介護で注目される消臭商品----食品機能に期待集まる----

一時期ブームが訪れた消臭商品。介護用に開発されたにもかかわらず、若い女性に人気となり、一般マスコミで盛んに取り上げられたのは記憶に新しいところだ。その消臭商品が、2000年4月の介護保険施行以来、現場で再び注目を集めている。その機能に期待が集まる消臭サプリメントの最前線を報告する。


 消臭商品は日本人好み

食品素材のなかで体臭や口臭、便臭などのニオイを消す、消臭機能を持った健康食品が登場したのは90年代に入ってから。当初は人工肛門の患者や在宅介護をする家族に向けた食品として開発されたが、OLや中高年サラリーマンの消臭エチケット志向に後押しされ、95年頃にブームを築いた。

もともと日本人はニオイをまとうことを好まない傾向があり、香水などによるニオイのマスキング(ごまかす)も好まない。こうした日本人の特質にあった食品として、ブームが落ち着いた今日もタブレットタイプの健康食品が根強く利用されている。

消臭食品素材としては、マッシュルームから抽出されたシャンピニオンや、ブドウ種子ポリフェノール、緑茶カテキンなど。これらの食品素材は、それぞれ体内での代謝を通して、ニオイを元から絶つと考えられている。要介護者や病人の便臭や体臭を改善し、QOLの改善はもとより介護・医療環境の改善をねらった製品が数多く発売されている。また消臭機能だけでなく、腸内細菌叢の改善などが報告されており、便秘や軟便の解消にも効果が期待される。各素材の特徴と評価を次の通りだ。

 シャンピニオン

シャンピニオンには、腸管内でのメルカプトメタンなどの腐敗産物産生抑制作用が報告されている。現在は、健康人の消臭エチケット食品としての利用が一般的だが、経腸栄養剤にも配合されており、早くから医療分野での利用価値が模索されてきた。

シャンピニオンを用いた製品には、「スーパーにおわんEXPRESS」(カンロ(株)ヘルス事業部)などがあり、すでに大手介護支援業者でも使用されている。(株)MDFから発売されている「チョキレ」は、チアパック容器入り(200g)のゼリータイプの食品なので、嚥下・咀嚼機能が衰えた要介護者や病人も無理な負担なく摂取できる。この製品は、特定保健用食品の許可申請を行う計画で、主に病院や老人施設や在宅介護者に向けて販売されている。

 ブドウ種子ポリフェノール(プロアントシアニジン)

ブドウ種子に含まれるポリフェノールは、プロアントシアニジンを主成分とし、消臭効果があることが分かっている。大倉記念病院(千葉県松戸市)は、要介護高齢入院患者8名を対象にブドウ種子ポリフェノールを含有する食品の介入試験を実施した。看護婦、介護福祉士、ヘルパーによる官能評価の結果、砂糖を摂取した対照群よりも、臭いの程度が減少していた。

商品(「そよ風物語」)を開発したキッコーマン(株)は、「プロアントシアニジンを腸まで送り届けるコーティング技術を採用し、腸内腐敗臭を包み込む食品。要介護者のみならず、外科手術に備える人にも利用してもらえる」としている。

 緑茶カテキン

緑茶の主要成分・カテキンにはさまざまな健康維持機能がある。緑茶カテキンの中でも50%以上を占めるのが、エピガロカテキンガレート(EGCg)である。

緑茶カテキンは、食中毒細菌や悪臭菌に対しては抗菌的に働くが、善玉菌には作用しないことが分かっている。聖隷三方原病院(静岡県浜松市)栄養科の金谷節子科長は、他の医療機関と共に、茶カテキンの消臭効果について検討。茶カテキンの服用中は明らかに糞便臭の軽減が見られたという。「緑茶は患者に受け入れられやすい。また、緑茶粉末を使ってゼリーを作ると、嚥下障害の人も摂取可能になる」と話している。

 OS液

OS液は緑茶を中心に野菜、果物から抽出した食品素材で、その消臭機能については日本食品分析センターで実証済み。東京大学工学部での基礎試験ではニンニク臭に対する効果が示されている。

(Medical Nutrition 21号より)


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