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第6回 症例報告 患者の健康感を見据えたグローバルな症例把握を。
統合医療ビレッジ(ライフアート・クリニック)・中村裕恵
筆者は内科全般の臨床領域に携わりながら、 現代医療のみでは解決のできない大勢の患者と接する経験を重ね、 その結果として統合医療の実践を志しました。 今回は、 症例を中心に紹介したいと思います。
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症例1 上熱下寒 |
21歳女性 ホメオパシー治療薬を処方
最初の症例は、 41歳の女性で専業主婦です。 心窩部不快感と細かいことが気になるという問題を抱えての来院で、 東洋医学的所見から上熱下寒が著明に認められ、 加味逍遥散を中心とした漢方薬の処方で帰宅されました。 再診時には、 体調がかなり改善されていましたが、 どうしても、 ホメオパシーが受けたいということで、 処方決定ための問診を行いました。
中心的愁訴は、 自分が判断したことが正しかったかが気になり、 くよくよしてしまうことが多く、 特に娘のことが放っておけず、 心配で目が離せないとの訴えがありました。 さらに、 怒りがこみ上げてくる際、 突然胃にギュっと握られるような不快を感じ、 胃から感情が頭にむかってこみあげてくることがよくあるそうです。 月経前になると特に苛立ちや涙もろさを感じて感情的になりやすく、 甘いもの (チョコレートとアイスクリーム) への渇望がでてきます。 体質的には、 環境の変化に弱く、 風邪をひきやすい傾向があり、 上まぶたがよく腫れるそうです。 寒がりで、 首から上が火照りやすいので、 入浴を嫌っていました。 腰痛、 肩こりをしばしば自覚され、 後ろにひっぱられていくような感覚をよく自覚されます。 性格は、 几帳面で嘘をつくことを最も嫌い、 道徳的なことを重視し、 社会の善悪には敏感で白黒はっきりとさせたい気持ちが非常に強いかたでした。 心配事は娘の健康を中心に、 様々な事がすぐに不安の対象になるとのことでした (自分の健康は、 心配になるとすぐに医者に行くので、 一時的に安心しています)。 知人とのたわいないおしゃべりがとても楽しく安心できますが、 夫は意志を伝えるのが下手なタイプなので、 不安の対象となりやすいそうです。 近年購入したマンションのローンによる重圧感も日頃よく感じてしまい、 金銭に対する不安もしばしば感じていました。
以上、 問診による情報聴取を約90分に渡り行い、 ホメオパシー治療薬Kalium carbonicum (炭酸カリウムから製造した薬剤) の処方と決定しました。 1ヶ月後の再診では、 自覚されていた症状の大方が消失しており、 ご本人の快適度が非常に増していました。 睡眠の質、 日中の身体の快活さが戻り、 腰痛と肩こりが消失し、 苦手だった運動を毎日行うようになり、 再診時に同じ処方にて経過をみたところ、 自覚症状が完全消失され、 内服の必要がなくなり、 以後、 来院の足が途絶えました。
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症例2 自律神経失調・月経前症候群 |
38歳女性 フラワーエッセンスを服用
次の症例は38歳の女性です。 幼い頃から自律神経失調で苦しみ、 来院時には、 月経前になると特に悪化する目の奥の痛みと頭痛と吐気で悩まれていました。 現代医療による精査を過去に幾度となく受けていましたが、 全く問題を指摘されたことはありません。
当院での検査の結果も異常は指摘できず、 自律神経失調症と月経前症候群の病名のみがかろうじてつけられました。 2回目の再診時、 月経前に起こる激しい不調で身体を動かすことができず、 母親に付き添われて来院し、 臥位のままでの診察となりました。 冷汗をかいてうずくまる患者さんを前に、 数ある統合医療のメニューのなかで、 何を使ってこの急場をしのげるかを考えあぐねておりました (過去、 多くの西洋薬による対症的処置にて悪化した経験をもつ症例です)。
そこで、 フラワーエッセンスの選択を決定し、 緊急時にバランスを整えてくれる作用を持つエッセンスのなかで、 唯一 「K9」 と呼ばれているアフリカ奥地に咲く花のエッセンスのみが、 Oリング‐テストの結果、 反応良好でした。 診察中から5分ごとにエッセンスを服用してもらったところ、 頭痛と吐気が次第におさまり、 自力でなんとか歩いて帰宅できる程度まで復活しました。
エッセンスの服用とともに症状は改善し、 間もなく月経もきて体調は軽快しましたが、 以後、 鍼灸の継続治療と漢方薬・女神散の内服により、 月経前の不調が次第に軽くなり、 加療継続半年後の現在では、 家庭教師の仕事にも復帰され、 月経前でも元気に日常生活をすごせるようになりました。
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症例3 パニック発作 |
21歳女性 漢方薬処方とリフレクソロジーによる全身調整
最後の症例は21歳の女性です。 不安感とともに出現するパニック発作を愁訴に来院されました。 脈診と良導絡検査の結果、 肝経の緊張亢進が目立ちましたので、 漢方薬・抑肝散加陳皮半夏を中心に処方し、 リフレクソロジーによる全身調整とともに、 施術を受けながらの看護士との会話の中で、 現在専攻している美術の勉強が自分の今後の人生進路に合っていることを確信し安心したそうです。 また、 ご自身でみつけた電話カウンセリングで、 緊張時の対処法を会得できるようになり、 パニック発作が日を追うごとに減り、 来院時から3ヶ月後の段階で不安感も著明に減少してきました。
その後、 漢方薬の減量を計ったところ、 特に再燃も起こらず、 脈に現れていた肝経の亢進も消失し、 初診時から約半年で元の元気で健康な美大生に戻り、 来院時よりクリニックでの継続加療も終了となりました。
統合医療には、 患者の達成したい健康感を見据えたグローバルな視点から症例把握に努めることが肝要で、 さらに、 患者−医師関係を超えた多くのスタッフ (代替療法家を含む) の連携が大切であると、 日々の臨床マネージメントで実感しています。
(Medical Nutrition 67号より)
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