メディカルハーブで夏を乗り切る。
 メディカルハーブ広報センター 渡辺肇子事務局長

夏の不調の原因は?――
特に女性では、夏の暑さよりも冷房による冷えが体調不良の原因となりやすい場合が多く見られます。そこで今回は、”夏を乗り切るためのハーブ“をテーマに、メディカルハーブ広報センターの渡辺肇子事務局長に”冷房による冷え“”夏バテ“”食欲不振などの消化器トラブル“に加え、”快眠“のためのハーブを紹介していただきました。
☆印は一般的な利用法です。


 冷房による冷え性のために

【ジャーマンカモミール】
特にヨーロッパでは、もっともよく飲まれるハーブのひとつです。
身体を温める効果があり、冷房による頭痛、肩こり、首の痛み、寒気や腸の不調の改善にも適しています。
 
☆ドライハーブティー、チンキ

【ルイボス】
SOD(活性酸素除去酵素)様の物質を豊富に含み、細胞や血管を酸化から守ります。
身体の代謝を促して血液循環を高めることから、足腰の痛み、全身の血行不良の改善に役立ちます。
 
☆ドライハーブティー

イチョウ
指標成分はフラボノイドとテルペンで、特に二重フラボノイドは型として珍しい化学成分です。
脳および末梢の血液循環を改善し、冷え、血液循環の滞りによる肩こりや腰痛などに効果があります。
ヨーロッパでは、脳血管障害に対する医薬品として承認されています。
 
☆サプリメント、チンキなど

 夏バテのためのハーブ活用

【アーティチョーク】
生薬でも苦味の強いものは「苦味健胃薬」として、消化酵素の分泌を高める作用を持つことで知られています。
このハーブも苦味によって胃腸の働きを活性化すると同時に、暑さで疲れた肝臓の働きを保護します。
 
☆ドライハーブティー

【ハイビスカス】
クエン酸、リンゴ酸、ハイビスカス酸などの有機酸やビタミン、ミネラル、アミノ酸が疲労回復を促進します。
また鮮やかな赤色のティーは酸味があり、食欲不振を解消します。
 
☆ドライハーブティー

【ローズヒップ】
ローズヒップに含まれるビタミンCは、レモンの20倍量です。
暑さや体力の消耗によって失われたビタミンCの補給に適しています。
ハーブティー中のビタミンCは、熱湯で抽出してもあまり破壊されません。
 
☆ドライハーブティー

ミルクシスル
シリマリンが肝臓および胆のうの機能を亢進します。
暑さによるストレスや体力低下による肝臓へのダメージが気になるときに効果的です。
 
☆ドライハーブティー、サプリメント、チンキなど

【マテ】
豊富なビタミン、ミネラルのほか、中枢神経を活性化させるカフェインやマテインを含みます。
暑さや食欲不振などによって低下した活力を活性化します。
ただしカフェインを含有するので、過量の服用には注意が必要です。
 
☆ドライハーブティー、サプリメント

 消化器のトラブルのために

【マシュマロー】
葉も利用されますが、特に根に多量に含まれる粘液質が特徴です。
この粘液質が胃炎、下痢など胃腸の炎症によって傷んだ粘膜を保護します。
 
☆ドライハーブティー

【ペパーミント】
爽快感いっぱいのメントールの香りが、気持ちをリフレッシュさせるとともに消化器のはたらきを促進します。
胃の不快感、食べ過ぎによる胃もたれ、食欲不振の解消などに適しています。
 
☆ドライハーブティー

【タイム】
精油成分を多く含み、優れた抗菌力はフェノールの20倍といわれます。
食あたりの予防やケア、吐き気などの不快な症状を鎮めるのに役立ちます。
 
☆ドライハーブティー

エキナセア
インターフェロンを活性化することによって自然治癒力を高め、ウイルスなどによる夏かぜを予防することができます。
また抗菌作用により食中毒の予防にも効果があります。
 
☆ドライハーブティー、サプリメント、チンキなど

 不眠やイライラのために

【カヴァカヴァ】
緊張を緩めて心身をリラックスさせます。
 
☆サプリメント、チンキ

【ベルベーヌ】
鎮静作用、緩和作用により、穏やかな気分をもたらします。
消化を促進する作用もあるので、特にディナーの後やおやすみ前におすすめです。
 
☆ドライハーブティー

【リンデン】
鎮静作用、緩和作用により、穏かな気分をもたらします。
利尿作用もあるので、特に血圧の高めの方にもおすすめです。
 
☆ドライハーブティー

【パッションフラワー】
鎮静作用、緩和作用により、神経を安定させる効果があります。
 
☆ドライハーブティー、チンキ

【バレリアン】
鎮静作用、鎮痙作用により、神経の緊張やイライラ、不安などを鎮めます。
 
☆ドライハーブティー、チンキ

プロフィール

渡辺 肇子(わたなべ はつこ)
薬剤師。メディカルハーブ広報センター常任理事(事務局長兼任)。北里大学薬学部製薬学科卒業。日本ロシュ(株)、ロシュ・ダイアグノスティックス(株)を経て、99年11月よりメディカルハーブ広報センター事務局長に就任。植物療法の分野における臨床、研究、教育の三本柱を基本構想としながら、西洋医学と代替療法のよりよい共存を目指して活動中。メディカルハーブカレッジ主任講師。NHK文化センター講師

(Medical Nutrition 29号より)


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