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再評価される養子免疫療法---精神免疫学は「心」の解明に---
患者のニーズが多様化するのに従い、がん治療の現場では3大療法に加え、様々な治療法が行われている。再評価が進む養子免疫療法もその一つだが、このほかにも患者の免疫を高める手段としてイメージトレーニングなどの精神免疫学的アプローチが行われている。
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「長期不変」は奏効の証 |
養子免疫療法に関する臨床評価は、奏効率は0〜71%とばらつきがあるが、多数例の研究では20%程度の評価が多い。メラノーマや腎細胞がんについての報告が多い中、肺がん、消化器がん、卵巣がんもみられる。
後藤重則医師(瀬田クリニック院長)は2000年12月にバイオ治療研究会で活性化自己リンパ球療法と樹状細胞ワクチンによる治験を報告した。治療が完了した症例のうち治療前後で画像診断を行った77例では、完全寛解(CR)3例、部分寛解(PR)14例、不変(NC)28例、進行(PD)32例、6カ月以上の長期不変(longNC)7例という結果となった。後藤医師は評価に当たり、乳がんのホルモン療法に準じてlongNCを奏効例に加え、CRとPRにlongNCを加えた奏効例を31%と評価した。
「理屈は分かるが半信半疑だった」と語る額田克海医師(額田診療所理事長)は、2年前からがん治療にATK誘導療法を取り入れている。症例数は10例と少ないが、「抗がん剤治療の前であれば可能性を高めることができるだろう。ATK誘導療法を施すと気分的に元気になる患者が多く、こうしたQOLの改善効果は抗がん剤とは正反対。延命効果も期待できる」と臨床医としての評価を語る。
一方、2000年9月2日のランセット誌に元国立がんセンター研究所室長の関根暉彬医博の論文が掲載され、LAK療法による肝臓がんの再発予防が報じられたことによって、養子免疫療法に新たな関心が寄せられている。
関根医師らは、術後肝臓がん患者150名で養子免疫療法を受けた76名と対照74名の再発率を比較し、養子免疫療法の治療が再発を予防することを明らかにした。3年後の再発予防率は養子免疫療法の治療グループ48%に対して無治療グループ33%、5年後では治療グループ38%に対して無治療グループは22%と有意差が示された。再発予防に対する有効性が統計学的に証明されたのは初めてとあって、再発予防を目的とした治療法としての期待も高まっている。
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イメージトレーニングや「笑い」がNK活性高める |
精神免疫学的な医療の評価も進んでいる。イメージトレーニングで疾病に対する肯定的なイメージを浮かべることは不安解消などの心理的効果だけでなく、短時間にNK細胞を活性化する効果があることが証明されている。
伊丹仁朗医師らルイ・パストゥール医学研究センターの実験では、がん患者を含む10名の被験者が1日2回トレーニング用テープ(15分)を聞いて、その前後でNK細胞の活性を調べている。実験の結果は表1のようにイメージトレーニングがNK細胞の活性を高めることを突き止めた。また伊丹医師は「笑うこと」がNK細胞の活性を高めると報告している(表2)。乳がんや悪性リンパ腫の患者を含む19名を対象としたこの実験では18例中13例(測定不能1例)で活性が上がり、このうち正常値を下回っていた5例では全員の活性が高まった。ヘルパーT細胞とサプレッサーT細胞の比率の検討では、全例が正常または正常値に近づいた。
(Medical Nutrition 23号より)
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