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「循環器疾患」循環器疾患に対応する機能性食品 現在、日本には2000万〜3000万人の高血圧患者がいるとされる。男性の5人に1人、女性では7人に1人の割合だ。医薬品市場でも、カルシウム拮抗剤、ACE阻害剤など、売上ランキングの常連に名を連ねる薬剤がある。機能性食品では、カルピス(株)の「アミールS」(ラクトトリペプチド)が年間数十億円のヒット商品となっている。2000年に発表された日米のガイドラインから予防の方策を抜粋する。
2000年10月、AHA(アメリカ心臓協会)は、すべてのアメリカ人を対象に、心血管系疾患のリスクを減少させるための科学的根拠に基づく食事ガイドライン(改訂版)を発表した。16ページにわたるガイドラインの各論では、(1)大豆たんぱく質(2)魚油(3)抗酸化栄養素――などに関する記述が見られる。このガイドラインについて高輪メディカルクリニックの久保明院長は「大豆たんぱく質、イソフラボンの記述がはっきり出てきたし、魚油に代表される多価不飽和脂肪酸の治療の可能性が開けた」と評価する。 イソフラボンを含む大豆たんぱく質の摂取は、総コレステロールおよびLDLコレステロールの高い患者に勧められるとしている。そしてその効果は、血中コレステロール値が高値(240mg/dl以上)の群において効果が大きいとガイドラインは述べている。1999年10月、FDAが「大豆たんぱく質を含む食品が心疾患リスクを低減させる」とのヘルスクレームを許可したのも記憶に新しいところだ。 また、ガイドラインは魚類の利点を挙げ、「1日1皿の魚料理または魚油のサプリメントを摂取することは、冠動脈疾患患者の心疾患による死亡率の低下につながる」と記載した。
酸化と心血管系疾患の発症の関連については、果物、野菜など抗酸化栄養素(カロチノイド、ビタミンE)の豊富な食事を摂ることが、疾病のリスクを低減させるとし、これらの食品を多く摂取することを勧めている。最近の論文では、終末期の腎不全の患者に800IU/日のビタミンEを投与したところ、心血管障害で死亡率にプラセボと明らかな差が出た。 久保医博は「腎機能が低下することによって酸化ストレスがかかってくる。それに対してビタミンEが効果的なことがわかります。これは、酸化ストレスの程度によって機能性食品の使い方が変わってくる。つまりどういう人が飲むべきなのか、具体的なテーラーメイド医療の指標になります」と指摘する。
一方、日本では2000年に日本高血圧学会が発表した「高血圧治療ガイドライン2000年版」において、初診時の治療計画として生活習慣修正がベースに挙げられている。「生活習慣の修正によって高血圧を予防できる可能性が示されているだけではなく、降圧効果も証明されている」としている。生活習慣の修正項目に食塩摂取量の制限、適正体重の維持、アルコール摂取量の制限、運動療法、禁煙などを挙げた。 東大大学院内科の藤田敏郎教授は、高血圧の非薬物療法について「以前のような減塩一辺倒ではなく、栄養素を多面的に見る指導が必要だ」と指摘。具体的には陽イオン(カリウム、カルシウム、マグネシウム)の摂取、およびカロリー、アルコール、脂肪摂取の制限を挙げた。同氏は「陽イオンの不足で血圧が上昇しやすい。外来では、果物、海産物を多く摂るように指導している」と話す。 動植物界に広く存在するγ-アミノ酪酸(GABA)は、血圧調節にもかかわるとされる。大妻女子大学・大森教授は、GABAの降圧機能を動物実験で確認した。大森教授はそのメカニズムについて、「交感神経への作用と、腎機能の活性化による利尿作用の両者が考えられるが、まだ検討中」としている。GABAを多く含む食品には玄米がある。手軽に摂取できるのがサプリメントで、ロッテ電子工業Mはドリンクと錠菓を発売している。
(Medical Nutrition 22号より) |
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