予防医療としてのダイエット
ノエル青山クリニック 青木 晃 内科医長

ノエル青山クリニック(東京都港区、TEL03-5785-1580)は、肥満症治療のみならず、若い女性の「部分やせ」や抗加齢ダイエットにも対応する「メディカルダイエットセンター」だ。青木晃内科医長は、「メディカルダイエットは健康、半健康の人を対象とした新しいフィールド。それには西洋医学と補完代替医療の統合がふさわしい」と言う。生活習慣病の予防としてダイエットに成功した症例を聞いた。



【症例 肥満(32歳男性)】
経過:ウエイトコントロールを希望して来院。身長170cm・体重81.3kg(BMI28.1)。体脂肪率31.0%(表1)。食事量を20%減らし、日常生活活動を20%増やすことなどからなる「20 (トゥエンティ)ダイエット法」(表2)で指導開始。体重計測は1日4回を原則とした。
開始直後の1週間は、逆に体重が82.0kgまで増えた。日内変動も激しく、1.4kgにおよぶ日もある。不規則な食事時間や、いわゆるドカ食い、宴席への参加などが影響を及ぼしたと考えられる。1週後の再診でその点を指導したところ、2週目の日内変動は減少した。
患者は生活習慣の改善に取り組み、21日目以降は日内変動幅が一定する。体重も78kg前後へと順調に減少し始めた。4ヵ月後の計測値を示す(表1)。その後もリバウンドすることなく体重、体脂肪率を維持している。

【考察】
肥満は保険診療の対象とならないが、そのままの生活を続ければ生活習慣病を発症する可能性もあり、早期の介入が望ましい。とはいえ、「食事を減らしなさい」と言うだけでは効果が上がらないことは、臨床医なら経験済みだろう。
当院ではまず、体組成計などを用いて筋肉量や部位別脂肪量といったデータを科学的に把握する。そのうえで、体重測定を行動療法的に利用する。すなわち、100g単位で表示される体重計を用意して、1日4回計測するのである。これにより、治療の動機づけと、体重増加要因の排除につながっていく。
指導の基本は、前述の「20ダイエット法」である。生活習慣を急激に変えるのは難しいが、2割減・2割増のような少しの変化なら、患者の苦痛になりにくい。20日間を1クールとし、その後20週を目標に継続すると、代謝環境が安定し、ストレス、リバウンドなく減量できる。
症例によっては、長く続けるうちに停滞期に差しかかる。また、超低カロリー食や食欲抑制剤などアグレッシブな治療では、効果が減弱したりリバウンドしたりして、患者は心身ともに疲弊することがある。そのときに有用なのが補完代替医療である。もちろんこれらの有効性も、西洋医学的視点でチェックしながら行う。(談)

(Medical Nutrition42号より)


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