「日本人」に適した健康作りを
 稲毛病院健康支援科  佐藤 務 部長

稲毛病院(千葉市稲毛区)健康支援科の佐藤務医師は、現代食を「栄養過剰の栄養失調」ととらえ、不足する栄養素を補給するためにサプリメントの摂取を勧めている。サプリメントの摂取と生活の改善で「隠れ肥満」が解消され、血糖値、コレステロール値が改善した症例を聞いた。


【症例】
糖尿病(45歳男性)
【経過】
30代半ばより肥満、痛風、高脂血症を指摘されていた。40歳を過ぎた頃から喉の渇きを強く自覚し、ジュースを多飲するようになった。42歳の時、糖尿病と診断される。内科で治療されているが、体調不良で全身倦怠感があり、気力が出ないので何とかしたいと当科を受診した。当科初診時、172cm、62kg。体脂肪率33%。検査所見を(表1)に示す。
 
いわゆる隠れ肥満であり、当科ではまずその解消を念頭においた。

 
具体的には、以下の4つの面からアプローチした。すなわち(1)現代食で不足しがちな栄養素の補給(表2)(2)日本人の主食である米の良さを見直す(3)新陳代謝、エネルギー代謝双方を活性化させるエクササイズ(4)精神面のケア――である。  
3ヵ月後には、総コレステロールが203へと低下したのを始め、空腹時血糖も116、HbA1cも6.4%となった。本人は不快な自覚症状がほとんどなくなり、かぜを引きにくくなったと言う。  

【考察】

当科では、生活習慣病の急増を「日本人独特の内在環境が欧米型の外部環境に対して順応できなくなった結果」ととらえて対処している。つまり、我々日本人は、日本という土地に生まれ、そこに順応して生きていくための食文化を形成し、食物を代謝する日本人特有のシステムを体内に持っている。それを無視して、欧米型の生活習慣に長い間さらされたため、代謝がうまくいかなくなったのである。

それゆえ、これを改善するには、(1)変えることができない内在環境に合わせて外部環境を選択する(2)変えることができない外部環境に合わせて内在環境を変えて順応する――ことしかない。そのために実施しているのが、前述の4つのアプローチである。

本症例では、食事制限を主としたダイエットでは、高尿酸血症には逆効果であること、激しい運動も同様に逆効果であることから、あせらずに自己改革をしていくことをすすめた。サプリメントの選択にあたっては、ビタミン、クロムを含むマルチミネラル、食物繊維が重要である。また、高脂血症と脂肪肝のコントロールには、レシチン、EPA・DHA、食物繊維、ビタミンEの摂取がカギとなる。

詳しくは拙著『ビタミンダイエットJAPAN』(メンタル編・実践編、とりい書房刊)を参照されたい。(談)

(Medical Nutrition37号より)


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