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インタビュー
更年期症状に対して普及が期待されるホルモン補充療法(HRT)について日本更年期医学会の麻生武志理事長(東京医科歯科大学教授)に普及の現状と展望を、栄養療法のJ.ライト博士に骨粗しょう症治療について話を聞いた。更年期医療に対する日米の第一人者のアプローチを紹介する。
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ホルモン補充療法の予防的意義 |
- ―― HRTの意義について。
- 東京医科歯科大学医学部 産科婦人科学教室
麻生武志教授(以下敬称略)
- 更年期症状は卵巣機能が衰えることによって現れます。エストロゲンの低下と欠乏は単に更年期症状を引き起こすだけでなく、骨量の減少や高脂血症、萎縮性の膣炎、尿失禁などの女性の身体機能一般に影響を及ぼし、QOLに深く関わっていることが分かってきました。それによってHRTは単に症状を抑えるだけでなく、閉経後の10〜15年は更年期に入ってから現れる身体機能の障害を防止し、更年期での症状を放置した場合に生じうる骨折や狭心症、動脈硬化を予防する目的が見出されています。
- ―― HRTのベネフィットは。
- 麻生
- 閉経後5〜10年の間には、骨量は急速に減ってきます。骨量が70%を下まわると骨粗しょう症と診断されますが、私達の更年期外来でも若い女性で70〜80%の骨減少という危険域にいる女性は結構いますし、外来の女性患者の30〜40%は低い骨量、骨塩量を示しています。放置すればいずれ骨折を招き、大腿骨の頸部骨折となれば車イス生活や寝たきりにもなりかねません。QOLを大きく損なう疾患がかなりの頻度で出ることを考えれば、リスクよりもベネフィットがはるかに大きいことは明らかです。さらに、最近ではHRTの目的として、動脈硬化などの脳・心臓疾患に対する予防が注目されています。
- ―― 日本では普及が遅れていますが。
- 麻生
- 日本では欧米に比べ普及率は低く、更年期女性の1〜1.5%に留まっています。エストロゲンだけを長期に服用すると、子宮内膜に肥厚を起こして出血したり、元々異常がある細胞ががんになることがあるので、正しい使い方として黄体ホルモンを併用することが必要です。使う量も低量で効果が出ることが分かってきたので、現在はなるべく低量で副作用の問題をクリアする使い方が普及し、子宮内膜に対するリスクはほとんどなくなりました。
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骨粗しょう症に対する栄養療法 |
- ―― 骨粗しょう症に対する栄養療法は。
- タホマクリニック
ジョナサン・ライト博士
- (1)伝統的な食事(特に玄米)、(2)魚油15〜20cc/日、(3)ビタミンKを2〜3mg――これが基本です。
- まず和食に戻ることが重要です。玄米、大豆、魚、野菜といった伝統的な食生活がよいのです。アメリカでは骨粗しょう症患者の30〜35%は、ジャンクフードの好きな人であるといわれていますが、これには大きな原因が2つあって、1つは砂糖、もう1つはリン酸です。砂糖は、カルシウムの生成を阻害します。
- サプリメントとしては、ビタミンD、ω−3系脂肪酸です。ω−3系脂肪酸は、骨の吸収を抑制するとともに、逆に骨形成を促進するものとして非常に優れています。最近の研究では、骨細胞を作り出すことがわかりました。実際、スカンジナビア諸国では、大人のみならず子供にも魚油を毎日与えているそうです。
- 次にビタミンKが重要です。ビタミンKは、体の中にカルシウムが入ってきたときに、それを骨に吸着させるために必要なタンパクの一種オステオカルシンを活性化させます。
- (1)魚油、(2)ビタミンK、(3)カルシウム――この3つがそろって初めてカルシウムが有効に利用されるのです。一番の問題はカルシウム不足ではなく、ビタミンDやそのほかのミネラルが正しくフォーミュラされたサプリメントが少ないことです。さらにマグネシウム、ボロン、マンガン、銅などが必要になります。またストロンチウムが含まれていると骨粗しょう症が少ないことが報告されています。
- 天然のカルシトニンは、骨にカルシウムを導く働きがあります。また最近、日本でも行われているホルモン補充療法(HRT)もあります。
(Medical Nutrition 21号より)
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