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循環器疾患の予防は「食」「運動」が基本
日本人の死因の上位を占める循環器疾患。その危険因子は食生活、運動、喫煙など。発症してからでは遅いといわれ、生活習慣の改善が重要視されている。循環器疾患の予防に有効な「食」機能、さらに東洋医学からのアプローチを紹介する。
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高まる一次予防の重要性 |
脳血管疾患、高血圧症、虚血性心疾患など循環器疾患は、日常生活の中で静かに進行する。平成10年の脳卒中および心疾患での死亡数は、合わせて28万人以上で、総死亡数の約3割を占めている。中でも患者数が3000万人以上とも言われる高血圧症は、症状がなく、放置すれば病気が進行し、日本人の死因の2、3位を占める心臓病や脳卒中を引き起こす最も大きな原因とされている。
これまで国の循環器疾患予防対策は、主に地域や企業などによる健康診断で発見されたハイリスク者を対象としてきた。しかし高血圧者等に対する治療すら十分でないのが現状であり、ここにきてようやく一次予防の重要性が叫ばれるようになった。
2000年4月にスタートした「健康日本21」では循環器疾患の基本的な危険因子を、(1)高血圧、(2)喫煙、(3)耐糖能異常、(4)多量飲酒、(5)高脂血症と定め、食塩の摂取量や肥満者の減少などの目標が設置された。喫煙や飲酒など嗜好性の高いもの、さらに政策上の数値目標を除けば、ここに示された予防策は「食事」と「運動」という基本に立ち返る。
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患者の特徴に食生活の乱れ |
生活習慣の中でも特に影響が指摘されているのが食事。帝京大学市原病院の並木医師は、「循環器疾患の傾向は、一般論ではそんなに増えていない。ある程度の高齢から発症するのはヨコバイ。ところが50代以下で心筋梗塞になった患者を調べると、食生活が乱れている場合が多い。こうした例は今後増えてくるでしょう」と語る。
発症には複雑な要因が絡んでおり、治療は複雑で時間がかかる。東京代替医療研究所の丹羽正幸代表は、ビタミン、ミネラルを中心とした日本型栄養療法で脂質代謝を改善し、肥満治療に効果をあげているが、循環器疾患の治療は、「栄養療法では治しづらい。西洋医学による薬物治療の方が効果的」と語る。
また、適切な運動療法は、薬剤の減量、中止に持っていける症例があることはよく知られている。城西健診センター・クラブJS(茨城県結城市)の永井信寿マネージャーは、バイク、軽い筋力トレーニングを指導する。高血圧症の患者が力む運動をすると逆に血圧を上げる可能性があるという。運動強度は最大酸素摂取量の40%を目安とし、隔日行う。最低3カ月間は続けることが必要で、その間も担当医と連携して治療法の一つに組み入れる。

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「食」機能による予防を |
企業健保対象に、健康づくりのサポート事業を展開するサービスも現れた。国際ウエルネス研究所(東京都千代田区)では生活習慣改善プログラムを提供している。セミナーやカウンセリングなどを組合せて9カ月に及ぶもので、昨年度には500人が参加した。
同社のプログラムでは、管理栄養士が電話で定期的に個別カウンセリングを行う。食事内容をチェックし、脂質の多い場合などには代わりのメニューなどを提案する。これまで参加者の健診データが向上するなどの効果を挙げている。「生活習慣を改善させるには、継続的な細かなフォローが必要」(担当者)という。
一方、疾病予防に有効な食品の研究も進んでいる。農水省では、疾患予防に有効な食品開発の新規プロジェクトが2000年度から開始した。国立研究所の研究課題にも食品素材の機能は多く取り上げられている。また、有効性が示されている「食」機能もあり、これらを利用した代替医療や統合医療など、新たな医療をめざす動きも活発化している。
日本の高血圧治療ガイドライン作成
日本高血圧学会(理事長:猿田亨男慶応大学教授)は、「高血圧治療ガイドライン2000版」(JSH2000)を作成、2000年7月に発表した。ガイドラインとして、「高血圧治療のてびき」(厚生省/日本医師会編)があるが、'90年の発行以後、高血圧治療は大きく変貌している。 また、欧米では世界保健機構/国際高血圧学会、米国高血圧学会によるガイドラインがあるが、欧米と日本では人種差や生活様式の違いがあり、合併症の種類や頻度も異なることから、JSH2000は、日本における実用的なガイドラインを目指して作成された。 作成にあたっては、(1)日本人を対象にした関連論文を盛り込む、(2)日本人特有の心血管合併症にも重点を置く、(3)高齢者の高血圧治療を独立に項立て、(4)治療薬の選択は実用性を重視する――などが特に留意され、各章ごとに概要をまとめて理解しやすい内容となった。 問合わせは、日本高血圧学会/(財)日本学会事務センター内(TEL 03-5814-5801)。 |
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(Medical Nutrition 18号より)
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