「がん」機能性食品への期待大進む臨床研究・応用

機能性食品のなかでも医療者、患者双方からのニーズが高いのが、がん領域への応用だ。各学会でもがんに対する食品機能の報告が相次いでいる。使われる素材はアガリクスメシマコブなどのキノコ類を始め、プロポリスサメ軟骨などがある。


 学会シンポジウムで大きく取り上げられた「プロポリス

2000年11月の第3回日本補完・代替医療学会(JCAM)では、特別講演、サテライトシンポジウムが組まれ、『プロポリス』が大きく取り上げられた。この特別講演では、悪性リンパ腫や高血圧、糖尿病、肝炎、肝硬変、アトピー性皮膚炎など幅広い症例を、城後胃腸科・外科・皮膚科(東京都足立区)の城後昭彦院長が報告した。1500以上のプロポリス療法症例を持つ城後氏は各疾病治療に対する医薬品との併用療法を示しながら、臨床医の立場から、「プロポリスは現代医療を補助し、医療側にとっても安心して思い切った治療ができる」と評価した。

プロポリスエキスにはフラボノイドが多量に含まれているが、抗腫瘍成分としてはクレロダン型ジテルペンやアルテピリンC、キナ酸のカフェイン酸誘導体などが検出されている。基礎研究では現在、富山医科薬科大学和漢薬研究所や玉川大学農学部などがプロポリスの含有成分や作用機序について研究を進めている。特に富山医薬大は、これまでに計27成分を構造決定し、各成分の腫瘍細胞に対する細胞毒性活性やH・ピロリ菌への抗菌活性、ラジカルスカベンジ作用を報告している。

薬局・薬店、そして医療機関を通じて『アガリクス・ブラゼイ』も着実に一般層に浸透してきている。メーカーによっては、原料も国内産を使用し、重金属や農薬を極力少なくし、品質を全面に出しているところもある。また、錠剤といった摂取しやすい形状のものもこれから発売される予定で今後は臨床面での利便性はもちろんのこと、毎日の健康維持に対応していく傾向が強まっている。

 患者にあった選択

前田総合医学研究所(神奈川県横浜市)所長・前田華郎医博は来院した患者にO-リングテストを用いて、現在患者が使用している薬と、これから処方すべきプロポリス(ミセル化抽出)、『メシマコブ』等の健食の適応・適正量を判定し、診療を行っている。

前田医博によると「現代人は動物性たんぱく質の過剰摂取、野菜不足、低体温のほかに公害物質が体内に蓄積している。公害物質による疾病の原因は、大病院でも発見できないことが多い。またすでに死滅しているがん細胞にまで抗がん剤や手術を行っているので、体力がありどこにも異常を感じないなら、食事や水、適度な運動、体温といった健康のベースを守って家庭で治療することが望ましい」という。

前田医博の研究所では、各人に適した機能性食品を選び、これに『ビタミンC』を加え、さらに家庭でできる遠赤外線による「温熱療法」も並行して指導している。がんの病巣を影像ではなくがんの持つパワーを捉えることによって、現在あるがんの位置とその活性度や、将来転移する可能性のある箇所をいち早く発見し、これを崩すこと等に努めている。

企業開発担当者より 緑茶カテキンの抗がん作用を研究

東京フードテクノ(株) (三井農林グループ) 原征彦副社長

緑茶に含まれるカテキン分画から、エピガロカテキンガレート(EGCg)を単離・同定して研究しています。EGCgは茶カテキン全体の約55%を占めます。

EGCgの抗がん作用について、(1)DNA変異に対する作用(2)活性酸素の捕捉(3)抗ウィルス作用(4)酵素抑制ないし誘導(5)抗プロモーション作用――など、発がんの各段階での働きを検討中です。同時に、ラベル化EGCgを用いて体内動態を明らかにしています。現在、消化器、肺、乳腺、前立腺など広範囲に分布することが確認されており、これらの臓器のがんへの応用の可能性があります。また、米国ではEGCgを主成分とする外用剤を試作し、皮膚がんに対する二重盲検による臨床第2相試験を実施中です。

(Medical Nutrition 22号より)


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