医療経済とCAM

 <CAMのアレルギー疾患治療への応用>
 エッセンシャルオイルで病気治療・症状緩和。

 メディカル&メディスン・リサーチ代表 松田 孝

 この5月12日から3日間、 前橋市で開催された日本アレルギー学会春季臨床大会で 「補完・代替医療のアレルギー疾患治療への応用」 (講師:今西二郎教授・京都府立大大学院感染免疫病態制御学) と題した教育セミナーが行われた。


 アレルギー疾患に応用できる漢方、鍼灸、ハーブ療法。  

この中で今西教授は、補完・代替医療 (CAM) の利用が高まってきた理由をとして(1)西洋医学で力の及ばない疾患がある。 (2)西洋医学における副作用や耐性の問題。 (3)臓器別の診療による医療への不信。 (4)西洋医学は治療医学であり、 予防医学ではない。 (5)患者の権利意識の高まり。 (6)医療経済の破綻。 以上、 6項目を挙げた。 CAMにはいろいろな療法があるが、 アレルギー疾患に応用できるものとして漢方、 鍼灸、 ハーブ療法、 リラクセーション法、 温泉療法等を挙げている。 漢方では、 アレルギー性鼻炎の治療で小青竜湯、 麻黄附子細辛湯、 苓甘姜味辛夏仁湯の3剤が特に良く処方されていると述べ、 鍼灸では鼻の症状、 目の症状等に対処していると述べた。 ハーブ療法ではエキナセア、 エルダー、 ネトル、 フラックス、 キャッツクロー、 ペパーミントが良く用いられていると述べていた。 花粉症に用いられる民間療法として甜茶、 柿の葉茶、 発酵食品、 ポリフェノール、 プロポリス、 フコイダン、 ビタミンやミネラル類のサプリメント等がある様だが、 中には医師として見て眉唾的なものもあると指摘している。


 アロマセラピーの幅広い対象疾患と症状。  

アロマセラピーはエステティック・アロマセラピーとメディカル・アロマセラピーに分けられる。 メディカル・アロマセラピーは病気の治療や症状の緩和が目的で、 エッセンシャルオイルを用いる。 アロマセラピーの対象疾患、 症状として(1)風邪やインフルエンザ、 気管支喘息等の呼吸器疾患、 (2)花粉症等のアレルギー疾患、 (3)アトピー性皮膚炎、 その他接触性皮膚炎等の皮膚疾患、 (4)妊娠中あるいは出産時、 月経困難症、 月経前緊張症、 更年期障害、 (5)さまざまな心身症、 (6)不眠症、 パニック障害等の精神疾患、 (7)高血圧、 糖尿病等のさまざまな生活習慣病、 (8)肩こりや筋肉痛、 神経痛等の痛み、 (9)時差ぼけ、 (10)下痢、 便秘、 吐き気等の胃腸障害を挙げ、 特にアトピー性疾患との関わりとして、 花粉症に伴う 「目のかゆみ」、 「鼻の粘膜の炎症」、 呼吸器疾患に伴う 「喉の痛み」、 「痰」、 「喘息」 に効果があるとの事。

アロマセラピーの方法として、 塗布、 芳香浴、 吸入、 内服、 全身浴、 部分浴、 アロママッサージがある。 「塗布」 のやり方としては、 1つあるいは数種類のエッセンシャルオイルをキャリアオイルで希釈し、 ブレンドオイルとして用いる。 また、 精製ワセリン等の基剤に混ぜて用いる。 「内服」 はその言葉通り服用する事だが、 アロマセラピーでは唯一ティートリーが内服出来るエッセンシャルオイルで、 抗微生物作用が強く、 風邪の治療等に用い、 紅茶等に垂らして服用するケースが多い。 「アロママッサージ」 はマッサージそのものの効果より、 リラクセーション効果や血液循環の促進、 神経系、 内分泌系への刺激に加えて、 エッセンシャルオイルによる抗炎症作用などの薬理効果を期待して用いている。


(Medical Nutrition 63号より)


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