いま、時代は早期発見から「未病」察知へ!
 進化する検査・検診システム

第4次改正医療法により緩和された、医療機関の広告規制。そのため、「乳幼児検診」や「胃がん検診」など、従来は規制されていた対象者や部位を付記した広告を目にする機会が増えるようになってきた。こうしたことから、検診に力を入れている医療機関の中には、ホームページで検診システムのPRに努めるところもある。今回は、栄養療法、補完・代替医療の現場で導入が進む検査・検診システムの最新事情を紹介する。


 わずか20分で500種のアレルゲンが判る!?

医師や栄養士を対象に米国栄養法を教育する栄養医学研究所(TEL03-3563-1083)は、臨床検査実習に米国Bio Meridian社が開発した体内環境検査機器「BESTシステム」を導入する。

検査カテゴリーで主要をなすのは、アレルゲン検査(BEST)。BESTは米国のBio Meridian社がもつ、MSA(Meridian Stress Assesment:経絡による体内ストレス環境評価プログラム)を基本に開発された最新機器で、東洋医学と西洋医学の融合により、体内のバイオフィードバックを測定して体内環境を評価しようというもの。

経絡のつぼを通して体内を流れる微弱電流の伝導率を測定すれば、体内環境がどのような状況にあるかを把握できるので非侵襲的な生理検査と言える。およそ20分で約500種類のアレルゲンが判明できる。

BESTの目的は、天気予報がレーダーで降水量や気温の変化を予測するのと同じように、体液や細胞の分析結果の基づいて細胞全体の環境を予測すること。栄養療法を効果的に行うためにも、体内環境を評価することが欠かせない」という。

 血液分析の採用で、より効果的な栄養指導を

栄養療法、サプリメント療法では、血液分析によって効果判定を行うというアプローチもある。米国、欧州、台湾などで複数の統合医療病院を経営するアメリカン・バイオロジックス社(AB社)は2000年11月、ブリヴェチューリッヒ証券との合弁会社、アメリカン・バイオロジックスジャパン(TEL 03-5521-1740)を設立、AB社が開発したサプリメントの輸入販売を始めるとともに、栄養状態を検査するBVPM顕微鏡の導入を開始した。

千葉県で開業する鈴木医院では、患者の体質に合った食事療法を行う目的からBVPM顕微鏡を採用した。代謝や機能状態を調べることで、効率的な薬物投与と患者の体質に合った食事療法が可能になった。

 遺伝子ドックで将来リスクをいち早く判定

九段クリニック(東京都千代田区、TEL 03-3222-0071)では、生活習慣病の予防に役立てるため、遺伝子ドックを1999年から取り入れている。 日本人の3大死因であるがん、心疾患、脳血管障害は、いずれも生活習慣病の要素を含んでいる。また、寝たきりや骨折などの高齢者のQOL低下も、生活習慣病に起因するケースが多い。

「健康寿命は寿命のマイナス10年。つまり、最後の10年は闘病したり寝たきりになったりの生活を余儀なくされる人が多いわけです。10年といえば、人生の10%以上の期間です」(阿部理事長) 現在、遺伝子検査の項目は15種類。血液のほか、頬部粘膜から採取したスメアでも検査可能だ。

九段クリニックでは、遺伝子ドックの結果をわかりやすく緑、黄、赤の3段階で患者に通知する。黄、赤の場合はまず発病のスクリーニングを行い、疾病の有無を検索。発病していなければ生活習慣改善のアドバイスを行い、6ヶ月後に再検する流れだ。

 主要マーカーで未病を察知

ホリスティック京北病院(東京都豊島区、TEL 03-3946-7271)では、小林常雄院長が自ら考案した腫瘍マーカー総合診断法で、すでに20年近くがん予防に実績を上げている。

腫瘍マーカー総合診断法とはがん特異腫瘍マーカー11項目をチェックすることで、がんのスクリーニングとリスクの判定を行うもの。 結果は五段階に分け、理想的健康状態から臨床がんまでそれぞれ白、緑、黄、ピンク、赤の色紙で通知される。

さらに、この腫瘍マーカー解析を中心に、良導絡測定、加圧度脈波、血液、尿一般検査を組み合わせたのが「ホリスティックヘルス検査」だ。「定期的に受診しながら生活習慣の改善を続けている人からは、がん患者が一人も出ていない」と小林院長は胸を張る。

 免疫賦活剤(食品)の免疫応答を血液検査システムでチェック

インターロイキン2やビシバニール十全大補湯、補中益気湯、健康食品など免疫賦活剤(食品)の免疫応答を測定する血液検査システムがある。「免疫能測定検査」を開発したのは岡山県津山市の免疫分析センター(TEL 0868-28-6350)。 検査は、故、内田温士京都大学教授が開発したATK誘発療法を補助するシステムとして、がん治療の指標、適応薬剤を判定する目的で開発された。

最近では検査技術を応用し、がん予防のための健康診断や摘出手術後の転移、再発予防のためのための検査、健康食品の免疫賦活効果の測定も行っている。健康食品のメーカーの依頼ではin vitroでの所見はもちろん、健康食品摂取前(被験者9名と摂取1ヶ月後の免疫活性を測定し、報告を行っている。費用は300万円、製品の有用性研究や開発に利用されている。

(Medical Nutrition 25号より)


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