|
栄養食事療法を知る 肝疾患の食事療法は、高タンパク、高ビタミンが基本となる。肝機能は修復再生させる摂取タンパク量は、健常人の1.5倍量が必要とされる。ビタミンは、B2、B6、ナイアシン、C、D、Kなどが肝機能を活発にするうえで欠かせない栄養素となる。ここでは、聖マリアンナ医科大学病院栄養部長の中村丁次氏が編集した「栄養食事療法必携」(医歯薬出版)の中から、生活習慣に起因する代表的な肝疾患の栄養食事療法をまとめた。
肝臓の炎症はあるものの、肝全体の機能は健常人と変わらないため、バランスのとれた食事を規則正しく摂取させることが重要。肥満や高血糖を伴う場合は、エネルギーを1日体重kg当たり30Kcalに制限する。ビタミン、ミネラルが不足しないよう、野菜類や果物類の摂取に心掛け、食物繊維は便秘防止目的で十分に摂取する。食塩は1日10g以下を目安とする。
肥満や糖尿病などを伴う過剰栄養の場合は、エネルギー摂取の制限をはかり、過剰の栄養素を排除して蓄積した脂肪の消耗をはかる。エネルギーは1日20〜25Kcal/kg(標準体重)、たんぱく質は1.2g/kg、脂質エネルギー比は20〜25%が理想。肥満度50%以上の極端な肥満者の場合は入院治療を原則に、エネルギーは1日20Kcal/kg(標準体重)、たんぱく質は1.2g/kg。アルコール性の場合は、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどを過不足なくバランス良く摂取することが重要。肥満を伴わない場合は、栄養所要量を目安に摂取する。糖尿病性の場合は、その食事療法を行う。
禁酒が原則。三大栄養素、ビタミン、ミネラルを十分に補う。消化器症状や黄疸の強い時、食欲不振時には脂質を1日25〜30gに制限する。アルコール性肝硬変は低たんぱく質血症を起こしている場合は分枝アミノ酸製剤で必要たんぱく質の一部を補う。高アンモニア血症を伴わないよう、食事とアミノ酸製剤のバランスを考慮する。アルコールの酸化過程で消費されたビタミン類の不足を考慮し、ビタミン、ミネラルは十分補給するが、極端な高ビタミン食にする必要はない。
(Medical Nutrition 17号より) |
|||||||||
|
|