カロテノイドのすべて

 白内障、加齢黄斑変性の発症リスクを抑え、目の健康を守るルテイン。

食品成分の疾病に対する機能が注目される中、がんを始めさまざまな疾病に研究が進んでいるのがカロテノイドである。自然界に存在する色素のひとつで、ニンジンに含まれるβ-カロテンや、トマトに含まれるリコピンなどが有名だ。今回は目によいとされるルテインについて、ビタミン広報センターに取材した。


 高齢者のQOLを考える上で、視力は大切な要素。

高齢化が進むにつれて、QOLを高め「健康寿命」をいかに延ばすかに関心が集まっているが、高齢者のQOLを考える上で、視力は大切な要素と言えるだろう。ましてや、紫外線や食生活、ストレス、喫煙、OA機器など、現代人の生活様式は目の健康維持に決して優しいとは言えない。

高齢者の眼科疾患でよく知られているのは白内障である。年齢とともに水晶体が白濁し、視力が落ちてくる。

同じく、年齢を増すごとに発症率が高まる加齢黄斑変性(AMD)は、米国では失明原因の第1位に挙げられるほどの疾患だ。網膜の中心に異常が発生し、視力の低下を始め、ものがゆがんで見える、視野の中心だけがぼやけるなどの視力障害を来たす。そのまま進行すると失明に至る。日本での患者数は約125万人と推定され、近年増加傾向にある。

これらの発症リスクを低減させるとされているのが、カロテノイドの1種・ルテインである。ブロッコリーやホウレンソウなど緑色野菜や、果物、植物に豊富に含まれる成分で、光による酸化を防御する働きがある。ヒトではルテインは水晶体と黄斑部に存在する。


 ルテイン摂取による白内障発症リスクの低減。 

ちなみに、ヒト黄斑部に存在するカロテノイドはルテインとゼアキサンチンのみで、その濃度は血清の1万倍にも上るとされている。これらは進入した太陽光から青色光を吸収し、目の組織を保護している。以上のことから、両者がいかに目の健康維持に必要な栄養素であるかがわかるだろう。

ルテイン摂取と白内障あるいはAMDとの関連を調査した報告はいくつかある。詳細は次回にゆずるが、ルテイン摂取と白内障、AMDの発症に負の相関、つまりルテイン摂取が多いとこれらの発症リスクが低下するとした報告が多い。

では、実際にどれくらいの量を摂ればよいか。2〜6mg/日とする説があるが、これに関しては今後の研究が待たれる。いずれにせよ、一般食品から十分な量を摂取しようとすると、例えばホウレンソウなら2分の1束くらいは必要とされ、連日一定量の摂取は困難な場合もある。サプリメントを利用するのも一法だ。


海外の研究では、サプリメントの摂取で、血清ルテイン濃度の上昇に比例して黄斑色素密度の上昇が確認されている。

(Medical Nutrition 47号より)


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