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徹底研究! 未病改善に有効な機能性食品
糖尿病は、糖代謝の調節を行うインスリンの働きが悪くなったり、分泌量が少なくなって起こる疾患。高血圧や高脂血症もインスリンの効き目が悪いことに起因する場合が多いことから、「血圧が高め」「中性脂肪が多い」という状態も赤信号だ。糖尿病未病の改善策は、食事制限と適度な運動に尽きるが、急激なダイエットは厳禁。栄養バランスを考え、不規則な食べ方を改めないと未病を加速させると言われる。薬物が使用できない未病状態の改善には、科学的根拠がある機能性食品が有効となる。血糖をコントロールする食品では、厚生労働省から16商品が特定保健用食品(トクホ)として許可されている。血糖値の上昇をコントロールする主な機能性成分の動向をまとめた。
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血糖上昇抑制のトクホ16商品、その気になる中味 |
トクホの関与成分である小麦アルブミンは水溶性たんぱく質の一種で、人間の唾液や膵液に含まれるでんぷん消化酵素(アミラーゼ)の働きを緩やかにすることが、ヒト試験により確認された。食事で摂取した糖質の大部分を占めるでんぷんの消化吸収を遅らせ、急激な食後血糖値の上昇を緩和させる作用がある。トクホ許可製品では、「グルコデザイン」(日清製粉(株)、TEL03-5282-6532)と、「ミキグルコエイド」(三基商事(株)、TEL06-6345-6401)がある。
天然素材の糖質であるL-アラビノースも昨年12月にトクホとして認可を受けた。許可商品は、「あなたの味方」(台糖(株)、TEL03-3663-3869)。同品の主成分L-アラビノースは、小腸で砂糖を加水分解する酵素(シュークラーゼ)の活性を抑制するため、砂糖が小腸から吸収されず血糖値の上昇を抑制する。動物実験によると、砂糖の単独摂取よりも血糖値が上昇しにくいために、インスリン分泌が少なくなり、結果的に血中の中性脂質や脂肪重量が増加しにくくなることがわかった。
「血糖値が気になる方のための」トクホで、最も多いのが水溶性食物繊維の難消化性デキストリンを関与成分とするもので、現在12商品が厚労省の許可を受けている。
順天堂大学医学部の研究グループは、(1)空腹時血糖値(FBG)109mg/dl以下の健常人16人、(2)FBG110〜125mg/dlの未病人6人、(3)FBG126mg/dl以上の患者7人を対象に、難消化性デキストリン含有のお茶を食事(おにぎり400g)と一緒に摂取させた時の食後血糖値を調べた。食事開始後30分、60分、120分時に測定。対照群には、難消化性デキストリンを含有しないお茶を用いて2日間連続してクロスオーバーにより実施した。全29例の平均血糖曲線をA群(難消化性デキストリン含有)とB群(対照茶飲用群)で比較した結果、A群の60分血糖値はB群に比べて有意な低下を示した。未病群の平均血糖曲線では、60分、120分において低値傾向を示し、血糖上昇度では60分において有意な抑制効果が認められた。難消化性デキストリンを含有する主なトクホは、「RY流糖茶」(有)健康社、TEL03-3416-3857)、「ビオテアドリンク」(大和薬品(株)、TEL03-5430-4050)、「改善生活GL」(エスエス製薬(株)、TEL03-3668-4511)などがある。
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最近、注目を集めるカイアポの効果 |
現在、トクホ許可になっていないものでも科学的データの裏付けが非常にしっかりした素材もある。
ウィーン大学の研究チームは、香川県産の白甘藷から抽出した「カイアポ」がII型糖尿病患者のインスリン抵抗性を減少させ、グルコース代謝を改善させる作用があることを突き止めた。この調査結果は、2000年6月に米テキサス州で開かれた全米糖尿病学会(ADA)60回総会、9 月にイスラエルで開催された欧州糖尿病学会(EASD)36回総会で発表され、内外の専門医の注目を集めた。
試験を実施したウィーン大学医学部のベルンハルド・ルドヴィック教授は、「II型糖尿病にかかりやすい遺伝的要素を持っている人でも、カイアポを摂取することで発症を遅らせるなど、治療というよりも予防的な効果が期待できるのでは」と話している。共同研究者のイタリア国立調査協会のジョバンニ・パチニ博士は、カイアポはヒト細胞のインスリン受容体の数を増やすか、インスリンの取り込みを活性化させる、と推測したうえで、「さらに多数の患者を対象に、投与量を変化させて調べる必要がある」としている。
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ハーブ素材も治療の補助に!―LSP・キクイモ― |
近年、米国において「糖」の健康維持に役立つ成分として注目を集めているのは、熱帯植物LSP(Lagerstroemia-Speciosa-Pers/和名:オオバナサルスベリ)の葉に含まれるコロソリン酸成分。前慈恵医大健康医学センター教授の池田義雄氏(タニタ体重科学研究所所長)らの研究では、コロソリン酸を錠剤化した健康食品を使って血糖値降下作用を確認している。
北アメリカ原産のキク科の植物キクイモにも、血糖値に対する機能がわかっており、治療の補助や予防に取り入れるケースが増えている。キクイモは根に塊を作るため「イモ」と呼ばれるが、この根塊にイヌリンという多糖体が12%前後含まれ、さまざまな機能を有している。イヌリンは糖質の吸収を遅延させて食後血糖値の上昇を抑制するとされる。海外ではインスリン濃度の低下、腸内細菌叢の改善などの機能がヒト試験において確認されている。慈恵クリニック(奈良県大和郡山市)の山田義帰院長は、糖尿病患者にキクイモを含む食品を摂取させることで空腹時血糖、ヘモグロビンA1cが良好にコントロールされた症例(32歳男性、58歳女性)を経験している。
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臨床応用が進む漢方素材――トウチ・クマ笹― |
中国で古くから食材として用いられているトウチにα-グルコシダーゼ阻害作用があることが、北海道大学農学部の研究グループによって明らかにされた。その働きはトウチエキスに含まれるアミノ酸誘導体によるとしている。糖尿病予備軍のボランティア9名を対象とした検討では、ショ糖負荷試験の前処置としてトウチエキス0.3gを摂取させると、ショ糖摂取のみの群に比べて血糖値の上昇が抑制された。また、糖尿病の患者10名にトウチエキス0.3g含有食品を1ヵ月間摂り続けたところ、摂取前に比べて血糖値の低下が見られた。
古来より民間薬として用いられてきたクマ笹は、糖尿病患者にも使われている。その機序として、クマ笹エキスの構成成分である多糖体が膵β細胞の障害を修復し、インスリン分泌のバランスを保つことが考えられている。また、クマ笹エキスには抗疲労作用もあることから、ストレスケアを介した機序も可能性がある。
星薬科大学の菅野裕子氏らは、糖尿病患者7例にクマ笹エキスを使用した経験を報告している。それによると、クマ笹エキス6驕^日の飲用2週間〜1ヵ月で血糖値の低下傾向がみられ、全身倦怠感、や息切れなどの自覚症状も軽快した。70歳女性のケースでは、グリベンクラミド、インスリンよりも優れた血糖低下作用を示した。菅野氏らは、食事管理などの生活習慣をコントロールした上であれば、クマ笹エキス単独でも血糖値上昇を抑制できるとしている。
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桑の葉の特殊成分「DNJ」にすごい効果 |
桑の木は落葉高木で雌雄異株。その有効成分はデオキシノジリマイシン(以下DNJ)とされる。DNJは、桑の葉以外の植物には未だ見出されていない特殊成分で、桑葉には比較的多く、乾燥量で約0.1%のDNJが含まれている。
このDNJは、糖質を分解する酵素「α-グルコシターゼ」の働きを強力に阻害し、ブドウ糖の吸収を阻害するため、血糖値の上昇を抑制できるとされる。この効果は糖尿病発症ラットで確認され、神奈川県衛生研究所では、ヒト成人においても同様の効果があることを報告している。
また、桑葉にはカルシウム、鉄、亜鉛等のミネラルも豊富に含まれ、前述のラット実験では、体重抑制効果、内臓脂肪抑制効果、中性脂肪・コレステロール低下効果があることも証明されている。
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フィリピンで古くから珍重されるバナバにも! |
バナバは、原産国フィリピンにおいて古くから糖尿病の予防や治療に用いられてきた。バナバには亜鉛、マグネシウムなど血糖値抑制効果のあるミネラルが多く含まれる。中でも注目すべきは「コロソース酸」。
インスリンには、細胞の表面に付着しているブドウ糖輸送体(グルコーストランスポーター)に働きかけ、ブドウ糖が細胞に取り込まれるのを促進する作用があるが、この作用が低下すると血糖値が上昇する。バナバの葉から抽出したコロソース酸にもインスリンと同様にブドウ糖輸送体に働きかけ、細胞に取り込まれるのを促進する作用があることがわかった。
(Medical Nutrition 27号より)
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