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主治医と情報交換できれば、ベストの治療法を提供できる。
医療ジャーナリスト 平野勝巳
製薬会社の情報だけに頼って薬を処方する医師。正確な診療データなしで相談に応じるほかない薬局・薬店…。本来は連携してトータルな医薬サービスを提供すべき医師と薬剤師のあいだに現実には深い溝が横たわっている。この"溝"を取り除いて「本物の予防医療」システムをつくろう、という新しい動きが各地で起こっている。その最新レポートをお届けする。
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「新医療システム」づくりをめざし、医師=薬剤師の連携が始まった。 |
今年8月末、東京・有楽町の国際フォーラムの1室に有志の薬剤師ら10数人が集まった。医師と薬剤師の連携による「新医療システム」づくりをめざす第1回研究会である。
発起人は、千葉県船橋市で「しみず薬局」を開局している清水保佑さん(57)。会には同会をサポートしているバイオメディカル研究所(株)の菊地眞悟所長や、熊本で「健康の郷」づくりを進めているコンサルタントの三上晋さんらも参加し、熱い議論が交わされた。
清水さんが同会を呼びかけた背景には個人的な体験があったという。山梨県に住む父親に4年前、大腸がんが見つかり、腹膜と小腸にも浸潤していて「長くても6ヵ月」と宣告された。しかし、漢方や機能性食品によって多くの難病を克服してきた経験がある清水さんは、父親に漢方薬とバイオメディカル研究所の機能性強化食品を勧め、2年後にはがん細胞が完全に消えてしまった。主治医からも「もうまったく心配はいりません」とお墨つきももらった。
ところが、その1年後、再発が見つかった。それからのがんの進行は速く、1年半後に父親は死亡した。
一時はがん細胞が消えるまでに回復した父親がなぜ死んだのか。このつらい体験を薬剤師として省みて清水さんは「医師との連携の必要性」を痛感したという。
「入院中は主治医との関係は密でした。しかし、退院してからは父も気を抜き、私も実家に帰る機会が減って父親の治療がエアポケットに入ってしまった。このときこそ主治医と密に連携すべきだったのに…」と清水さんは悔やんだ。
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ピロリ除菌による医師と薬剤師のネットワーク化。 |
じつは、同じ問題を多くの相談者にも感じていた。病院で治療を受けながら漢方や機能性食品の相談にくる人が多く、「主治医と情報交換ができれば、ベストの治療法を提供できるのに」と清水さんはいつも思っていた。その長年の思いが、「父親の死」によって危急のテーマとして浮かびあがってきた。こうして新医療システム研究会が誕生した。
活動はすでに始まっている。その一つが、ピロリ菌を除菌・抑制するバイオメディカル研究所の機能性強化食品を使った除菌治療。具体的には「胃の調子が悪い」と薬局に相談にきた希望者に東京メディカルケアセンター(東京・日本橋)などでの保菌検査を勧める。そこで陽性となった場合、抗生物質による除菌治療か、機能性強化食品による除菌・抑制法かを選択してもらい、同センターの医師と薬局で密に情報交換しながら予後をみる…というもの。
同センターの永川祐三院長は「医療は急速に多様化している。そのなかで質の高い医療を提供するために医師と薬剤師との連携が重要です」という。医療改革が叫ばれるなかで、医師と薬剤師のネットワーク化が着実に進んでいる。
(Medical Nutrition 44号より)
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