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ハーブ達人からのアドバイス
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ハーブの特性を理解して使い分け |
(株)皇漢薬品研究所企画開発 薬剤師 早川明夫さん
「漢方の処方でも、従来の常識が通用しなくなっています」とは、健康食品メーカー・皇漢薬品研究所で企画開発を担当する薬剤師の早川明夫さん。最近の夏場の悩みは、夏の暑さに負けるのではなくて、冷房負け“が目立つという。確かに、会社内での冷房の温度は外回りの男性営業職に合わせる。ストッキン グをはかないOLが増えるなか、冷え“の訴えが増えるのもうなずける。
早川さんによれば、漢方では、夏には身体を冷やすアメリカ人参(Panax quinquefolius)を、冬には身体を温める朝鮮人参(Panax ginseng)をそれぞれ用いて、同じPanax属のハーブを使い分けてきた。しかし、エアコンによる冷え“ の登場によって、夏でも身体を温める朝鮮人参が活躍することが多い。また冷え“からくるムクミには鉄分の多いネトル(西洋イラクサ)が、欧米ではポピュラーに使われていると早川さんは言う。
スタミナ切れの状態にある夏バテの解決策は、肝機能を元に戻すこと。こういうときにはネトルで、肝臓の解毒機能を高めて代謝をよくすれば、多少の暴飲暴食にも負けない。イラクサ療法“といって、春のうちからネトルを摂って本格的な夏の到来に備える伝統療法もあるほどだ。
夏が旬のウリやスイカは、水分代謝を高める働きがあるので、本来は夏場の食べ物として理に適っている。しかし、「エアコンや冷たい飲食物が手放せない現代人の生活様式では、むしろ身体を冷やし過ぎてしまうこともあるので注意が必要です」と早川さん。穏やかに身体を温めるエゾウコギならば1年中使いやすいとアドバイスする。
さらに、薬剤師の立場から、眠りを深めるバレリアンや前立腺肥大への有用性が報告されているノコギリヤシ、脳の血流改善作用が報告されているイチョウ葉エキス、婦人疾患へのブラックコホシュやチェストベリー(ビテックス)は、市販薬ではカバーできない領域に対応するので、薬剤師が覚えておくと便利なハーブだと言う。
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医師との連携、素材調達…、ひとつの流れの中に |
トライアドジャパン(株) 代表取締役 野澤 充社長(写真)、総務部薬剤師 三田 隆さん
薬局経営、薬剤師教育・紹介、治験支援など多角的な薬局業務を行うトライアドジャパン(株)では処方せんはもちろんのこと、未病治療も薬局薬剤師の重要な仕事ととらえ、代替医療実践型薬局、「かもめ薬局健康館」を開局しアロマテラピーやハーブ、サプリメントなどを取り入れた、未病治療に力を注いでいる。
「かもめ薬局横浜健康館」では店づくりからヨーロッパからのハーブの素材調達、処方せんを発行する医師の選択までを独自のシステムで行っている。医師から出された処方せんから薬剤師自らが病名を判断し、患者さんに最も適したハーブをブレンドし薦めている。
かもめ薬局で取り扱うハーブは50種類を数え、患者さんに処方されたハーブ(ティー)のブレンドの内容は、すべて処方せんを出した医師に報告される。このように情報をフィードバックすることで医療従事者もハーブに対する知識が広がり、医師と薬剤師の間で良い関係が保たれている利点を、代表取締役・野澤充社長は高く評価している。これまでに約6000人がかもめ薬局を利用し、そのうち約150人がメディカルハーブを常用し、その効果を実感しているという。
かもめ薬局では、患者さんの病気をはっきりと認識し、目的をもったハーブの処方を心がけているが、三田薬剤師の話では「以前は病気になったらまず薬局に行ったものです。薬局の範疇を超えたら病院に行くのが普通でした」とのこと。薬剤師の存在価値、新たな活躍の場が問われはじめている昨今、いかにメディカルに近い場所で活躍できるか、そして、これからは人(病気)を分析する能力が薬剤師に求められているようだ。「漢方薬と同様に陰陽五行に則って患者さんに適切なアドバイスをしていくことがこれからの薬剤師の仕事ではないでしょうか」(三田薬剤師)「医師は『経験』に基づいた学問を、薬剤師は『科学』を追求する」が同社の理想だ。
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“ガマンできるけど何とかしたいにハーブの力 |
オルタナティヴ・アカデミー講師(株) ブリスティア専務取締役 石原樹里さん
「本来ハーブ(ティー)は、冬場の悩みに対応するものが多いのですが、エアコンによる冷えや膀胱炎の悩みなどに対して、夏場の出番も増えています」とハーバルセラピストを育成するオルタナティブ・アカデミー講師の石原樹里さんは指摘する。
「どこへ行ってもエアコンで冷えている上に、夏場はどうしても冷たいものを食べてしまいがちです。冷たいものを食べて腸が不活性になることと便秘になったり、腸に近接する子宮と卵巣が冷えて生理痛が重くなったり、生理不順や月経前症候群PMSが悪化する人もいます」。素足にミュール“といったファッションもこうした傾向をさらに助長し、夏の冷え症は今や当たり前の現象だ。
こうした冷え“に石原さんが薦めるのは、血液循環をよくするローズマリーやイチョウ葉、身体の芯を温めるジンジャーといったハーブティー。しかし、いくら温めようとしても血液が汚れていては効率が悪い。そういう場合は、食用植物のなかでも群を抜いてミネラルを含有するネトル(西洋イラクサ)で血液浄化を図る。ネトルは、肌の調子を整えることを期待して使うこともあるハーブで、体質改善に適している。
また肝臓の強化“も、血液浄化に次ぐ夏のキーワードだ。どんなに気を使っても摂取してしまう食品添加物や大気汚染による化学物質によって、肝機能が弱まっている人が多いと指摘する。実際に、お酒を飲めないのに肝機能が弱っている人、夏バテの人、疲れがとれない人にはダンディーライオン(西洋タンポポ)やミルクシスルといった肝機能を高めるハーブが当てはまることが多い。
石原さんは「冷えや生理痛、肩こりといった病気ではない不快な症状を何とかしたい“ときに、ハーブは力を発揮します。年間を通じて、老いも若きも体調不良の原因ナンバー1は不眠“。快眠を促すパッションフラワー、良質な眠りを誘うレモンバームやバレリアン、筋肉の緊張をほぐすマージョラムなどを、カモミールをベースに飲みやすくブレンドしたハーブティーは数多くの人に喜ばれます」とアドバイスする。
(Medical Nutrition 29号より)
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