個人に応じた栄養摂取をサプリメント

栄養過剰による栄養失調―。脂肪やたんぱく質が過剰な反面、ビタミン、ミネラルは不足傾向にあるという現代人の栄養状態を端的に表した言葉だ。米国では、サプリメントを毎日摂取する人は約6000万人、時々摂取する人を合わせると国民のほぼ半分がサプリメントを常用している。遅れ馳せながら日本でもサプリメント制度の準備が進められており、近い将来には、厚生労働省お墨付きのサプリメントが市場に出回る運びだ。


 食事では補えない分はサプリメントで

1998年国民栄養調査結果によると、カルシウムを除く栄養素は所用量を上回っているという例年通りの結果となった。若年層を中心に、男性ではカルシウムの充足率が低く、女性ではカルシウムと鉄の充足率が低いという。しかし、果たしてカルシウム以外の栄養素は本当に充足しているのだろうか。

栄養摂取状況の過不足を判断する栄養所用量は、6次改定の周知機関を経て2000年4月から導入された。6次改定では「食事摂取基準」という新たな概念が示されている。

新基準の特徴は、骨密度が低い人、更年期障害でエストロゲン分泌量の少ない人など、集団値ではなく個人の状態に応じた栄養摂取基準が示された点が従来と大きく異なっている。人によっては1日に1000mgのカルシウム量が必要になる場合もある。

したがって普段の食生活でこれだけの量を補えない人は必然的にサプリメントを摂らざるを得ない状況になる。

 ビタミンは「特定栄養補助食品」に

医療現場でビタミンの摂取指導を実際に行っている医師はまだ少ない。ただ、予防医療の重要性とともにサプリメントへの関心が高まっていることは確かだ。最大の関心事は、厚生省が準備を進めているサプリメントの基準づくりの行方だ。

厚生省(当時)では、2000年4月から実際の制度化に向けての具体的な作業に入った。特定栄養補助食品に含有できる栄養成分のリストアップや、各成分ごとの表示方法、食品添加物の取り扱いなど、課題ごとにワーキンググループを設置した。

制度化が実現されれば、各種ビタミンにセレンや亜鉛を配合したマルチ・サプリメントの開発も可能になる。ある調査機関の関係者は、「政府公認のサプリメントが出回るようになれば市場が底上げされる」と指摘する一方で、「調剤薬局を含めたメディカル分野でも流通量が増える可能性がある」と予測する。

(Medical Nutrition 13号より)


BACKSITE TOPPAGE TOP