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糖尿病の食事はたんぱく制限を、の流れに一石を投じる報告。
高輪メディカルクリニック院長 秀明大学客員教授 久保 明
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高たんぱく食が糖尿病患者の糖代謝を改善。 |
米国のGannon氏らは、 2型糖尿病患者への高たんぱく食が糖代謝を改善させるとのデータをまとめ、 American Journal of Clinical Nutrition (78巻734ページ、 2003) に報告した。
未治療で軽度の2型糖尿病患者12名 (平均61歳) を対象に行った。 食事中のたんぱく質:炭水化物:脂肪の割合を30:40:30にしたものを高たんぱく食群、 同じく15:55:30に調整したものを対照群とした。 試験期間は5週間。 期間中に参加者の体重は変化しなかった。
血糖値測定を1時間ごとに行い、 その24時間濃度曲線下面積で比較したところ、 高たんぱく食群は、 対照に比べて40%の減少が見られた。 ヘモグロビンA1cは5週後に被験食群で0.8%、 対照群で0.3%、 それぞれ減少しており、 被験食群が有意に優れていた。
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オーソドックスな指標も動脈硬化予測に有効。 |
オランダのvan der Meer氏らは、 超音波、 X線などを用いて動脈硬化進展の予測因子は何かを調査し、 Stroke (34巻2374ページ、 2003) に発表した。
調査は8000人規模のコホート研究 「ロッテルダムスタディ」 の参加者 (55歳以上の男女) から、 約3400人を対象とし平均6.5年追跡した。 頚動脈プラークと内膜の肥厚度を超音波、 X線によって評価するとともに、 ABI (上肢と下肢の血圧の比率) を計測した。 その上で、 動脈硬化の進行度合いと心血管系のリスクとの関連を調べた。
その結果、 年齢、 喫煙、 総コレステロール値、 収縮期血圧、 高血圧が、 多様な部位の動脈硬化進展の、 強固でそれぞれ独立した予測因子であった。 性別と動脈硬化の進展は大した関連はなかった。
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■従来型マーカーにも意義 |
コメント:日本で推奨されている糖尿病の食事は、 炭水化物50:たんぱく質20〜25:残りが脂質、 という割合である。 日本でも、 腎症予防のためにたんぱく制限を早めに始めるべきとする意見があるが、 Gannon氏らの研究は、 こうした流れに一石を投じた格好だ。 一方、 空腹時血糖が正常でも、 食後、 すなわち糖負荷に対して高値を示す一群がいることが最近わかってきた。
それを踏まえて考えれば、 腎症がない患者では、 食事のたんぱく質の量を増やすことで食後高血糖を抑制し、 血糖値の日内推移を改善できることを明らかにした点で意味があるだろう。 いかんせん症例が少なく、 期間も5週間と短いのは残念だが。
さて、 動脈硬化のスクリーニングにあたって、 ホモシステインや高感度CRPなど新しいマーカーが臨床応用されているが、 van der Meer氏らは従来型のマーカーでも十分に検出能力があることを示した。
多数の人をフォローしていく場合には、 従来から使われているオーソドックスなマーカーも捨てがたいということではないだろうか。
また、 55歳以上の女性では閉経によって心血管障害への防御がなくなっていることも確認された。 女性も動脈硬化の進行に注意が必要である。
(Medical Nutrition 58号より)
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