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食事・栄養・解毒・通常療法の統合/ゲルソン・インスティテュートの実例から <第1回> 「統合」 の全体像
ジャーナリスト 氏家京子
前回、この紙上で連載させていただいた 「代替医療のメッカから」 (http://www.yobou.com/にて閲覧可) では、 米国カリフォルニア州ロサンゼルスで毎年開催されている代替療法会議の様子と、 国境を隔てた'がん代替医療のメッカ'メキシコのティファナにある、 がん治療クリニック群の実際をレポートした。
日本では、 ひとくちに 「代替療法の導入が進むアメリカの医療」 とか、 「高学歴のアメリカ人ほど代替療法を選択している」 というように、 ポジティブなフレーズで紹介されがちなアメリカの現実をニュートラルな視点からご紹介できたと思う。
今回はそのなかから、 'がんの治療体系'として名前を知られる、 ゲルソン療法に焦点を絞り、 さまざまな治療手段をどのように組み合わせ、 実際の統合医療が行われているのかをレポートする。 また、 患者を医療の主体とする統合医療にとって、 それを支える教育とサポート体制がいかに重要であるか、 実例を交えながらお伝えしていきたいと思う。
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代替療法を大黒柱に据えた統合医療。 |
筆者が今回、 がんのゲルソン療法にスポットを当てた理由は、 いくつかある。
第一に、 統合医療の 「統合」 にもさまざまなパターンがあることを実例として示すためである。
日本でも統合医療という言葉は既に数年前から知られ、 医療機関の紹介文でも使われるようになったが、 その実態はいろいろだ。 たとえば、 ごく一般的な診療所で保険診療を行う医師が、 中医学の経絡やツボといった知識を持ち、 指圧やマッサージなどを実際に患者さんに適用するケース。 また、 大学病院や総合病院で通常のチーム医療を行いながら、 関わっている内科医と栄養士が機能性食品やハーブを患者さんに処方したり、 外科医が最先端の医療技術を併用したりするケースもある。
そして、 現段階の日本で比較的多い 「統合」形態は、 通常療法、 つまり現代医学の治療手段を大黒柱に据えた統合医療だろう。 米国の大学病院や国家的医療機関に留学する日本人医師の多くも、 NIHのお墨付きがあるような、 通常療法中心の統合医療を学んで帰国している。 いわば、 通常療法の処置だけでは得られない効果を代替療法で補い、 '多角的な総合戦略'として統合医療を行なうわけだ。
しかし、 統合医療の大黒柱が必ずしも通常療法である必要はない。 不幸にも侵襲性の高い通常療法で過去に辛い経験をしたことがある患者さんや、 そうした事態を事前に避けたいと考える人もいる。 通常療法のスピーディーな処置をあきらめてでも、 浸襲性の低い代替療法を大黒柱として治療の中心に据えたいと望む患者さんはいるわけだ。
ただし、 米国の場合、 がんの治療には初めに通常療法を優先的に行わなければならないという法律や州の条令があるため (参考: 『医療殺戮』 ユースタス・マリンズ著、 面影橋出版など)、 米国内で代替療法中心のがん治療を行うのは難しい。 そして、 その米国の国策がからんだ統合医療を、 日本人医師たちがそのまま学んで輸入し続ける限り、 どうしても通常療法中心の統合医療情報が日本でも多くなってしまう。
米国では、 このジレンマに対する一つの現実的解決として、 'がん代替医療のメッカ'ティファナが生み出されたといえよう。 がんのゲルソン療法も、 このティファナで行なわれている。
今回の連載では、 ゲルソン療法を例に、 まだあまり日本では知られることがない、 代替療法を大黒柱に据えた統合医療を紹介する。
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患者さんが治療の全体像を理解するための教育とサポート体制。 |
また、 ゲルソン療法にスポットを当てた第二の理由に、 その教育とサポート体制がある。
統合医療を行おうとする際、 まずは治療の主体となる患者さんが、 その治療の全体像を理解する必要がある。 そうでなければ、 その治療の主体として積極的に治療に参加することはできないからだ。 そして、 医科大学で通常療法を中心に学んできた医師たちにも、 当然のことながら、 代替療法の学習が求められる。 それ以外に治療に関わる人たち、 たとえば医師がいない日常のさまざまなシーンで患者と生活をともにする家族や友人たちが、 治療の全体像を知ることも大切なことだ。 皆が同じ知識をどれだけ共有しあっているのか、 その確認作業も必要だろう。
このようなニーズに対し、 ゲルソン療法の普及を行っている非営利組織、 米国ゲルソン・インスティテュートでは、 さまざまな段階の教育プログラムを用意している。 これは、 ゲルソン療法を騙る正確な知識を持たない医師や、 自己流の誤ったゲルソン療法の広がりを食い止める目的もあって構築されたものだ。
実際、 このプログラムを受講するために、 医師、 患者、 患者教育担当者たちが、 世界中から同インスティテュートのある米国サンディエゴを訪れている。 その模様を交えながら、 教育とサポートの重要性をお伝えしていければと思う。
プロフィール
氏家京子(うじいえ・きょうこ) ジャーナリスト。 国内外の栄養療法や自然療法を取材し、 執筆・講演・翻訳・消費者教育を行っている。 訳書に 『【決定版】ゲルソンがん食事療法』 (徳間書店) がある。 南房総の自宅で、 ゲルソン療法の学習会を開催。 日本人初の米国ゲルソン・インスティテュート認定ケアギバー。 JFJ会員。 藤女子大学文学部・英文科卒。
http://www10.plala.or.jp/healthfreedom/ |
(Medical Nutrition 73号より)
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