨年10月26、27日に東京で開催された「第56回日本大腸肛門学会」で、慶應義塾大学病院のグループが潰瘍性大腸炎への有用性を発表している。 実験は、スルファサラジンやメサラジンで血便が改善されなかった潰瘍性大腸炎患者7人(男性3人、女性4人)に対して、M兼松ウエルネスの商品「スターリーミルク」を1日1回20g経口投与し、1ヵ月後に臨床症状(便性状、血便、腹痛の3項目)を評価した結果、悪化症例はなく、治療開始1ヵ月後の臨床評価では改善3人、やや改善2人、2人が不変となり、免疫ミルクが潰瘍性大腸炎の一部の症状に対して有用なことを報告している。今後、比較対照試験などで有用性も検討していきたいとしている。 「ニューイングランド・ジャーナルオブメディスン」1998年12月号はマスティックのピロリ菌への有用性を報告した初めてのものとして有名だ。 実験はピロリ菌培養液体培地にマスティックを1ml当たり0.0075〜1.0mgの濃度になるように加え、標準菌株と6人の胃潰瘍患者から新しく採取したピロリ菌6種類を接種して、ピロリ菌に対するマスティックの抗菌性を検討したもの。 その結果、1mlあたり0.06mgのマスティック濃度でピロリ菌の成長は完全に阻止し、1mlあたり0.0075mgの濃度でもピロリ菌に対して明らかに抗菌性を持つことがわかったとしている。
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(Medical Nutrition 34号より) |