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経験医学の英知「植物療法」 メディカル・ハーブのFDA申請
現代西洋医学の起源である「植物療法」――。その植物療法がメディカル・ハーブを用いた現代版として再評価され、国内外で関心を集めている。医療従事者側からみれば、緩やかな作用を利用した治療法として可能性が見出せ、利用する側にも“安価で、継続しやすいというメリットがある。メディカル・ハーブの診療実態とこれからの展望を取材した。
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ハーブが医薬品になる時代 |
長きにわたる取捨選択の中で、経験医学的に実績を重ねてきた数々のハーブは、伝統医療としてヨーロッパで継承されてきただけでなく、海を越えてアジアや南北アメリカで医療用医薬品や大衆薬として利用されている。米国や日本で食品扱いされているハーブティーも、ドイツやフランス、イギリスでは規格標準化され、医薬品として活用されているものが少なくない。
米国では栄養補助食品に関する法律として、1994年にDietry Supplement Health and Education Act(DSHEA法)が議員立法により成立、1999年に施行されたのを受け、ハーブが栄養補助食品として広く流通するきっかけとなった。ヨーロッパで医薬品に承認され、処方権や販売権が制限されているハーブも米国では、ビタミンやミネラルと同様に自由に販売されている。
ナチュラル・フーズ・マーチャンダイザー誌によれば2000年の米国の栄養補助食品の売上高は、153億ドル(日本円で1兆9300億円)。このうち、ハーブ・サプリメントは11.3億ドル(同1400億円)に達している。抗うつ作用が報告されているセント・ジョーンズ・ワートについて経口避妊薬や抗HIV薬などとの相互作用情報が報じられたのをはじめ、メディアの誤報からハーブへ期待感が弱まったことなどが影響し、市場成長は微増に止まった。
その米国では、アンドルー・ワイル博士やジョナサン・ライト博士といった先駆者によってサプリメントが医療現場に浸透し、ビタミン・ミネラルを中心とした栄養食事療法のなかにハーブ・サプリメントも組み込まれている。
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70カ国以上で医薬品に承認されているイチョウ葉エキス |
また、ハーブに関する研究や臨床評価に対する国の予算も増える傾向にある。イチョウ葉エキスEGb761(シュワーベ製薬)はドイツ、フランスをはじめ70カ国以上で医薬品に承認されているが、米国FDAでも第3相試験を認め、医薬品承認に向けた検討が進められている。またNIHによって、アルツハイマー病の予防効果についても検討されている。5年間の試験期間で75歳以上の3000例が対象となる試験で、痴呆症が発症するまでの期間と痴呆進行度合いを検討する。投入される予算は1500万ドル。米国が、ハーブ製剤を承認するために検討を進めていること自体が異例のことだが、さらに特筆すべきは予防薬として評価している点だ。
それだけ米国ではアルツハイマー病などの痴呆症対策が深刻で早急な対応が必要だということでもある。さらに、米国ではセント・ジョーンズ・ワートについて大規模な臨床試験が行われ、抗うつ薬としての可能性が検証されているほか、前立腺肥大の臨床例が多いノコギリヤシについても調査が進められている。
日本の承認制度と同様、米国では天然物由来の抽出物が新薬として承認を受けるのは困難だ。しかし最近では解決策が乏しく早期対策が必要な疾病分野では図のような考えを基に、ハーブを医薬品として認める方向にある。こうしたハーブ製剤承認に向けた動きが今後も進めば、将来的には、日本にも波及することが考えられる。
(Medical Nutrition 29号より)
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