医療経済とCAM

 第2回 「生活習慣病(特に肥満)予防のための生活改善術」
 生活習慣病予防に寄与するファイトケミカル。

       メディカル&メディスン・リサーチ代表 松田 孝

 生活習慣病予防で今注目を集めているのがファイトケミカルだ。ビタミンやミネラルとは別に体内で有用な働きをし、特に抗酸化作用や抗凝固作用に優れている。植物に含まれており、日本の伝統的な食事ではこのファイトケミカルを上手に取り入れていたという。現代の食生活の中で、どうすればファイトケミカルを効率よく摂取できるのだろうか。


 「肥満症」 による生活習慣病の経済的損失は1兆3000億円。  

生活習慣病は日常の生活習慣が強く影響して発症する。 がん、 虚血性心疾患、 脳卒中、 糖尿病をはじめ、 現代に多く見られる病気の大半が生活習慣病と言える。 その予防には、 早い段階から、 食事に気をつけ、 身体を適度に動かし運動不足に陥らないよう心がけ、 肥満を避けるよう、 心がける事が老化を遅らせ、 その結果として生活習慣病が予防出来る。 特に肥満は糖尿病、 高血圧症、 肝臓病、 心筋梗塞、 脳卒中、 変形性膝関節症や腰痛症等のリスク因子として良く知られている。 日本肥満学会はBMI25以上を 「肥満症」 と病気の診断を下している。 我国の 「肥満症」 は15歳以上で約2,300万人と推定されている (1998年国民栄養調査)。

この 「肥満症」 による生活習慣病の経済的損失は1兆3000億円とも言われている。 公衆衛生学の立場で、 「生活習慣と難病発生」 を調査している名古屋大学医学部予防医学の大野教授らは、 疫学調査の結果として、 日本茶を毎日飲用し、 日本的食品 (毎日、 漬物を食べ、 週3〜4日、 白菜やミカンを食べる) を摂っているとベーチエット病やクローン病の発生が予防されると報告している。 日常生活ですぐ出来る生活改善術が(1)適切なエネルギー量の摂取、 (2)バランスのとれた栄養、 (3)適当な睡眠時間、 (4)ストレス解消の嗜好品、 の4点を守ることであろう。


 ファイトケミカルには抗酸化作用や抗凝固作用などの有用な作用。  

現代人にはビタミン、 ミネラル、 食物繊維の摂取不足が言われている。 特に食物繊維は第6次改定栄養所要量や虚血性心疾患の1次予防ガイドラインでは1日20g〜25gの摂取を推奨している。 食物繊維は、 コレステロール低下作用、 食後血糖の上昇を抑制しインスリン分泌も抑制する。 高食物繊維食でインスリン非依存性糖尿病の発生リスクが28%下がったとの報告がある。 この10年間余りで糖尿病が2倍に増えた背景には食物繊維不足に加え、 脂肪の取り過ぎが大きいと常々言われている。 米国では脂肪代替食品として、 脂肪の味覚を保持しながらリパーゼの分解を受けずに消化吸収されない食品添加物として、 プロクター&ギャンブル社が開発したオレストラがスナック菓子に使われている。

また、 植物にはビタミンやミネラルとは別に体内で有効な作用を有する物質が含まれており、 これらを総称してファイトケミカルと呼んでいるが、 その代表的なものとして(1)赤ワインに含まれているポリフェノールや茶のカテキンに代表されるフラボノイド系、 (2)緑黄色野菜等に含まれるベータカロチン等のカロチノイド系、 (3)大豆イソフラボン等のエストロゲン、 (4)ニンニクや玉葱等の刺激臭成分があり、 これらファイトケミカルは抗酸化作用や抗凝固作用など様々な作用を有し生活習慣病の予防に役立っている。 これらはサプリメント等の形で我々の健康に寄与しているのは良く知られている。

ストレス解消で食されているのが、 コーヒーやお茶 (緑茶・紅茶・中国茶等) で、 そこに含まれるカフェインやタンニンは脳や筋肉を刺激し、 利尿作用や、 抗菌作用がある。 ハーブはハーブティーの形でストレス解消や気分転換に、 その成分の精油はアロマセラピーとして健康増進を図る療法として良く知られている。


(Medical Nutrition 62号より)


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