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<癌の統合医療> 経過のいい癌患者は統合医療を実行できた人。
統合医療ビレッジ腫瘍診療部統括部長 水上 治
筆者は統合医療ビレッジにおいて癌の統合医療を目指している。 言うまでもなく癌は西洋医学的に難治であり、 賢く代替医療を組み合わせることは治療成績を向上させる。 筆者が実践している癌統合医療について述べる。
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なぜ西洋医学だけでは癌が治らないのか? |
西洋医学で行われている癌の三大療法、 手術・抗癌剤・放射線は、 いろいろな程度に生体に侵襲を与え、 体に優しくない医療である。 しかも、 必ず治癒をもたらすならば、 患者を励まし何とか耐えてもらうが、 大きな苦痛にもかかわらず、 再発・転移が日常茶飯事であることが問題である。 筆者の考えでは、 西洋医学は癌細胞の絶対数を確かに減少せしめるが、 癌の根本原因である、 免疫力の低下を改善しようとしないので、 これだけでは完治しにくいのである。
現実に、 癌患者の免疫力を調べると、 ほぼ例外なく、 低下している。 臨床的に癌になる、 ならないの差は、 癌細胞の発生の違いにあるのではなく、 免疫力の高い、 少ないにあるというのが、 定説になってきている。
多数の癌患者が西洋医学だけで完治しているのではないかと言うが、 それは患者側の努力でたまたま免疫力が上がったから治ったのである。 三大療法だけでは、 免疫力が向上しないと決して癌は治るものではない。
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癌は代替療法だけで治せるか。 |
一部の医師が、 昔も今も、 癌は代替療法だけで治ると主張している。 誰でも、 苦痛を伴う三大療法を受けたくない。 体に優しい方法だけで治したい。 気持ちはわかるが、 筆者の臨床体験では、 初期癌を除けば、 癌を代替療法だけでコントロールするのは、 至難の業である。
ある程度の大きさになっていれば、 癌の進行に加速度がついており、 かつ免疫力が低下しているので、 そのまま押されてしまいかねない。 生命がかかっているのであるから、 自分の理想論を患者に押しつけてはいけない。 現実に筆者は、 手術拒否で死に至った患者を多数診てきた。
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西洋医学のどこを残すか。 |
それでは、 西洋医学のどこを残したらいいのであろうか。 手術は原則的には勧めている。 安全性の高い手術は勧める。 ただし、 手術自体の侵襲が多く、 少なからぬ危険を伴うものは、 その人の体力にもよるが、 避けたい。 化学療法は、 術後の補助化学療法なら、 基本的に勧めている。 勿論、 それは抗癌剤の感受性にもよる。 放射線療法も基本的には勧める。 手術より侵襲が少ない傾向が強い。
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代替療法をどう組み合わせるか。 |
以上のような三大療法に、 適宜代替療法を組み合わせる。
心理療法:絶望ではなく、 大きな希望を持つことだけで、 免疫力が改善する。 リラックスし、 副交感神経優位の生活を心がける。 音楽療法もいい。
食事療法:栄養免疫学の原理に従って、 食事を整える。 簡単に言えば、 肉を減らし、 和食を心がける。 野菜・果物を豊富に摂る。 ジュースにしてもいい。 脂肪は、 オリーブ油か、 オメガ3系列のものを選ぶ。
運動療法:散歩程度の軽い運動でも、 免疫力が上がるので、 毎日何か運動を心がけるといい。 筋力トレーニングを組み合わせてもいい。
サプリメント療法:治癒力を上げる様々なサプリメントがある。 癌細胞のアポトーシス (自殺) 誘導の強いもの、 腫瘍血管新生阻害作用のあるもの、 腸内細菌叢を改善するもの、 栄養補助剤などをうまく組み合わせ、 治癒力を改善する。
リンパ球療法:癌患者の弱っているリンパ球を体外に取り出し、 IL-2等で活性化した上、 1000倍位に培養し、 注射で戻す方法である。 高額であるのが弱点であるが、 患者によっては確かにいい効果がある。
温熱療法:高温で癌細胞が死ぬ原理を応用した治療法で、 全身温熱療法と局所温熱療法とがある。
血管内治療:肝癌の栓塞療法を他の癌に応用したもの。
その他、 アロマテラピー・鍼灸・温泉療法などをうまく組み合わせるといい。
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成果はどうか。 |
筆者が目指すのは、 癌治療においても、 いいとこ取りの医療である。 三大療法は確かにパワフルだが、 副作用が強く、 免疫は上げない。 代替療法は、 治癒力を上げようとし、 パワーが弱いが、 副作用は殆どなく、 むしろQOLを改善する。 それぞれ相補的なので、 うまく組み合わせることを勧める。 実際、 経過のいい癌患者は、 ほとんどうまく統合医療を実行できた人である。
どの時期にどのように様々な治療を組み合わせたらいいか、 それは患者には選択は難しいであろう。
西洋医学にも代替医療にも詳しい医師が適切にアドバイスし、 最終的に患者に選択してもらうのが、 理想の医療であると筆者は考えている。 西洋医学、 代替療法などといった垣根を取り払い、 お互いが長所を発揮し合うならば、 癌ももっと治るようになるはずである。
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癌の統合医療
以下の治療を適切な時期に何種類か組み合わせる
外科手術
化学療法
放射線療法
心理療法
食事療法
運動療法
サプリメント療法
リンパ球療法
温熱療法
血管内治療
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(Medical Nutrition 72号より)
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