医薬ネットワーク時代−新医療システムの構築をめざして

信頼できる医師を紹介できるネットワークの構築を。
 医療ジャーナリスト 平野勝巳

食養生、漢方薬、機能性食品で「がん細胞が消えた」という患者は少なくない。しかし、医師との協力関係が得られないために、せっかく回復した患者ががんを再発させるケースも多い。この現実を克服するためには、医師と薬剤師のネットワーク化が欠かせない。


 回復した患者が病院の抗がん治療で…

東京・練馬の港忠夫さんは、北大医学部を中退のあと、さまざまな職業をへて「くすりのアルファ」を開業した。

ところが、ときを同じくして末期がんが発見され、「余命六ヶ月」と宣告された。原発の大腸がんは手術で摘出したが、転移していた肝臓と肺は手術不能で、抗がん剤か放射線しか手だてがない状態だった。そこで、あえて自分が信じる漢方薬・機能性食品と食養生による治療法を選び、二年後には「がん細胞は消えた」というレベルまで回復した。

この体験を港さんは、相談にくるがん患者に話す。そして、同じように食養生と漢方薬・機能性食品によって回復に向かうケースは多いという。しかし、港さんがいつも悩むのは、それからの医師との協力関係だ。

「患者の体力が回復すると、医師はすぐに抗がん剤や放射線治療をする。それでまたたくまに病状が悪化するケースが多い。安心して患者に紹介できる医師がいないことがつらいですね」と嘆息の日々だ。

一方、鹿児島市で「自然の理薬局」を開局している西田達生さんも同じような問題で先日、落胆する体験があった。

西田さんはこれまで「ありとあらゆる機能性食品の本を読んで、本物を探してきた」という。そのなかで確信した一つが、クマイ笹エキス「AHSS」だった。現在は、これを中心にケース別に漢方薬などを併用する療法を実践している。

一昨年末、肺がんで「3ヶ月の命」と複数の医師から宣告された男性から相談を受けたときも、それまで飲んでいた各種の機能性食品に加えて、AHSSを勧めた。その結果、翌年始めには咳も止まり、体調もかなり回復してきた。男性の妻は「3ヶ月をはるかに過ぎても元気で歩き回っている夫の姿を見て病院長が驚き、『どうしたのか?』と主治医に尋ねたほどだった」という。

ところが、まだ少し痰が喉にひっかかるようすを見た主治医から「喉を切開して痰を取りましょう」と提案され、「簡単だから」と思って手術を受けた。それから容態が急変し、男性は死亡した。

「末期がんは治らない、と医師は思い込んでいるから、不必要な手術もしてしまう。あれほどがんばってきたのに、すべて水の泡」と西田さんは肩を落とした。

もちろん、この手の医師ばかりではない。こんなケースがある。C型肝炎から肝臓がんになり、脳やリンパにも転移が認められた男性も、漢方薬とAHSSを飲み始めた。その結果を医師も「脳の進行性がんが小さくなっている」と認めたうえで、それからは抗がん剤を低濃度で使うにとどまった。こうして肝臓、脳、リンパのいずれのがんも完全に消え、現在は再発予防のためにAHSSを飲み続けている。


 医師と薬剤師が情報交換できる場を。

このケースのように、適切な医学的処置が機能性食品とうまくマッチングすることもある。この連載の第2回で紹介した札幌市の平田章二医師のように、通常の10分の1の抗がん剤とAHSSを組み合わせた療法を確立している医師もいる。

しかし、こうしたケースは稀なのも、また事実だ。港さんと同じように西田さんも「安心して患者に紹介できる医師がいない」という現実に苦悩している。

この現実を克服するためには、医師と薬剤師のネットワーク化が欠かせない。その一つの試みとして、前述のAHSSのメーカーのバイオメディカル研究所(株)が進めている「新医療システム」の構想がある。同社のホームページ(HP)は、機能性食品を利用して治療を勧めている医師や薬剤師のHPとリンクしており、情報発信・交換の拠点になっている。

こうした試みが「21世紀の医療」の流れをつくり出していくことを確信している。


(Medical Nutrition 49号より)


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