「受けたい医療」を求めて国境越え。
代替医療施設が集まるメキシコ。<ティファナに向かう患者>
 フリーライター 氏家京子

ゲルソン療法では患者自身がライフスタイルを修正させながら、ほとんどの治療を自分で行なってゆく。今回は、"病院で行う治療"と私たちが聞いてまずイメージするような医者による治療、いわば比較的自己治療の割合が小さい病院治療を行うティファナ(メキシコ)の統合医療病院について紹介したい。


 まだ"受けたい医療を受けられない"というジレンマに悩む米国民。

始めに、「なぜティファナか?」について述べておく。"アメリカでは、日本よりも代替医療が進んでおり、認められている"。日本では米国の医療状況についてそう紹介することが多いかもしれないが、それは、研究が進んでいる・研究費に公的なお金が投入されている・選択肢や情報量が多い、ということなのであって、実際に病気になった患者の側からすれば"アメリカはまだまだ代替医療に理解のない医者ばかり"というのが実状である。

確かに、20〜30年前と比べれば代替医療に対する社会的な理解は深まっており、関心を持つ医療従事者の数も増えてはいる。しかし、それでもまだ"受けたい医療を受けられない"というジレンマが米国民を悩ませることも多い。また、"行いたい医療を行えない"と悩む医者もいる。

そんな医者や患者たちが向かう、米国から最も近くて医療に自由が残されている国が、隣国メキシコだ。特に、米国カリフォルニア州と国境を接しているティファナが何かと便利というわけで、この街に代替医療を行う病院やクリニックが集まるようになった。

しかしながら、郵便などの通信事情が悪いメキシコでは米国や他の国に住む患者などとの連絡が取りにくい。この点を考慮し、治療施設はメキシコ側に置いてあるが、事務所や研究施設は米国側(サンディエゴなど)にあるという病院もある。

中には、ティファナで代替医療病院が流行っていることを耳にして、知識や技術の無いインチキ病院を開いて金儲けに走る詐欺医師たちもいるが、そういった施設はさすがに患者のクチコミで評判がガタ落ちし、2〜3年で消え去る。


 患者個々の生化学的な個性を重要視しながら、毒性の少ない統合医療を。 

ティファナ周辺にあるほとんどの代替医療施設では、患者が滞在するための病室を10〜20室備えている。しかし、入院費用を削るために、国境をはさんだ米国側にあるモーテルに滞在しながら、ティファナの治療施設に毎日通うという患者が現在は多くなっている。モーテルは1泊50 ドル前後だが、ティファナの病院に通う滞在客の場合は特別に若干割引してくれるところもあるからだ。

最近、ティファナでも人気が高くなってきたインターナショナル・バイオ・ケア統合医療病院(IBC、院長はロドリゴ・ロドリゲス医学博士)の場合は、患者が滞在しているモーテルに毎朝決まった時間に迎えの車が向かう。そして病院に着いた患者は治療を受け(点滴など)、オーガニック野菜たっぷりの新鮮な食事や搾りたてジュースで昼食を済ませ、他の患者仲間たちと雑談を楽しみ、病院の送迎車で米国側にあるモーテルに帰る。インターナショナル・バイオ・ケアでは通常、このような通院(又は入院)治療を3週間行い、患者を自宅に戻す。

もちろん入院滞在することもでき、この場合は付き添いの家族や友人ひとりが患者と同じ部屋に滞在できる。3週間の入院管理治療は日本円で約200万〜250万円くらいになるが、治療内容によって費用は大幅に違ってくる。

ここでは、患者個々の生化学的な個性を重要視しながら、解毒・栄養補給・ホルモンバランスの調整・免疫防御の回復・水銀アマルガム除去などの口腔内環境整備などを行ない、次のような治療も用いて毒性の少ない統合医療を行う。

哺乳動物の体細胞を使って患部組織の蘇りを促すライブ・セル治療。抗がんに役立つレトリル(アミグダリン)治療。EDTAキレーション治療。抗ウイルス、抗菌、抗真菌を目的にしたオゾン・酸素治療。痛みのコントロールなどを目的にした針灸治療。がん腫瘍に対する再分極治療。p53やp16遺伝子による治療。血液循環を利用した全身の温熱治療。血液への紫外線照射治療。がん細胞の自己破壊を促すウクレイン・ハーブ治療など。

私が訪ねた日、ちょうど退院するところだったがん患者さんと話をすることができた。そのインタビューは次回紹介したい。


前回記事の補足
 前回紹介した、ゲルソン療法を行うバハ・ニュートリ・ケアでも、付き添いが一緒に滞在して患者と一緒にゲルソン療法を学べるようになっている。患者と付き添い1名の7日間宿泊・ゲルソン療法の食事が3食・患者に1日13杯の搾りたてジュース・ゲルソン療法の教材と教育や調理実習・浣腸道具一式・基本的な検査・基本的に必要なサプリメント数種などが含まれて1週間4900米ドル〜

(Medical Nutrition 44号より)


BACKSITE TOPPAGE TOP