生体防御機能を高めるのは、医薬品ではなく機能性食品

 感染症、急性期疾患は西洋医療、生活習慣病などの慢性期疾患は代替医療―。統合医療の重要性を唱える医師らは、こうした治療法の棲み分けが医療の効率化につながると説く。

 その一方で、感染症治療でも抗生物質の限界を指摘する医師が少なくない。例えば、強力な抗生物質であるバンコマイシンの投与によって、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)が発現、それを叩く新世代抗生物質としてザイボックスが開発されたが、その耐性菌の出現を昨年夏、米国イリノイ大学医学部の研究チームが確認している。米国では、尿路感染症の治療に抗生物質の投与をやめ、クランベリーを使ったハーブ療法を選択する動きも出ている。

 がん治療の現場でも化学療法の副作用軽減またはQOLの改善を目的に機能性食品を併用するケースが増えている。セコム損保が商品化した自由診療保険「メディコム」も、代替医療の普及を視野に入れて開発したという。


  がん治療の考え方について語るニューヨーク医科大学・田崎寛教授の話は興味深い。

 「国際社会のひずみによってテロリストが生まれるように、がん細胞も身体のひずみによって発生する。テロに対する武力制圧は、あたかもがん細胞に対する薬物治療と言える。どちらも一時的な効果はあっても根本的な解決策にはならない。むしろそれ自体が報復、副作用を引き起こす原因となる。国際社会では、民族、宗教、社会システムの違いを超えて、共生・強調する道を選択する新たな思想、哲学が必要になっている。これが真のグローバルスタンダードだ。がん治療も、がんと共生しながらQOLを重視する医療が必要になっている。また、予防策としては、健康を脅かすテロリスト(がん細胞)を発生させないための体内環境をつくることがポイントになる。従って生体防御機能を高めるのは、医薬品ではなく、機能性食品である」。

 機能性食品の存在意義は、田崎教授の言葉に尽きるが、問題はどういう機能性食品を選択するかにある。

健食の正しい評価のために、日本健食評価認定機構が発足

 日本代替・相補・伝統医療連合会議(JACT)では、今月から健食評価認証機構をスタートさせる。健食に対し一定の基準を定め、製品ごとに正しく評価し、その情報を消費者や医療関係者等に幅広く提供していくものだ。認証を受けた製品は認証マークが与えられる。審査までの流れは、(1)認証マークを希望する企業は、まず賛助企業になる(入会金20万円)。(2)申請に必要なデータや内容成分等について検討後、申請へ(審査申し込み金20万円)。(3)必要書類をそろえ審査を申し込む(本審査料100万円)。

 賛助企業は健食製造・販売にかかわり認証マークの取得を希望する企業が主となる。

勉 強 会

  研究者を囲んで行う健食の機能性に関する小規模の勉強会。テーマは、「機能性物質の抽出方法」「複合作用をする機能性物質」など。

相 談 会

 賛助会員が自社製品について相談できるカウンセリングサービス。新製品の開発や新素材について、また、製品の改良方法、臨床・基礎における研究方法や研究機関の紹介・指導などを行う。

研 究 会

 JACTとの共同協力関係で、免疫学、薬学、生化学、栄養学等の学術研究の発表を行う。将来は研究助成や表彰制度も視野に入れる。

 なお、認証マークは各製品を用いて行われた基礎・臨床研究の内容によって評価し、★、★★、★★★で表すことも検討。詳細については今月中に明らかになる予定。

医療関係者と連携し、トクホの正しい理解と認知度のアップも

 「特定保健用食品はあくまで食品としての位置付けで、日常生活に取り入れて健康維持に役立てるのが目的」――厚生労働省の特定保健用食品に対する見解だ。特保はあくまでも食品という観点から疾病治療のための積極的な表現を認めないとし、その意味で治療が目的である医薬品・医薬部外品とは明らかに異なると説明している。

 特保制度の開始は1991年。開始から10年が経過している。同省では「利用者の多くは特保と栄養機能食品、いわゆる健康食品をひとくくりに考えているようだ」と指摘し、今後医療関係者との連携で特保の正しい理解と認知度アップに力を入れていきたいとしている。この一環として.サプリメントアドバイザー資格制度が現在進行中だ。同省では「厚労省が単独で動くということはないが、ガイドライン化に向けて努力をしていきたい」としており、部会案を修正し、年度内を目途に大枠を決めていきたい考えだ。

(Medical Nutrition 34号より)


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