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内分泌・代謝 増加する肥満、糖尿病!糖・脂肪の吸収阻害に着目 現代は飽食の時代とよばれている。食生活が豊かになったことで、激増した病気が糖尿病である。糖尿病予防のためには、日々の食生活改善が最も重要なことはいうまでもないことだが、日常の食事で不足している栄養素を促う意味でサプリメントも重要な役割をもっている。糖尿病の最も大きな引き金になるのが肥満であり、この表裏一体の関係にある糖尿病と肥満を改善するための健康食品素材を紹介すると共に、その機能性と臨床試験等での研究動向を探っていく。
小麦アルブミンは、小麦に含まれる水溶性たんぱく質の一種で、食後の血糖値を抑制する作用をもつ。血糖値は食事の摂取によって上昇するが、このとき唾液中の酵素アミラーゼがでんぷんを分解して、単純な糖の形に分解する。小麦アルブミンがアミラーゼの働きを抑制して、でんぷんの吸収を緩やかにすることで、血糖値の急激な上昇を抑えるのに役立つ。 カシアポリフェノールとマルスエキスは共に植物の抽出成分。カシアポリフェノールはリパーゼの働きを阻害して、脂質の体外排出を促し、一方のマルスエキスもα-グルコシダーゼの働きを阻害し、糖質の体外排出を促す。聖マリアンナ医科大学の村上透氏は、カシアポリフェノールのリパーゼ阻止作用は緑茶ポリフェノールの約10倍、ウーロン茶ポリフェノールの約20倍であると報告している。 欧米の植物キクイモは、キク科の植物で、塊根部にビタミン、ミネラルを含む。とりわけ注目されるのはイヌリンで、血糖値に対する作用が知られている。糖質の吸収を遅らせて食後の血糖値の上昇を抑制するメカニズムがある。海外の栄養学の専門誌には、毎日1gのイヌリンを摂取することで、血中インスリン濃度の有意な低下(Jacksonら)が報告されている。 サラシアは、α-グルコシダーゼ活性阻害作用があり、腸からの糖の吸収を抑制するので、肥満を改善する働きがある。沙棘(サージ)は血小板凝集抑制作用や血栓溶解作用があり、高血圧や動脈硬化の予防・改善に関与する。 サラシア(オブロンガ/レティキュラータ)は、スリランカで自生するニシキギ科のツル性の植物で、成分サラシノールは、インドでは約5000年前から根をお茶として飲むことでダイエットに利用していたとの記録もあり、糖尿病に有用なものとされている。サラシノールにはα-グルコシダーゼ活性阻害作用があり、治療の現場では糖尿病や肥満への可能性が注目されている。 桑の葉から抽出されるブドウ糖様の独自成分桑葉エキスは、糖尿病や肥満などに作用することがよく知られている。α-グルコシダーゼの働きを抑えることで、ブドウ糖の吸収を阻害し、血糖値を調整するのに役立つ。お茶やサプリメントによる摂取が一般的だが、最近では桑茶とプロポリスを配合した「クワポリス」というサプリメントもあり、人気も高い。
日本栄養・食糧学会誌第25巻では、小麦アルブミンが米飯摂取後の血糖上昇に与える影響について報告している。健常者や糖尿病の疑いのある者合計46人を対象とし、これらを正常型群12人、境界型群(正常型群と境界型群)12人、糖尿病型群22人の3つに分けた。各群の被験者には300gの米飯と、300gの米飯に1.5gの小麦アルブミンを混合したものを、クロスオーバーで摂取してもらった。 この結果、境界型と糖尿病型で混合食摂取後30分と1時間で、正常型でも混合食摂取後30分で血糖値が有意に低下した。報告は、小麦アルブミン摂取が米飯摂取後の血糖上昇を抑制すると同時に、食後の高血糖予防に有用だと結論づけている。 カシアポリフェノールとマルスエキスについては、聖マリアンナ医科大学とその関連病院が共同で臨床試験を実施している。それによると、肥満患者7人に対して1日1gのカシアポリフェノールを3ヵ月間投与したところ、6人の体重が有意に減少した。 またマルスエキスのα-グルコシダーゼ阻害作用についての動物実験では、糖尿病薬ベイスン(一般名:ボグリボース)と比較したところベイスンでは体重1kgあたり0.03mgで、マルスエキスでは同6mgで血糖値の上昇を有意に抑制し、マルスエキスには副作用が見られなかったと報告している。 光が丘スペルマン病院の小坂陽一院長と仙台すこやかクリニックの佐藤琢磨内科医長は、サラシノールの糖尿病への作用について、内科外来の糖尿病と肥満傾向患者を対象に中間報告の形でその有用性を検討した。 内科外来に通院している糖尿病患者と肥満傾向患者53人(男性7人、女性46人)も対象に、サラシノール1日1包を50驍フ水で煮出して毎日服用したところ、被験者の体重がサラシノールの使用前後で平均4.2kgと有意に減少し、これによりサラシノールが糖尿病や肥満の症状の改善に作用があると報告している。 今後は、薬物療法と併用してさらに治療成果が上げられるのではないかと同グループは期待感を表明している。
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(Medical Nutrition 34号より) |