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全体で約70億円の市場を形成、イチョウ葉売り上げ 新薬しのぐ。
ドイツにおける昨年8月から1年間の医薬品売り上げランキングによると、イチョウ葉(EGb761)製剤テボニンが抗痴呆症薬ドネペジル(90位)よりもはるかに上の34位にランクされている。ハーブを医薬品として位置づけるドイツならではの興味深いデータと言える。
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ハーブ医薬品の有効性・安全性の確保に努めるドイツ政府。 |
前回触れたように、欧州のハーブ製品の規制や市場は、国によって異なる。例えば、基本的に、ドイツやオーストリアではハーブは医薬品であるが、英国やオランダではサプリメントとして位置づけられている。またドイツでは、ハーブのOTCでも医師による処方と保険適応が可能なものもある。風邪や消化不良などのセルフメディケーションから精神神経疾患の治療まで、さまざまな段階でハーブが取り入れられていると言えよう。政府も約20年前からコミッションEと呼ばれるハーブ医薬品のモノグラフを制定し、ハーブ医薬品の有効性・安全性の確保に努めている。
その結果、2000年のドイツ国内のハーブ製品の市場は14.8億ドル(約1,800億円=出荷ベース)で、欧州のハーブ市場のうち実に47%を占めるようになった。単味製剤だけでも1255種類が承認されている。その内訳はイチョウ葉が10%、セントジョーンズワート(SJW)が5%、高麗人参が4%と続く。この他にも、数種のハーブを組み合わせた合剤がある。
昨年8月から1年間の医薬品売り上げランキングを表に示した。日本でも導入された高脂血症剤アトルバスタチンが堂々の第1位に君臨している。以下シンバスタチン、シルデナフィルなどメジャーな新薬が顔を連ねるが、そのなかで、イチョウ葉(EGb761)製剤テボニンが34位にランクされているのは興味深い。抗痴呆症薬ドネペジル(90位)よりもはるかに上なのだから。テボニン以外のブランドを含めれば、EGb761は全体で約70億円の市場を形成している。その他、上気道感染症に用いられる合剤としてSinupret、同じく感染症用のハーブ・ペラゴニウム(ゼラニウム)も133位にランクインしている。
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1億回の投与で7.8件、極めて少ない副作用発現頻度。 |
テボニンの開発・製造元が、ドイツの植物製剤のトップメーカー・Dr.W.シュワーベ製薬だ。全世界に3,000人の従業員を有し、年商4億1,000万ユーロ(約500億円)。国内外の売り上げ比率はおおむね同率だが、最近では相対的に国外の比率が上昇しているという。売れ筋はテボニンの他、ニューロプラント(SJW)、プロスタグット(ノコギリヤシ)、クラテグット(ホーソーン)となっている。
テボニンに使われているイチョウ葉エキスは、EGb761と呼ばれる規格化成分。EGb761はドイツ国内で他のメーカーにも導出されているほか、世界50カ国以上へ輸出されている。かの『メルクマニュアル』にもその名が記載されているほど、スタンダードなハーブ製剤だ。ドイツでは痴呆症、末梢動脈閉塞症、耳鳴りおよびめまいが適応となっている。
同社の推計によると、1989年から2000年までの12年間に、EGb761は30億回投与された。この間、副作用が報告されたのは233件、1億回の投与で7.8件という、極めて少ない発現頻度と言える。有効性に加えてこのような安全性が、EGb761が広く受け入れられた要因と言えよう。
(Medical Nutrition 45号より)
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