サプリメントの必要性とビタミン栄養療法の成果 稲毛病院整形外科・健康支援科 佐藤務医師
サプリメント必要性と補給の際の優先順位、ビタミン栄養療法の成果について、2000年健康博覧会のセミナーで報告された稲毛病院整形外科・健康支援科 佐藤務医師の講演から。
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なぜ整形外科医がビタミン栄養療法外科を設けたか |
整形外科でよく見る疾患として変形性膝関節症がある。この病気は膝の痛みを伴い、体重が1キロ増えると、膝への負担はその3倍かかるといわれており、肥満対策に漢方薬を用いるようになったが、3分の1の患者はこれに反応しなかった。そのため次の減量策として、本格的に栄養の勉強をはじめ、アメリカの栄養療法にたどり着いた。
現代の日本人の食事の特徴は、カロリー源となる脂肪、タンパク質の摂取量は多いが、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの副栄養素は足りないことだ。たんぱく質では植物性タンパク質が足りない。塩分は摂りすぎている。なぜそうなったのか。理由は二つある。一つは、素材に含まれるビタミン、ミネラルの量が減ったこと。しかも、野菜の消費量は減っている。もう一つ、加工食品が増えていることが挙げられる。
素材から失われた副栄養素をサプリメントで補給すると考えれば、誰にでも受け入れられやすいし、サプリメントが食事の延長線上にあることも自然にわかる。鹿も過剰カロリーをほとんど含まない形で栄養素を得ることができる。
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当科のビタミン栄養療法の実際 |
「生命の鎖」という言葉があるように、各栄養素は密接に絡み合い、連携しながらその機能を発揮している。
当科のビタミン栄養療法では、サプリメントを補給する再に優先順位をつけている。総合ビタミンのサプリメントをベースに、ミネラル、植物性タンパク質、レシチン、EPA・DHAなどオメガ3系の油、食物繊維をまず補給する。これらは代謝にかかわる重要な栄養素であり、どれ一つ欠けても「生命の鎖」は切れる。それは、死に直結する。その上で、アンケート用紙をもとに各個人にあったサプリメント(機能性食品を含む)と食の改善を勧めている。ただサプリメントを飲めばよいというものではなく、食材の選び方や調理方法までにわたりアドバイスしている。一人のクライアントにかける時間は平均30分。勧められたサプリメントを摂るか摂らないか、どのメーカーのものをどこで買うかは個人の自由である。
サプリメントは食品なのでいつ摂ってもよいが、食事と一緒のほうが吸収率がよい。ただし、水道水で飲むのは塩素がビタミンを壊すおそれがあるので止めたほうがよい。また、胃薬や抗生物質もビタミンを壊す可能性があるので、一緒に摂らないほうがよい。薬を飲んでいる人には、サプリメントは食前か食事中に飲むようにアドバイスしている。また、風邪をひいた時にサプリメントを減らす人がいるが、風邪のときこそ免疫を高めるために多く摂らなければいけない。とにかく原則として「食品なのだ。野菜と同じだ」と思えばよいのである。
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ビタミン栄養療法の結果 |
当外来が依頼で指導した55歳以上の閉経後女性から無作為抽出した44名を対象に、骨密度を測定した。平均年齢は73.1歳。保健薬としてカルシウム、ビタミンD3、ビタミンK2を処方。さらに示すサプリメントを摂取した。また、生活指導としてカルシウム、タンパク質を多く含む食品の摂取はもちろん、カルシウムを減らしてしまう食品を避けることを指導した。
その結果、全体の66%にあたる29名で、平均0.105ポイントの骨量の増加を見た(表6)。55歳以上の平均的骨量は6ヶ月で0.015の減少であるから、すばらしい結果である。
ただし、ビタミン栄養療法はあくまで健康の増進と疾病の予防を目的としたものであって、骨粗しょう症の治療手段でないことに留意されたい。
プロフィール
佐藤 務(さとう・つとむ) 1963年、埼玉県志木市生まれ。1990年、国立宮崎医科大学卒業後、東京勤労者医療会代々木病院入職。内科、外科、整形外科、麻酔、ペインクリニック、漢方、鍼灸を研修。1995年、虎門会稲毛病院整形外科入職。1996年に漢方肥満外来、1997年、ビタミン栄養療法外来、2000年、健康支援科をそれぞれ新設し、現在に至る。
講演は医師会、薬剤師会、栄養士会を始め、病院、学校、医学博覧会、ママ大学等、年間50本を超える。アエラ、FRAU、婦人画報、anan等の雑誌にも掲載された。 |
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(Medical Nutrition 13号より)
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