「イチョウ葉エキスのパイオニア、独シュワーベ製薬の日本戦略」
 シュワーベ・グリーンウエーブ(株)代表取締役社長 林 聖男氏に聞く

イチョウ葉(Ginkgo)エキスのパイオニアであり、生薬製剤大手のDr.Wシュワーベ製薬(ドイツ・カールスルーエ)の日本拠点として、日本市場の開拓を進めるシュワーベ・グリーンウエーブ(株)。同社代表取締役の林聖男氏に、シュワーベ製薬イチョウ葉エキスの米国における最新動向や日本のハーブサプリメント市場の展望について話を聞いた。


Q 先ずは、シュワーベ製薬の世界的な位置づけについてご説明下さい。
林聖男社長(以下略)
1866年の創業でドイツ・カールスルーエに本社を構えるW.シュワーベ製薬は、欧州で伝統的に利用されている自然生薬製剤のトップ・メーカーです。10数年前にドイツで承認されたイチョウ葉エキスEGb761が主力製品となりますが、EGb761のほかにも数百種類にも及ぶ生薬製剤が承認されています。日本でイチョウ葉エキスと言えば健康食品ですが、健康食品として流通している国は日本、米国、イタリアなどごく僅かでしかなく、ヨーロッパ各国をはじめ70カ国以上で医薬品として利用されています。アジアにおいても主に医療用医薬品として利用され、中国では100%が医家向けで利用されています。同じく韓国では90%が、台湾では85%が、医家向けです。

Q イチョウ葉エキス(EGb761)に関する最新の研究動向は。
シュワーベ製薬は今現在、米国においてEGb761を痴呆症の治療薬としてFDAに申請し、認可を得るために第3相試験を鋭意実施中です。
 
また一方、昨年からNIHによってEGb761を使用しての「アルツハイマー発症調査」が実施されています。その規模は、3000人の被験者を5年間にわたって追跡調査するという米国国家の意気込みを十分感じとれる大規模な調査となっています。
 
日本でも米国でも、従来ハーブ類の医薬品化は大変困難な点が多かったのですが、米国でEGb761が現実的に治療薬として検討されていること自体は、特例的なことと言えましょう。その背景には、痴呆症患者の急増と、新薬の治療薬の期待感が薄いことの両面が挙げられると思います。昨今に米国のしなやかな医療行政から、近未来的にEGb761が医薬品として認可される可能性はかなり高いと信じております。
 
日本も、今や米国と同じように、痴呆症の増加や決定版新薬の期待薄の現実から、医療界においてEGb761を、活用いただくことを切望しています。シュワーベ製薬のEGb761の医薬品化は、高度高齢化社会の健康問題を軽減・解決するステップともなり、また広く福祉や保険制度という観点からも、大きく貢献できるものと確信しています。すでにEGb761を医療の恩恵として享受している多くの国々の生活者と同じように、日本の生活者にも早く活用いただけるよう努力することが、私の大きな使命だと思っています。

Q シュワーベ社の日本戦略について。
先程も言いましたように、シュワーベの製品はイチョウ葉エキスEGb761だけではありません。数多くのオリジナリティーに富んだフォーミュラを揃えています。日本にもできるだけ早期に、いくつかの自然生薬製品を紹介できるでしょう。
 
また「シュワーベ」を信頼のブランドとしてPRし、認知率を高めていくことも大きな目標です。ドイツ本社でも、日本の事情を考慮し、健康食品として販売することのデメリットを踏まえながらも、ドクターとの交流を重要視しています。人体に対する作用など生活習慣病対策に寄与する情報を、ドクターをはじめとして医療従事者にPRしていきます。いずれにしても世界的な医薬品メーカーでありながら、日本では余り知られていないのが現状です。医薬品メーカーとしてのシュワーベ・ブランドと、そのジャーマン・クォリティをご理解いただけるようPRしていくことが、ここ数年のテーマとなります。
 
ドイツ本社とのコミュニケーションも密になっていますし、これまで日本はもとより本社以外にオープンにされなかった研究データも、開示されるようになりました。日本の薬事・学術担当がドイツ本社と協力しながら、医師や薬剤師らの要望に応え得る学術データを提供できるようになりました。
 
ヨーロッパでは、自然生薬を医薬品の起源として今でも高く評価しています。明治維新以来、日本でも西洋医学が盛んになりましたが、自然生薬が西洋医学の起源であることを再認識するときではないでしょうか。

(Medical Nutrition 27号より)


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