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天然にがり 天然にがりに降圧・抗腫瘍作用
東京都医師協同組合連合会(都医連)は昨年10月、開業医らへの紹介商品として、天然にがりを主成分とする機能性食品「bit―150」を採用することを決定した。都医連の紹介商品は、組合加盟の医師やその家族が利用するもので、健康食品のほかにも、生損保会社、住宅メーカーなどが指定業者となっている。今回採用を決めた天然にがりの中には、突然死を防ぐといわれるマグネシウムが豊富に含まれていることが知られているが、最近の研究では抗腫瘍効果があることも確認されている。
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食塩と同じ塩素でも、天然にがりは血清塩素を低下させる |
天然にがりは、インドネシア国営公社PT. GARAM社、PT. UNICHEM社が製造する高ミネラル原塩を淡水溶解、濾過などの工程を経てサプリメント用に開発したもので、富士バイオ(株)(亀井武司社長、TEL0545-64-0011)が日本の総輸入販売元として、昨年秋から販売を始めた。
都医連がいち早く採用を決めたのは、有用性を裏付ける文献が豊富な点に加え、海水を濃縮して結晶化した天然塩が原料という安心感もある。
天然にがりの機能性に着目した熊本県立大学教授の奥田拓道氏は、さっそく富士バイオからサンプルを取り寄せ、降圧効果や抗腫瘍効果について研究を始めた。海水から分離した天然にがりには、15%程度の塩素が含まれているので、塩素が血圧を高める可能性がある。そこで奥田氏は、ラットに「9%食塩水」と「9%食塩水+天然にがり10%」の比較投与を行ったところ、天然にがりを加えた方が血清塩素濃度は低くなり、にがりと食塩では同じ塩素でも、にがりの塩素は吸収されにくいことがわかった。
次に奥田氏は、ラットに小麦澱粉を経口投与して、経時的に血糖値を調べたところ、にがりを一緒に投与すると血糖値を有意に抑えることがわかった。
「これは小腸でグルコースが吸収されるときに働くナトリウムの動きを、にがりが邪魔して吸収を遅らせるためと考えられる」(奥田氏)。この働きは、同じ量の澱粉を食べても、にがりを同時に摂取していれば肥満が予防できることを意味する。
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4倍希釈が腫瘍容積・重量を抑制、NK細胞やT細胞の免疫力を高める可能性も |
さらに奥田氏は、天然にがりを使った抗腫瘍効果の実験を試みた。悪性腫瘍を皮下に移植したマウスの腫瘍容積を見ると、にがりを投与しない対照群では大きくなる傾向を見せたのに対し、2倍、4倍、8倍希釈の天然にがり0.5mlを投与すると、4倍希釈では腫瘍細胞の容積縮小が確認された。
実験最終日に殺処分して、がんの重量を測定した結果でも統計的に有意にがん重量は抑えられ、濃度が濃いほど効果が出るのではなく、4倍希釈のものが最も重量抑制効果を示した。また、追加実験により、天然にがりは抗腫瘍作用を持ちながら、免疫に関係する脾臓・胸腺の縮小、白血球数の低下、腎臓障害による血中尿素窒素値の上昇、体重の減少といった副作用は全く見られなかった。
天然にがりの抗腫瘍効果について奥田氏は、「NK細胞やT細胞が分担している免疫力を高めてがんを縮小させている可能性と、がん細胞の周りにできる新生血管の生育を阻止して制がんする可能性がある」と分析している。
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天然にがりの主成分マグネシウム不足が生活習慣病を引き起こす一因にも |
天然にがりの主成分であるマグネシウムの重要性について、京都大学名誉教授の糸川嘉則氏は、「人のエネルギー代謝、核酸・蛋白質代謝、体温・血圧の調節、神経の興奮、筋肉の収縮、ホルモン分泌などの生理機能をつかさどる体内酵素のほぼ全ては、その活性を保つのにマグネシウムが不可欠になる」と説明する。
「第6次改訂日本人の栄養所要量」によると、最も多く必要とする30〜40歳代の1日マグネシウム摂取量は、男性で320mg、女性で260mgとなっているが、加工食品への依存度が高い現代人は充足していないのが実態だ。食卓で使う塩も厳密に言えば「塩」ではなく、「塩もどき」であり、イオン交換法という電気分解で化学的につくられている。成分は塩化ナトリウムが99%以上で、にがりなどのミネラル成分は含まれていない。
にがり不足が現代病の原因と指摘する真島内科医院・真島真平院長は、「にがり成分を摂ることができないのが現代の食生活。このことが体内のミネラル・バランスを狂わせ、生活習慣病を引き起こす一因になっている」という。
(Medical Nutrition36号より)
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