ドイツ自然療法を訪ねて

 食事でリウマチを治す。

 リウマチ患者の中には、食事が引き金になる場合があるとされ、断食と菜食療法の効果を示す研究がある。昨年秋にドイツのベルリンで開かれた「統合医療ワークショップ」では、菜食・生食を中心とする食事療法が紹介された。これらの治療により、関節の炎症、疼痛が劇的に減少するという。


 食事療法により体重減少、腸内細菌叢の変化などの効果。

ドイツを始め欧州諸国で行われる慢性関節リウマチの自然療法的アプローチには、次のようなものがある。(1)理学療法(運動療法、水療法、温熱療法)(2)断食を含めた食事療法(3)潜伏する感染症の治療(4)肺・肝臓・腎臓・皮膚の刺激(5)植物療法(ネトル、デビルズクローなど)(6)心理療法(7)漢方薬、鍼治療。

リウマチ患者の中には、食事が引き金になる場合があるとされ、断食と菜食療法の効果を示す研究がある。例えば、肉、ソーセージ、砂糖、小麦、アルコール、動物性脂肪などの摂取と症状の悪化との関連が指摘されている。

なぜ食事療法で効果が見られるのか。まず明らかなのは、体重が減少することだが、それ以外にも、アラキドン酸の減少、腸内細菌叢の変化などが挙げられる。

ある疾患と食事の関連を考える際、2つの方向性が考えられる。望ましい働きをする栄養素を積極的に摂取することと、原因・悪化因子となる成分を除去することである。

炎症のメディエーター・プロスタグランジンの前駆物質となるアラキドン酸は、動物性食品に含まれており、断食中や菜食主義者は、当然これらを摂取しないため、炎症の軽減につながる。またグルテンや乳製品を避けることによって、関節の痛みだけではなく、関節の動きや朝のこわばり感に主観的改善がみられることを示すデータもある。

一方、炎症性疾患の症状の改善において、腸内細菌叢の変化と炎症症状の消長には相関が認められている。さらに断食によるコルチゾールの増加など、特定のホルモンの変化が抗炎症の方向に働いているのかもしれない。


 菜食療法の注意点は野菜と果物を同量食べること。

昨年秋にドイツのベルリンで開かれた「統合医療ワークショップ」では、菜食・生食を中心とする食事療法が紹介された。これは(1)2〜4週間、生の野菜のみを食べる(2)その後全粒穀物と野菜スープを加える(3)さらに、蒸し野菜、全粒パン、少しのバターを加えていく――というプログラム。これらの治療により、関節の炎症、疼痛が劇的に減少するという。

菜食療法の注意点は――野菜と果物を同量食べる。消化器系に不調を及ぼさない限りは、できる限り生で食べる。乳脂肪、動物性脂肪を減らし、いかなる種類の水素処理脂肪を避ける精製した製品を避ける。また、自分自身に忍容があるなら全粒穀物を加える。グルテンの豊富な穀物は、米、キヌア、キビ、アワで代替できる。肉の消費量を減らす。禁煙、アルコールは症状が落ち着くまで中止する。

食事療法で効果のある症例を分析すると、「悪化因子となる食物がある」「患者が望んでいる」「発症したばかり」「チーム医療に取り組んでいる施設での治療」では、よい結果が得られた。

なお、断食が禁忌となるのは、BMI18未満、ステロイド剤・非ステロイド剤を高用量服用している患者、高齢者、脳血管硬化症の患者。その場合の代替手段として(1)栄養の改善(2)腸内洗浄(3)サプリメント(ビタミン、ミネラル、魚油、抗酸化剤)(4)水を飲み、酸と塩基のバランスを整える――ことがある。
(最終回)


(Medical Nutrition 第50号より)


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