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高い抗酸化能を示す 眼科領域の大衆ハーブ「ブルーベリー」 【ブルーベリー(Blueberry) 】
近年、ブルーベリーの国内消費量が拡大している。大阪外国語大学の梶本修身医師による臨床報告をきっかけに、国内で流通するハーブサプリメントのなかで高い認知を得るようになった。欧州ではブルーベリー抽出製剤を医薬品として承認している国もあり、その眼科領域に対する機能が注目を集めているが、国内においてもこうした機能が紹介されるや否やこの5、6年のうちに130億円市場を形成するまでになった。今回はブルーベリーの有用性についてまとめる。
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アントシアニン色素が視覚機能改善 |
ブルーベリー果実は、ジャムやジュース、菓子、さらに近年はワインなどにも加工され、国内消費量が増加している。食生活への浸透に伴って、最近では生果実がスーパーでも見られるようになり、国内の作付面積も300〜350haと推計されている。1951年にブルーベリーの苗が初めて日本に輸入され、作付面積が76年にようやく1haを越えたことを考えると、消費の急伸ぶりが伺える。
ブルーベリーとは、一般にツツジ科スノキ属のサイアノココス節(Vaccinium Cyanococcus)に属する植物を指す。しかし、欧州で承認されている医薬品やサプリメントにはビルベリー(Bilberry)またはホワートルベリー(Whortleberry)と呼ばれるものが利用されており、広義のブルーベリーとして分類されている。学名はVaccinium Myrtillusで、アントシアニン含量は栽培種など他のブルーベリーの2〜3倍多く、抗酸化作用も高い。またアントシアニンのほかにも数多くのフェノール類が含まれており、さらにビタミンCやB群などのビタミン類やカリウム、亜鉛などが含まれる。
視覚機能改善作用や抗酸化作用を有する機能性成分は果実中の色素アントシアニンとされ、数多くの基礎研究が報告されている。ブルーベリーのアントシアニンにはデルフィニジン、シアニジン、ペツニジン、ペオニジン、マルビジンの5種のアントシアニジンが含まれている。これに各3種の配糖体が存在し、計15種のアントシアニンが確認されている。
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幅広い適応症を示し、欧州では循環器系にも |
機能性研究が進んでいるビルベリーでは、視覚機能改善作用や抗酸化作用に加えて、血小板凝固抑制作用、抗潰瘍作用、毛細血管保護作用、抗炎症作用、血管拡張作用が報告されている。
ヨーロッパでは60年代に盛んに研究が行われ、64年にウサギを用いて網膜のロドプシンの再合成促進効果と暗順応促進効果が見出されている。こうした研究結果をもとにビルベリー果実エキスをVMA(V. myrtillus Anthocya-noside)として規格・製剤化し、医薬品として承認する国もある。イタリアではTEGENS、ANTOCIN、MEMOVISUS、PRENIUM、FOTORETINが医療用医薬品として承認され、フランスでもDIFRAREL FORTEが承認されている。このほかドイツ、ニュージーランドで医薬品として流通している。剤型としてはカプセル、糖衣錠、顆粒、アンプル、軟膏がある。効能・効果はDIFRAREL FORTE(糖衣錠)の網膜症、近視、夜盲症状(昼盲、夜盲)、血管障害及び毛細管脆弱、MEMOVISUS(カプセル)の眼精疲労を伴う肉体的・精神的疲労――といった眼科領域を中心としたものだけではない。TEGENS(カプセル、顆粒)では毛細血管の脆弱状態及び浸透性変化、胃潰瘍及び十二指腸潰瘍、TEGENS(軟膏)では出血、点状出血、血腫、紫斑、皮膚筋炎の毛管炎、中毒疹、色素皮膚炎、静脈瘤性潰瘍、静脈炎後、糖尿病患者、床ずれなど皮膚の脆弱状態や浸透性変化──と適応症は幅広い。
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黄斑変性症の治療で効果 |
多岐に渡る薬理作用を持つが、国内では視覚機能や眼精疲労を改善するハーブとして認知が向上した。その契機となったのは、98年に大阪外国語大学保健管理センター助教授の梶本修身医師による報告だ。
梶本氏らは、9歳から12歳までの小学生2500人の中から、過去に1.2以上あった5m視力が2年以内に1.0未満に低下し、医師によって視力回復トレーニングを勧められている児童あるいは目の酷使を注意されていた児童計63名を対象に、1日3回、ビルベリーエキス25mg含有製品を2錠ずつ摂取させた。その結果8週間後の視力は、0.1〜0.2程度の改善があった。特に摂取前視力が0.1あるいは0.2の被験者の過半数に視力改善が見られた(表1、2参照)。梶本氏は、ビルベリーエキスが近視初段階の眼球組織への血流を促進し、栄養供給を活発にすることで調節性近視を回復させ、調節性近視から軸性近視への移行や発症を予防することが期待できるとし、安全性も高いことから「目を酷使する受験生やVDT作業者の一時的な視力低下に対しブルーベリーは極めて有用な機能性食品である」としている。
また臨床医からの評価報告も行われている。葉山眼科クリニックの葉山隆一医師は昨年7月の国際シンポジウム「ブルーベリーシティつくば2000」で、眼精疲労30名、近視100名、遠視100名、老眼50名、黄斑変性症30名を対象に1日3回2粒ずつ(1粒中ブルーベリーエキス25mg含有)を摂取させた結果を報告した。眼精疲労は全員に視力向上が見られ、近視は被験者の約7割が改善(表3、4参照)。遠視も「多くの人が正視視力、1.0かそれに近い視力に改善」としている。老眼は体調によって変動があるため「全員に効果があるとは言い切れないが、ほとんどの場合効果があったと考えている」とする。また黄斑変性症30名では、「摂取後は黄斑部の鱗がきれいにとれ、4名が完治。残り26名も鱗が多少薄くなるなどの改善があった」と報告した。特に黄斑変性症については「決め手となる治療法がない疾患にこれだけの効果を上げたことは大きな意義がある」と語っている。
ヨーロッパでは医薬品として眼科領域や循環器系疾患に利用されているが、最近では抗酸化作用に関する研究報告にも関心が集まっている。ブルーベリーには緑茶カテキンと同程度の抗酸化活性があるとされ、昨年5月に開かれた国際シンポジウム「果実(主としてブルーベリー)が生活習慣病を予防する」で講演したカナダの国立農業・食料研究所のW.Kalt博士は、「ブルーベリーにはイチゴやラズベリーの約3倍の抗酸化活性があり、抗酸化活性はフェノール含量とアントシアニン含量と大きな相関がある」とした。またKalt博士はこうした機能性は「体重60kgの人で栽培種の生果実75gを摂ることで効果が期待できる」と語った。日本ブルーベリー協会(堀井敬一会長)もこれを受け、大学研究機関や医療機関の研究サンプルとして生果実の無償提供を検討している。
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■ 副作用・相互作用情報 ■
ドイツのコミッションEが示したモノグラフをはじめ、ブルーベリーエキスの副作用、医薬品との相互作用は現在のところ示されていない。
医薬品に使用されるブルーベリーエキスにはヨーロッパ野生種のビルベリー果実が利用され、アントシアニジン含量25%が標準規格とされ、VMAと呼ばれている。1日の推奨量は50〜600mg。代表的な医薬品TEGENS(カプセル)はVMAを1カプセルに80mg配合し。容量を2〜4カプセル/日としている。VMAのラットの毒性試験(LD50)では腹膜内注射が4.11g/kg、静脈注射が848mg/kgと報告されている。ラット及び犬を用いた6カ月間の経口摂取2g/kg/日でも毒性は見られない。慢性毒性に関しても高度の無害性が示されている。
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(Medical Nutrition23号より)
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