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<第3回> 教育プログラムと修了者認定 食事・栄養・解毒・通常療法の統合/ゲルソン・インスティテュートの実例から
ジャーナリスト 氏家京子
前回の記事で少し触れたが、 ゲルソン療法で安全にがんを治そうとする際には、 治療をする側にも、 治療を受ける側にも、 その全体像を正確に理解し、 正確に実践することが求められる。 今回は、 療法の正確な理解と実践のために、 ゲルソン・インスティテュート (カリフォルニア州サンディエゴ) がどのような教育プログラムを用意しているのかについてレポートする。
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医療者側と患者側への教育。講師はゲルソン療法の認定クリニックの医師や元患者。 |
ゲルソン・インスティテュートでは、 その普及のためにスタッフや元がん患者らが講演活動を世界各地で行なっているが、 それらを除いた教育プログラムは、 大きく分けて2種類存在する。 ひとつは 「(医療系) 有資格者のためのトレーニング・プログラム」 で、 もうひとつは 「(介護者のための) ケアギバー・トレーニング・プログラム」 だ。
「有資格者のためのトレーニング・プログラム」 は、 受講者が、 メディカル・ドクター、 整骨専門医、 自然療法医、 ホメオパシーのメディカル・ドクター、 東洋医学医、 カイロプラクター (脊柱指圧師)、 臨床看護士、 看護士といった資格を持った医療従事者に限定されている。
講師は、 メキシコにあるゲルソン療法の認定クリニックなどで、 30年近くゲルソン療法を行なう患者を指導し見守ってきた医師たち、 ゲルソン療法でがんを治して十年以上経っているような元患者などから構成される。
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有資格者のためのトレーニング・プログラム。 |
プログラムはモジュールIからIVまであり、 それぞれの内容は次の通りである。
モジュールI 7日間の講義+1日の認定クリニック見学。 7日間の講義では、 ゲルソン療法のセオリー、 同療法を行なう上で必要な生化学上の基本知識、 同じく生理学上の基本知識、 禁忌、 検査数値の変化の見方、 起こりがちな間違い、 食事の整え方、 メディケーションの調整、 ケーススタディーなどを学ぶ。 この間、 毎日の朝・昼食時はゲルソン療法の規則通りの食事が供されるため、 ゲルソン療法を体感し、 正確な味も身につけることができる。 8日目には、 ゲルソン療法が行なわれているクリニックを訪れ、 患者たちの様子などを見学する。
モジュールII 5日間の臨床実習。 患者が入院する認定クリニックで、 経験豊富な医師とともに実際の治療を学ぶ。
モジュールIII 経験豊富なゲルソン療法の認定医からサポートを受けつつ、 18〜24カ月以上の時間をかけ、 実際にゲルソン療法を行なったがん患者の症例を6つ文書化して提出する。
モジュールIV その後の6〜12カ月で、 文書化するのに最適なケーススタディーを一つ選び、 それを完成させる。
現在、 こうした教育を受け、 正確なゲルソン療法の知識を身に付けている医師らは、 米国のほか、 カナダ、 オーストラリア、 オランダ、 イギリス、 韓国などにおり、 今年もその数は増すようだ。 今年5月初旬に行なわれたモジュールIには、 このプログラムに初めて日本人医師が参加している。
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ケアギバー・トレーニング・プログラム。 |
もうひとつの教育プログラム、 「ケアギバー・トレーニング・プログラム」 のほうは、 特に受講資格などの条件が無いため、 参加者層は多様である。 たとえば、 がん患者自身、 患者とその家族、 患者とその恋人や友人、 自然な治療方法に関心を持つ健康な人、 介護士、 栄養士、 医学生、 医師、 歯科医師などがいる。 私が参加した時には、 受講者が計25名で、 医師も4〜5人含まれていた。 「有資格者のためのトレーニング・プログラム」 を受ける前に、 ゲルソン療法についておおまかなイメージを得ておこうと、 試しにこちらのプログラムを受講する有資格者もいるのだろう。 また、 がん患者の娘とその家族の計四人で参加していたアメリカ人がいた。 他の家族が皆がんで亡くなり、 自分もそうなるのではないかという不安から、 予防と治療の知識を得るために参加していた初老の男性もいた。 参加者の国籍は、 米国、 イギリス、 南アフリカなどさまざま。 患者自身や、 それを支える身近な人にとって、 このプログラムはゲルソン療法の全体像を間違い無く理解するのに最適なものである。
こちらの講師陣に医師は含まれないが、 インスティテュート代表のシャルロッテ・ゲルソン女史や、 家族の治療を介護した経験を持つ人、 元がん患者などが講義を行なう。
その内容は、 ゲルソン療法のセオリー、 患者が従うことになる1日の治療スケジュール解説、 食事の整え方、 フレアアップ (治癒反応) への対処のしかた、 などを三日間かけて学べるようになっている。 受講者は、 自宅に戻ってから患者と同じ治療を自分自身で行い、 自ら体験した後に筆記試験を受け、 解答用紙をインスティテュートに送付する。
インスティテュートの認定。認定者はインスティテュートと同レベルの知識を。こうしたインスティテュートによる教育プログラムを修了すると、 受講者にはある程度の正確な知識が身に付いている。
したがって、 ゲルソン療法でがんの治療を行ないたい、 と考える患者は、 身近にいるプログラムの修了者にコンタクトを取り、 助けを得ればよいことになる。 そのため、 ゲルソン・インスティテュートでは 「認定者リスト」 と、 認定したことを示す 「マーク」 を発行している。
教育プログラムの受講者が、 インスティテュートからの正式な認定を受けるためには、 プログラムを修了するだけでなく、 たとえば医師ならば、 その治療を行なう施設を規定に沿って整えたり、 オーガニックの新鮮な食材を確実に調達できるようにしたりと、 より細かい基準をクリアしなければならない。 また、 ゲルソン・ケアギバーと呼ばれる認定介護者になるには、 患者教育のための教育資料を自分自身で作成するなど、 48時間という時間枠のなかで、 どのように患者にゲルソン療法を理解させるかを示した学習スケジュール作りも行なう。
そして、 さまざまな条件を満たしてインスティテュートの認定を受けると、 1年間という期限付きの登録をすることができる。 翌年の登録は、 前年の患者たちへの対処などがチェックされてから改めて行なわれるようになっている。 同時に、 新しい治療情報の確認なども毎年行なわれることになるので、 認定者たちは必ずインスティテュートと同レベルの知識をいつも持つことができることになる。
プロフィール
氏家京子(うじいえ・きょうこ) ジャーナリスト。 国内外の栄養療法や自然療法を取材し、 執筆・講演・翻訳・消費者教育を行っている。 訳書に 『【決定版】ゲルソンがん食事療法』 (徳間書店) がある。 南房総の自宅で、 ゲルソン療法の学習会を開催。 日本人初の米国ゲルソン・インスティテュート認定ケアギバー。 JFJ会員。 藤女子大学文学部・英文科卒。
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(Medical Nutrition 76号より)
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