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「脳神経疾患」一次予防に力を発揮する補完・代替医療への期待と役割
21世紀は「高齢者の世紀」が現実のものとなる。高齢化社会の健康、または予防・未病を語る上で、脳神経疾患対策、とりわけ痴呆症対策は欠かせない。脳科学の急速な進展にもかかわらず、アルツハイマー病をはじめ脳神経疾患に対する画期的な治療法は、確立していないのが現状である。一方、基礎研究や理論的考察は予防策を確固たるものとしつつあり、一次予防に力を発揮するCAM(補完・代替医療)への期待は高まるばかりだ。
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暗中模索の痴呆治療 |
Dr.アルツハイマーが、最初のアルツハイマー病症例に出会ったのは1901年。今年はそれから100年目の節目となっている。この間の脳科学の発展に伴い、脳の働きが徐々に解明されてきた。脳神経疾患についても、病理学や遺伝子学の研究の発展は著しく、テーラーメイド医療の実現に向けて動き出しつつある。
日本の痴呆患者は増加傾向にある。現在(2000年)、脳血管性痴呆を含めた痴呆患者全体は約150万人で、30年後には300万人に達すると言われている。すでに現時点で高齢者人口(65歳以上)の6.9%を占めているが、この比率も10%近くに上昇することが見込まれている。
アルツハイマー型痴呆患者はこのうち、60〜70万人と推計され、疫学調査でも脳血管性痴呆の患者を越えた(図参照)。アルツハイマー型痴呆の治療は、98年の脳代謝改善薬の再評価・承認取り消し、昨年の塩酸ドネペジル「アリセプト」の承認など、近年は保険薬を巡る動きが目まぐるしい。
塩酸ドネペジルにしても、根治療法でないことは明白だ。岩手医科大学神経内科学の東儀英夫教授は、「軽度・中等度の患者では、進行をかなりの期間抑えることができるが、ずっと抑えるものではない。1年延ばす程度だろう」と感触を語る。東儀教授は塩酸ドネペジルの投与に加え、音楽療法など非薬物療法も進行抑制に影響するという。確固たる治療法がない中、音楽療法やリアリティー・オリエンテーション、回想法などが効果的であることも少なくない。またEPA製剤で効果を上げたり、イチョウ葉エキスやDHAなどの健康食品を積極的に活用する医師も少しずつ増えてきた。
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痴呆予防への第一歩は「食習慣」から |
自治医科大学神経内科の植木彰教授によれば、「アルツハイマー型痴呆は生活習慣病」となる。長い食習慣のなかで、どれだけDHAやEPAなどの必須不飽和脂肪酸を継続的に摂取してきたかが、最大のポイントとなる。魚を毎日摂る習慣のある人は野菜・果物などから抗酸化物も摂っており、動脈硬化にもなりにくい食生活を送っている。患者の栄養調査によって得られた裏付けとなるデータも多く、理論体系も明確に確立している。つまり栄養素で言えば、n‐3系不飽和脂肪酸とビタミンC、Eなどの抗酸化ビタミンの摂取に加え、B6、B12、葉酸などビタミンB群摂取による血中ホモシステインの適正化が予防の要となることが分かってきた。これは、脳血管性痴呆のリスク・リダクションでもある。
また、脳梗塞、脳血栓など脳血管性の疾患は、そのほとんどが高血圧、高脂血症、動脈硬化などから誘発された、いわば生活習慣病だ。脳血管障害はさらに脳血管性痴呆の原因ともなる。生活習慣を原因とするからには、適切なセルフメディケーションによって一次予防も不可能ではない。
予防可能な疾病に対して効果を発揮する補完・代替医療は、脳神経疾患対策の場でも普及が期待される。


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イチョウ葉で痴呆予防試験抗痴呆薬の FDA承認が進行
新たな抗アルツハイマー病薬がハーブの抽出物のなかから承認される見通しとなっている。米国で現在進行中のイチョウ葉エキス(EGb761、ドイツ・シュワーベ製薬)のフェーズ。の試験は、間もなく結果がまとまり、FDAの承認を待つまでとなる。早ければ今年中にも、承認される見通しだが、FDAがハーブ抽出物を医薬品として認めるのは異例であり、その動向が注目されている。
イチョウ葉エキスについては、WHOが「抗痴呆薬」と分類している。この分類は、アルツハイマー型痴呆だけでなく、脳血管性痴呆に対しても治療効果が期待されることからなされたもので、イチョウ葉エキスの広範な作用が評価されている。また昨年より、NIHによって予防効果に関する臨床研究もスタートしている。
国内でも開業医に広まるとともに、大学病院でイチョウ葉を推奨する医師もいる。進行を抑制するだけでなく知能低下を大幅に改善し、記憶能の改善も期待されるとあって、その臨床レベルでの評価が高まりつつある。 |
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(Medical Nutrition 22号より)
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